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after パネルディスカッション@EMゆるミートアップ 〜改めて自身に問いかけてみた〜

ビジネス映像メディア 「PIVOT」 でエンジニアリングマネージャー(EM) をしている黒澤です。

先日、EMゆるミートアップ vol.8 〜ベテランEMに聞く、若手EMのお困りごと相談会〜に若手EMのひとりとして、PIVOTの黒澤がパネルディスカッションに参加しました。

本イベントは、終始和やかな雰囲気の中で進行しつつも、リアルタイムの質問や具体的な課題解決にフォーカスした白熱したディスカッションが行われました。会場には熱意のあるEMやエンジニアの方々が集まり、笑いや共感の声が飛び交いながら、濃密な時間が共有されました。

詳細はこちらの note を是非ご一読ください。

若手EM2名が事前に用意した質問に加え、会場からのリアルタイム質問がslidoを通じてスクリーンに映し出され、会場全体が議論に参加しているような一体感がありました。

質問内容は、「EMのスキルアップ方法」から「逆算思考」「ピープルマネジメント」まで幅広く、登壇者それぞれの経験談や具体的な取り組みが共有されました。

黒澤がイベントで話した内容と改めての回答も含めて、当日の様子をレポートします!

テーマ1: EMとしてのスキルアップへの取り組み

こちらのテーマでは、社外の人に話を聞きに行くことと、具体的な課題を持ち込んだ上でガチ討論をすることの重要性を強く実感しました。

ガチ討論 とは、ノーアジェンダでランチミーティングをして雑談をするのではなく、悩みや課題などを持って静かな会議室でガチで討論(相談や議論)することだそうです。

掘り下げたいポイント①は、以下の問いに対するものです

問い

「どういうふうに勉強している?」

当日の私の回答


テックブログ
Konifar's ZATSU
外部顧問あらたまさんとの定期壁打ち

改めての回答

PIVOTのコンテンツです!

第一声でこれが言えなかったことを帰りの電車の中で、深く反省しました…

その他にも、YouTubeやX、Podcast、外部イベントなど、多岐にわたるインプット手段があります。しかし、これらの情報に溢れた時代だからこそ「何から始めるべきか」「どれを深掘るべきか」の選択と集中が大事になります。

その中でも、最も有効な勉強法は「実践」だと考えます。日々の業務を通じて試行錯誤し、目の前の課題を深掘りしていく中で、自分に不足している知識やスキルが自然と明らかになります。その過程で、先人たちの知見や成功事例を柔軟に取り入れつつ、トライ&エラーを繰り返すことで、成長の速度と質を向上させることができると実感しています。

インプットした内容をアウトプットに変え、実際の業務で試すことが、単なる知識の蓄積ではなく「使えるスキル」に転化するために重要です。
また、壁打ちやガチ討論といった他者との対話の場は、自分では気づけない盲点を浮き彫りにし、新たな視点や解決策を得られる貴重な機会です。
特に、厳しいフィードバックや異なる意見に触れることで、次のアクションに繋げられる具体的な洞察を得られるのが最大の魅力だと考えています。
(フィードバックして頂いている皆様いつもありがとうございます!)

加えて、インプットした内容は意識的に times やドキュメントにアウトプットすることを習慣化しています。これにより、情報を整理し、自分の言葉で再構築することで理解を深めると同時に、他者への共有やフィードバックを通じて、知識がさらに磨かれていきます。このようなアウトプットを繰り返すことで、知識が定着するだけでなく、チーム全体の学びにも貢献できるよう努めています。


マネージャーにおすすめのPIVOTコンテンツ一覧は こちら です


掘り下げたいポイント②は、以下の問いに対するものです

問い

EMのなかで大事だとおもうスキルは?

当日の私の回答

ピープルマネジメントに軸足を置いている
しっかりピープルマネジメントをやっている

改めての回答

"ピボット"する力

このように回答できていたらもう少し聴衆の皆さんを盛り上げることができていたなと。(ピボット推しくどいですね)

最初に思い浮かんだことは、「チーム(組織)を勝たせるための何某(何か)」を見極め、最適なリソース配置をする力でした。しかし、これを具体的なスキルとして端的に伝えられず、ピープルマネジメントと回答しました。後から考えると、ピープルマネジメントそのものは確かに重要ですが、それを包括する概念としてピボットするスキルがより本質的であり、EMに求められるスキルとして的確だったと思います。

ピボットするスキル とは、状況の変化や新たな情報に応じて、最適な方針転換を素早く行い、チームを勝たせるために必要な領域に注力する能力と言い換えることができるかと思います。

より具体的なスキルとしては、

  1. 先を見通す力(予測力)

    • 自社や競合、業界の動向を把握し、これから必要となる技術やプロセスを見極める。

    • 経営目線や市場の視点を取り入れることで、長期的な価値創出を計画する。

  2. 逆算思考

    • 遠いゴールに向けて、必要な手順やリソースを洗い出し、近い目標を具体化する。

    • 不確実性が高い場合でも、足場を固めつつ選択肢を広げる戦略をとる。

  3. 領域横断的なスキルのバランス

    • プロダクトマネジメント、テクニカルマネジメント、ピープルマネジメント、プロジェクトマネジメントの4領域を横断する能力。

    • 特定のスキルに偏らず、今チームに必要なスキルを柔軟に補完できることが求められる。

先を見通すためには、自社/競合のことを深く知る必要があり、プロダクトマネジメン力もテクニカルマネジメント力も必要で、ユーザーへの価値提供を高速に回すためにプロジェクトマネジメント力も必要なので、4領域全て大事ですね。(領域と一言で言っても、領域毎に様々なスキルがある)

一方で、名著 良い戦略、悪い戦略の「近い目標」という章には、以下のような一節があります。様々なスキルが求められますね。。

戦略本の多くが、状況が流動的になったらリーダーはより先を見越して手を打たなければならない、 と説く。だが、このような指示は論理的とは言えない。状況が流動的になればなるほど、先は見通しにくいからだ。したがって、絶えず変化する先行き不透明な状況では、むしろより近い戦略目標を定 めなければならない。目標は将来予測に基づいて立てるものだが、将来が不確実であるほど、遠くを 見通すよりも「足場を固めて選択肢を増やす」ことが重要になる。

良い戦略、悪い戦略より

ちなみに、あらたまさん(@ar_tama)に同じ問いを投げかけたところ、下記の回答が返ってきました。

状況を見極める力かな〜〜何がテコなのかを見通す力というか

Why now? を常に意識して(問い続ける)、尖らせる。は大事。
- 自分たちがやっていることが何に繋がっているか
- チームの隅々まで神経を行き渡らせる



掘り下げたいポイント③は、会場から頂いた以下問いに対しての回答です。

会場からの問い

ピープルマネジメントとはいったいどんなもので"エンジニアリング"マネージャーがそれをやる必然性は?

当日の私の回答
(ピープルマネジメントで何をやっているか? に対する回答)

週次の1on1
モチベーションはどこにあるんだっけ?と期待値をすり合わせる

改めての回答
(問い: ピープルマネジメントで何をやっているか? )

自身がご機嫌でいること
出社時のコミュニケーション
timesでのやり取り
mtgでの振る舞い
悩んでいる時のサポート
チームの目指す方向にベクトルを合わせる目標設定、評価 (フィードバック, 成長支援)
etc…

会場からの問いに対する改めての回答
(問い: ピープルマネジメントとはいったいどんなもので"エンジニアリング"マネージャーがそれをやる必然性は?)

ピープルマネジメントとは、メンバーの成長支援と楽しくワクワクした気持ちで仕事をしてもらうための全ての行動であり、チームの目指すベクトルを合わせること。

"エンジニアリング"マネージャーがやる必然性は?については、事業の成功確率を上げるため。(事業を加速するため)

事業と技術の架け橋(事業を加速させるために不確実性を早く速く減らす動き)となる動きを"エンジニアリング"マネージャーがやることで、事業の成功とチーム(メンバー)に最適だと思います。

技術の造詣が深いとより成長支援がしやすいし、事業との架け橋がうまく機能しやすいと思います。不確実性を減らすための手段(技術、コミュニケーションなどなど)に長けた人がやることで早くユーザーへ価値提供ができる。


ピープルマネジメント
という強強ワードに圧倒されて、萎縮した回答になってしまったのですが、改めてメンバーとする仕事全てにおける自身の行動(直接/間接含)だなと思いました。

また、「なぜ週次で30分1 on 1をやっているのか」を改めて考え直して、メンバー向けのメッセージをまとめてみました。

1on1 は、仕事を楽しくするための場であり、「各々のメンバーのための時間」です。 欲を言えば、人生(プライベート)を豊かにするための場にしたい。

そのためにEM(黒澤)を使い倒してください!
e. g.
- 悩みやモヤっとの吐き出し
- タスクの質問/サポート依頼
- 成長支援依頼
- 目標設定/キャリア支援
- 技術戦略・方針策定
- 黒澤もっとこんな動きしてくれいぃぃぃ
- etc...

また、相互フィードバックにより「気づきや学び」を得て、新たなアクションをしていきたい。 その1つ1つのアクションにより、能力向上(成長)と勝利(成果の積み重ね)を味わっていきたい。

1 on 1 は、非常に大切な時間(手段)ですが、そこで何をやるかが重要です。これらの行動を通じて、メンバーが安心して挑戦し、成長を楽しめる環境を整えることがピープルマネジメントの本質だと考えています。

テーマ2: 逆算思考をどのようにやっているか?

このテーマは、私が普段から抱えている課題感をベースに持ち込んだものでした。特に、「遠い将来を見据える必要性は理解しているが、直近の課題に目を奪われがち」というジレンマをどのように解決するかについて、こにふぁーさんから以下のアドバイスをいただきました。この回答を受けて、自分の考えをさらに深めることができました。

EMより上位の経営がどのくらい見ているかが重要
経営がみている期間より先をEMがみることはできない
上長/CTOはどのくらいのスパンで物事をみているかを確認する

この考え方は、私が漠然と抱いていた「どれだけ先を見据えるのが最適なのか?」という悩みに対して明快にしてくれるものでした。

PIVOTでは、3年先の中期プランが存在しており、それに基づいてPdMがプロダクトロードマップを作成しています。
本イベントを通して逆算思考の実践として、このプロダクトロードマップに沿って、技術ロードマップを構築しました。

技術ロードマップの作成においては、以下のポイントを意識しています。

  1. 経営層やプロダクトチームとの連携

    • 経営の中期プランを把握し、そのゴールに向けた技術的な必要事項を整理

    • プロダクトロードマップの実現に必要な技術課題を明確化し、優先順位を設定

  2. 柔軟性を持った計画策定

    • 事業や市場環境が変化することを前提に、不確実性の高い部分(LLMなど技術の進歩によるもの)は柔軟性を持たせつつ、確実にやるべき部分を明確にする。

  3. メンバーの理解と共感を得る

    • 技術ロードマップは、チーム全員が「自分ごと」として捉えられるようにする必要があります。そのために、ロードマップの意義や背景を共有し、フィードバックを積極的にもらってアップデートしています。

プロダクトロードマップ下に技術ロードマップを作成


今回、学びの深い良き機会をいただいた運営の方々、ディスカッションさせて頂いたこにふぁー(@konifar)さん、三谷さん(@shohei1913)改めてありがとうございました!

今回のミートアップを通じて、多くの学びと考えを深める機会をいただきました。 これからも試行と思考を重ね、チームや事業の成功に向けてさらなるパワーアップを目指していきます。 ぜひ、同じ志を持つ方とディスカッションや協働ができることを楽しみにしています!

プロダクトマネジメントチームでは、仲間になっていただけるエンジニアを募集中ですので、少しでもご興味がある方はカジュアルにお話しさせていただけると嬉しいです!


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