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良いこと・悪いこと
先日、仕事中に私を探す同僚に病棟で出会った。私の顔を見てホッとしている。
「さっき(息子の)中学校から電話があって、探してましたー。折り返し電話します、と伝えています。」
まだ朝の9時半、息子に何があった?朝は元気に出ていったはず。とりあえず、学校に電話を入れた。事務室につながるが、だれが電話したのかわからないとのこと。折り返しを待っていると、保健室の先生からだった。体育の時に、息子が右足を捻ったそうで、病院に行った方がいいので迎えに来て欲しいとのことだった。様子を聞くと、痛みはあるが腫れや内出血はないとのこと。私がどうしても午前中に外せない仕事があり、それが終わるまで保健室で待ってもらうことにした。(息子ごめん。)
午前の仕事が終わり、急いで迎えに行った。歩けないので、車椅子を借りて保健室から車まで移動した。午後の診療時間を待って、整形外科を受診した。レントゲンを撮り、骨折しているとのこと。しかも、骨折部がずれているため、手術が必要とのこと。大きな病院へと紹介してもらい、そのまま息子を連れて、大きな病院へと向かった。あれこれ検査やら採血やらしているうちに、息子は痛みが強くなり、耐えかねている様子。手術の説明を受け、手術室の準備ができるまでストレッチャーの上で痛みに苦しむ息子にかける言葉もなく、代わってあげたいと思うばかり。
ようやく手術室に入り、1時間半ほどで手術は無事に終わった。怖かっただろうな。しばらくは足をつけないので松葉杖での生活になる。大変だろう。まだ入院中だ。面会もほぼできないので、ラインで連絡している。ご飯はうまいらしい。よかった。すぐに退院できるようなので、しばらくは不便な生活が続くだろう。がんばれ、息子。卒業式も入学式もきっと松葉杖だ。
「良いことの後には、悪いことがあるんだな。」
息子が、病院への移動中悲しそうに呟いていた。ケガする前日、第一志望の高校から推薦入試で内定をもらったのだ。まさに天国から地獄。でも高校受かっていたのはよかった。骨折の1週間前には熱も出したけれど、推薦入試の次の日だった。ついてるのかついてないのかわからない。でも中学校最後の1ヶ月、松葉杖なんてかわいそうだ。
夫が息子の病院から帰ってくるなり、
「あいつはついてるなー。なんか持ってる。」
というので、疫病神のようなものがついているのかと思ったら、そうじゃなかった。
「熱出したのも入試の次の日だし、ケガの前に高校も合格したし、運がいいわー。」
と言っていた。清々しいほどのポジティブな意見でびっくりした。
思わず笑ってしまった。私は、卒業前にケガしてしまうなんて…と思っていたが、考え方次第だな、と。捉えようによっては、悪いことも良いこととして受け止められるかもしれない。見習おう。息子もしばらく大変だけど、がんばれよ!