理解する英文法2️⃣〈助動詞・準動詞(不定詞・動名詞・分詞)〉

今回は助動詞および準動詞について取り上げます。


助動詞 (auxiliary verb)

助動詞とは、動詞の時制や法(話者の気分のことで、「仮定法」の「法」)を示すために、動詞の原形(原形不定詞)の直前につく語です。

助動詞には、大きくわけて法助動詞と相助動詞の2種類があります。

法助動詞 (modal auxiliary verb)

canやwillのような助動詞を法助動詞と呼び、動詞に可能性や許可あるいは意図などの意味を付け加える役割があります。

could など元々他の助動詞の過去形(can→could)であったものは、現在では異なる意味で用いられる場合が多いです。特に、元々過去形だったからといって、過去のことを指す場合が多いので、注意が必要です。

1. can

「~できる」が基本的な意味です。
例)
Even a small personal computer can store vast amouts of information.「小さなPCでさえ、大量の情報を蓄積できる」

そこから、可能性があることに対しても使うようになりました。「~でありうる」と訳すと良いでしょう。
例)
There can be no doubt that he is guilty.「彼が有罪というのはありえない(=疑いがある可能性はない)」

2. could

couldは元々canの過去形でした。しかし、今日では後述する例外を除いて、「現在」の意味で使われます。

人に何かを頼むときは"Can/Will you ~ ?"よりも"Could/Would you ~ ?"の方が丁寧と聞いたことはあるかもしれません。
例)
Could you come to the party early to help me set up?「準備の手伝いのためにパーティーへ早めに来ていただけませんか?」
これは、過去形を用いることで、今(現実)から距離を置くことになるためです。すなわち、相手との心理的距離を文法における時の距離に置き換えているのです。
このことを「仮定法過去の原理」と呼ぶこともあります。別の回で述べる仮定法過去で、現在の事柄でも過去形を用いるのも同様です。

couldはcanよりも可能性が低いと思われるときに用いられます。
例)
Most accidents in the home could be prevented.「ほとんどの家庭内事件は防げるだろう」

現代でもcouldを過去の意味で用いるのは以下の場合です。

  1. (過去と明示されている)否定文
    例)
    The banks had closed so I could not get any money out.「銀行が閉まっていたので、お金を引き出すことができなかった」

  2. (過去の一定期間が示されているとき)過去の能力
    例)
    By the time she was eight, she could read Greek and Latin.「彼女は8歳になる頃には、ギリシャ語とラテン語を読むことができた」

  3. 時制の一致(時制の章で詳述します)
    例)
    She said that she could not come.「彼女は来れないと言っていた」

  4. (過去と明示されている場合)後ろにsee/hear/understandなどの状態動詞があるとき
    例)
    I could not hear what they were saying.「彼らの言っていたことが聞こえなかった」

3. will

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