#2 五山送り火〜2023
京都の夏は7月の祇園祭に始まり、8月16日の五山送り火で終わりを告げる。
といっても急に涼しくなるわけではなく、残暑はまだまだ続くわけだが、あの火床の焔が激しく燃え上がるのを見届け人心地がつくと、なんだか急に市内の気温が2〜3度下がり、蝉の大合唱も一段落つき、コオロギや鈴虫の音が一段階大きくなった気がし、本当に夏が過ぎたように感じるから不思議だ。
8月16日の過ごし方
それにしても、この時期は天候が荒れることが常で油断ができない。
今年も前日の台風6号の爪痕が色濃く、高野川や鴨川は、水嵩も増え、荒れた様子でした。
8月に入ってからの高野川は、雨が殆ど降らなかったせいか水位が非常に低く、水質も澱み、土手から見下ろしても砂利に緑の藻が張り付いているのが目立つ有様だったので、この増水で川の流れが元の清らかなものに戻って欲しいと思う。
ここ数年の五山送り火の日の過ごし方は、夕方になると食材の買い出しに出かけ、大文字点火の20時目指し、ちょっとしたおつまみを作ったり、買ってきたお惣菜を食卓に並べることにしている。
帰り道の18時頃、鴨川デルタの西側を見ると見物人が集まっていたが、コロナ前の10万人見物客が訪れていた頃と比べると、今年の人出は2万5600人ということで、混雑はだいぶマシである。
ひどい年は、河合橋や出町橋は見物客で全く身動きが取れなくなるから大変だ。
家に戻ると点火時間も間近に迫っていたので、シャワーも余所にTVの五山送り火の特別番組を付け、炭酸水片手に料理を作る。
大本命の大文字と、鳥居形はTVで鑑賞。
拙宅の窓を開け放ち、法、妙、船形、左大文字と順番に点火される様子を見ながら、食事をし、ご先祖様が冥土へ送り返されるのを見送ります。
こうして、毎年8月16日の夜は更けていく。