息子のかわいげ
昨日は久しぶりに息子が買い物についてきた。中学生になってからというもの、あまり親と外出したくないようだ。まあ、そんなもんだろう。
「新しい水筒が欲しいから。」
という理由で、ついてきた。
久しぶりに店内を並んで歩く。私よりも高い身長、話す時もわずかに見上げる。
(あっという間に大きくなるんだなあ。)
外で見る息子は、なんだか少し大人っぽくなったようだ。買い物カートを何も言わずに押してくれたり、私が会計をしている間に、商品をバッグに入れてくれていた。もちろん、荷物は持ってくれた。たくましくなったなあ、と感心する。
幼い頃も、お手伝いで荷物を持ってくれたりしていた。その頃は、買い物袋が地面につきそうで、ハラハラしながら眺めていた。今は軽々と買い物袋を持って歩く。当たり前のことなんだけれど、改めて成長を感じた。
息子、根本のところは変わっていなくて、いつまでもやさしい。心が広いというか、鷹揚である。この性格は持って生まれたものなのだろう。きっとこの先も、変わらない気がする。
やさしいんだけれど、幼い頃のようなかわいさはなくなった。何か聞いても
「うん。」
そればかり。
「いってらっしゃい。」
「うん。」
「気をつけてね。」
「うん。」
「おかえり。」
「うん。」
「母ちゃんのこと好きやろ?」
「うん?」
あまりに「うん。」ばかり。
「最近、かわいげがないよ。」
この時だけは、
「中3男子にかわいさ求めんでよ。」
と、答えが返ってきた。答えながら、少し笑っている。やっぱり、少しはかわいげが残っていた。
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