住宅展示場に丸腰で赴くなという先人の教えは正しい
はじめに
結婚以降、夫婦で賃貸アパートに住んで3年と少し。来年の年明けに2度目の契約更新を迎える我が家ですが、このたび夫の転職を機に、お隣の市への引っ越しを考えております。
賃貸か?将来的に考えると分譲マンションまたは中古住宅購入か。建売も良い。色々見ちゃうとやっぱり新築注文住宅が気になる。
そんなとき、ふと目に入ったのが某ハイムのリユースキャンペーン。こちら、県内にて5年ほど使用していた住宅展示場を、中の軽量鉄骨ユニットはそのままに、工場で新たに新築に近い形に直して低価格で購入可能!抽選で1名様!という、広告とSDGsを兼ねた一大企画。ええはい、申し込みました。当たるといいなあ。
こんな風に住宅メーカーのプレゼント企画に応募すると、当然ですがすぐに連絡があり、担当の方がついて展示場に呼び出された結果、個人情報を根掘り葉掘り聞かれます。まあそれはそう。住宅メーカーに限らず、値引キャンペーンや無料プレゼント企画は馬の前にぶら下げた人参に近い広告です。
ただ、こちらのキャンペーンについては実際に当選した方が知り合いにいたことと、提示されている金額以外にかかるお金についてなど、当選時の諸注意の説明を受けた際にとても建設的かつ現実的だと感じたこともあり、まんまと個人情報を曝け出して本抽選までお願いすることにしました。
そしてそのまま、営業担当の方からしたらおそらくこちらが本命でしょう、当選しなかった場合についての相談会が始まったのですが。私たち夫婦はもともとこのキャンペーン申し込み以前から、近々住宅展示場行ってみたいねえと話していたこともあり、色々準備をしておりました。
それが結果的に、やってて良かった!と思うことばかりだったので、せっかくなのでこちらにしたためさせていただきます。参考になれば幸いです。
1.そもそも住宅展示場でできることとは
住宅を建てた人々が口を揃えて言う言葉。
「何もわからないうちは展示場に行くな」
曰く、展示場にいるのは全て営業担当。そのメーカーで建てるメリットしか言わない。広すぎる建物に標準仕様ではない素敵すぎるインテリアで参考にならないどころかイメージばかりが膨らんで最終的に現実から剥離した予算となる。口車に乗せられて他メーカーなども見る予定がその日のうちに仮契約まで済ませてしまった。などなど。
しかし逆に言えば、住宅展示場ではそのメーカーの一番の強みやセールスポイントがわかるし、行く前から自分たちに必要な部屋数・間取り・オプション・インテリアがわかっていれば比較と検討ができるし、仮契約までいかなければ違約金を払わずに無料で住宅情報を得られる。それどころかやりようによっては特典でお小遣い程度だけれど、そこそこ儲かる。
住宅展示場に赴くと、その時点で担当の方がつきます。住宅購入における窓口となる方な訳ですが、一度そのメーカーで担当さんがつくと、その後2度と受け取れない特典があります。
みんながもらってる特典を、ただ順番間違えただけで受け取れない。お小遣い程度だろうが、そんな後悔先にたたずが私は一番嫌いです。みみっちいとも言います。でもほら、住宅って本当に高いじゃないですか。なのでどうか皆さんも受け取れるものは受け取っておいてください。
2.とりあえず勉強は必要
担当さんと話していると、勉強しといて良かった!と思うことが多々ありました。なにせ話が早い。時間が無駄にならず、聞きたいところをピンポイントで聞ける。
勉強のしすぎで住宅購入までに疲弊してしまう方もいるようなので、あくまである程度の知識で充分ですし、調べてもわからないことは展示場で直接聞けば良いと思いますが。あまりにも何も知らない状態で展示場に行くのは危険です。なぜかというと、住宅メーカー、まじで中身が違いすぎるからです。それは良し悪しの話ではなく、人によって理想とする住宅が違いすぎるため、みんな違ってみんな良い、十人十色の個性の分だけ住宅メーカーがある感じ。
じゃあ何を学べばいいの?とそんな方に一番おすすめなのは、もうすでにご存知の方もいるかもしれませんが、「住宅四天王エース」のYouTubeです。あ、名前が胡散くさいとか言わないで。まず見てくれ、エースは本当に最高。何が良いって、一番はYouTubeやってるのが収益目当てじゃなさそうなところ。おそらく彼は一心に視聴者みんなに住宅の知識を持ってほしくて、あとはただ単に自分が話したくてやっている。儲けたいんじゃなくて、やりたいことをやりたいようにやってる。最高ですね。そういう方に共通するのは、メリット・デメリット含めた、本当にこちらに必要な知識を提供してくれるところです。
エースの動画で一番初めに観ていただきたいのはこの動画。(YouTubeに飛びます)そこからメンテナンスや工法・予算などでメーカーをピックアップしていくのがおすすめです。また、こちらの動画では大手ハウスメーカーの選び方となっていますが、もちろん他に地元の工務店や設計事務所に依頼して建てるという選択肢もあります。その場合は、ショッピングモールによくある無料相談窓口なんかに相談するのも手です。とはいえ、この世で無料ほど怖いものはありません。彼らが何を目当てにしているかというと、もちろん個人情報です。
基礎から知識を教えてくれたり、いろんな建築会社を紹介してくれたりと至れり尽くせりの部分もあるようですが、提携していないメーカーや会社の情報は一切得られない様子。しかし、それを知った上でなら、敢えて行くのもありだと思います。
3.オーナーを探せ
いわゆる友達紹介キャンペーンです。メーカーによって、〇〇オーナー様ご紹介キャンペーンといった名前で開催しており、建物本体価格3%とか5%とかの割引になります。3%でも、2000万円の建物なら60万円になりますし、3000万円なら90万円の割引になるので大変お得。紹介してくれた友達にもその都度10万円とか入るのでとても喜ばれます。
ただし、もし紹介してもらうとしたら、本当に仲が良くて信頼できる友達に限った方が良いです。なぜかと言うと、一つはその友達の担当がそのまま自分の担当になることが多いこと。もう一つは、自分が結局購入しない可能性があることです。
信頼できる友達が教えてくれる「うちの担当めっちゃ良いよ!」と、顔も知らないネットで見つけたブロガーが言う「うちの担当めっちゃ良いよ!」の信憑性は、特に10万円近いお金が絡むとなると雲泥の差となります。担当に話が通っておらず、最終的に住宅に不満が残ったけど何の対応もしてもらえず泣き寝入りなんて話はザラのようですし、職場の上司や先輩など目上の人からの紹介を受けた結果、最終決定では別のメーカーにしたかったけれど、紹介者の圧力があって妥協した。なんてこともあるようです。
とはいえ、建物本体購入時の割引額が大きい上、紹介されて展示場に行くだけでQUOカードなどの特典がもらえるといったキャンペーンを行っているメーカーもあるので、身近に信頼できるオーナーがいるならとりあえず相談した方が良いです。探しましょう。
メーカーによっては紹介者が同じ県内に限るなどの制限があったりします。また、ほとんどの場合、先に住宅展示場に行ってすでに担当がいる状態になると、もうそのメーカーでは友達紹介は受けられなくなるとのことなので注意してください。
4.WEB予約を探せ
初めて住宅展示場へ行くなら、絶対にWEB予約をしましょう。直接来店したり、電話予約だと受け取れない初回限定の特典があります。大体QUOカードなどの商品券ですが、これがバカにならない。
おそらくいくつかのメーカーの展示場に行くことになるかと思います。メーカーによっては、見積り比較している他メーカーがあると何百万円単位で値引きしてくれるところもあるようですし、大体の営業担当は自分たち視点のメリットしか話さないことが多いので、多角的にそれぞれのメリット・デメリットを理解して後悔のない選択をするためにも、複数のメーカーの展示場にいった方が良い結果を生むかと思います。
ただ、展示場、楽しいけれど、疲れる。そんな中、特典があると思うと頑張れる気がします。
特典が多すぎるところは営業がしつこい可能性があるので気をつけてください。もちろん、ただ単に儲かっとるだけの可能性もあります。けれど、特典はあくまでも餌で、広告です。広告にお金を使いすぎる企業は基本的にちょっと怖いところがあります。
5.キャンペーンを探せ
先ほどの某ハイムのリユースキャンペーンおすすめって話です。
2ヶ月に1度、お得価格での新古住宅が1000〜1500分の1の確率で1名様のみ購入可能。宝くじよりは当たりやすいかな。もし外れても次回の抽選に応募することができるので、ずっと挑戦し続けている人もいるらしい。希望の物件目当てに県外まで抽選に行く人もいるらしい。
我が家が応募したのは600万円前後の住宅購入資格ですが、販売される展示場の大きさによっては1000万円を超えることもあるとのこと。また、あくまで建物価格のみの値段なので、蓄電池の購入費や外構工事費などは別途必要となり、最終的には1500〜2000万円近く+土地代となるというお話でした。
しかし太陽光パネルは4kwだけど付いてくるし、間取りはある程度自由に変更可能だし、そもそも本来より1000万円は安いし、ハイムならではの30年保証も付いてくる。もし購入検討している際は、その前にぜひ一度応募してみていただきたい。
ちなみにこちらは当選者のお話が読める掲示板。2007年〜2023年という長い歴史を持つスレです。これによると地域差も様々みたいですね。
他のメーカーさんによくある、◯◯万円プレゼント企画については、身近にもネットにも当選者は見つかりませんでした。いたらお話伺いたいです。
おわりに
最後に、仮契約時に必要とされる契約金についてです。私自身不安なところがあったので担当さんに話を伺いました。大体100万から200万円が必要ってやつです。そこで教えていただいたのが、売買契約と請負契約の違いです。
物を買うときにはおおよそこの2つの契約があり、売買契約はすでに存在するものの所有権を移動させること。請負契約は、まだ存在していないものを完成させることを目的にして、完成時に注文者が報酬を支払うという約束し、最初に契約金(手付金)を払う。工事の着手が進むほどそこから必要経費が引かれていき、完成時に残金を更に支払う。注文住宅の建築はこの請負契約となります。
住宅を建ててから後悔している人の中に、「仮契約なので、やっぱりやめたくなったらそのときに契約金は返ってきますよ」と言われたのを信じて契約したものの、実際に中止したときにはほとんどお金は返ってこなかったと嘆いている方がいました。おそらく、売買と請負の違いを知らなかったのではと思います。
請負契約の場合、打ち合わせや工事の着手が進めば進むほど契約金からお金が使われていくため、やめるなら早くにやめないと、渡したお金はどんどんなくなっていきます。そうでないと、メーカーからすれば途中で中止=それまでの仕事が全部タダ働きになっちゃいますし。
それにしても、まさに担当さんの口車って感じですね。おそらく全部返ってくるなんて言わず、でもそう思わせた。怖いなあ。
担当になる方が口が上手いのか打てば響くのか。新人かベテランか、ぐいぐい引っ張ってくれるのかこちらの意見を詳細に聞いてくれるのか。メリットを全面に押し出すのかデメリットも詳細に説明するのか。完全に運ですよね。相性もあるかと思います。
どこのメーカーも、途中で担当さんの変更をお願いすることは可能のようですが、余程のトラブルでもない限りなかなか言いづらいのは想像できます。できる限り、初めから信頼できる担当さんにお願いしたいと誰でも思うかと思います。
しかしながら、そもそも注文者に主体性がなければどんな担当さんも引っ張ることしかできなくなるし、注文者に知識がなければ担当さん側の知識の真偽も信頼度も推し量れず、気がついたときには不満だらけの住居が完成していたなんて笑えないですよね。
とはいえここまで長々と書いておいてなんですが、我が家もまだ注文住宅に決めたわけではなく、いい感じの中古住宅や建売があったらそっちに傾く可能性もなきにしもあらず。でも、どうなるかわからないからこそ、やはり初めから全力で行くに越したことはないと思うんです。
他にも、予算やローンはどうしていきたいか、間取りや階数や延床の希望、工法の希望、換気システムなどのオプションの希望など、展示場に行く前に調べられるだけ調べて、家族で話し合えるだけ話し合っておくことも大事です。
なんたって、人生で一番高くなりそうな買い物ですし。後悔しないために、ぜひ行動してください。まあ具体的には、ぜひエースの動画を観てください。(すっかりファン)
ここまで読んでいただきありがとうございました。
もしお役に立てたらとても嬉しいです。