#50 小さな秋を探しに
颯の如く過ぎゆく秋を書き留めます。
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年々秋が来るのが遅く、短くなっているような気がするこの頃。
バッチ来いと両手を広げ前傾姿勢で捕まえようとしないと、秋ははらりと舞う落ち葉のように私の指をすり抜けていってしまう。
2024年11月17日。
天気は芳しくないが、此程の冷え込みで色付きつつある我が街を散策することにした。
辺りをキョロキョロ見回しながらの散歩。
3連休にはいつも猫が集まって会議している猫のたまり場に立ち寄るが、やはりただの土日では猫会議は開催されていない。猫だって忙しいのだ。
吉田山の麓、神楽岡通りを南下し真如堂の方へ向かう途中、左手(東側)に広がる如意ヶ嶽の大文字を仰ぎ見ると、本当に些細だが緑の色が変わり初めているのが見てとれた。
ジブリっぽいという言葉はあまり好きではないが、通るたびに見知らぬ猫が現れて、猫に誘われた先にバイオリンを作っている少年が居そうだと感じる『吉田山荘 カフェ真古館』。
本当にそんな場所か行って確かめねばならないと思っているが、まだ実行に移せていない。
その吉田山荘の前を左に折れると正面に紅葉と青モミジで有名な真如堂が現れる。
ご覧の通り、紅葉にはまだ早い。
境内のベンチで、来る途中に『菓子司 山もと 北白川店』で購入したごま餅といちょう餅とくり餅を頂く。
和菓子とお茶で一服してから、黒谷の西雲院の立派な獅子柚子を見に行くが、来るのが遅かったようで実はすっかり無くなっていた。
毎年大きな獅子柚子がたくさん成っているのを見てバイキングの小峠さんのように「ほぉ〜」と唸るのが慣わしだが、収穫済みでできなくて残念。
大好きな散歩道、黒谷墓地を降りて平安神宮、岡崎公園へ。
蔦屋書店3Fのソファで一休みして、京都市京セラ美術館のミュージアムショップを冷やかしに行こうとしたら入り口で眼鏡をかけた女性スタッフが私を見つけるなり血相を変えて立ちはだかり、「展覧会に御用ですか?」と詰問される。
「いいえ、ショップを見に」と答えると中に通してもらえた。
しばらく気になって観察したが、呼び止められてる人なんて私以外居なかった。
なんなんだろう、結構傷ついた。
この後は岡崎を南下。古川町商店街を通って、祇園会館前からバスに乗った。
バスに車窓を流れる景色を見ながら、呼び止めるにしても一言理由を言っていた欲しかったなぁとウジウジ考えながら、きっとその日ビニール袋を持ち歩いていたので、展覧会場に入るつもりなら傘立て利用しろと言いたかったんだろうと思うことにした。
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昨年だったか、『ステファンパンテル』(フランス料理店)で食事をした時に、柿の食材としてのポテンシャルに驚かされ、秋になると柿を使った簡単な料理を作っている。
柿って年寄りが食べるフルーツみたいとこの年まであまり食べずに過ごしてきたけど、料理にこんな似合うなんて!と今更ながら柿を買うようになりました。