7秒タイムマシン 第19話 実家に行くとなぜか警備員が!
第19話 実家に行くとなぜか警備員が!
次の日曜日、レンとエミリは朝早く起き、アヤカを連れてレンの実家へ向かった。
彼らは久しぶりに家族全員でのドライブを楽しみながら、父親の遺品整理を進めることにしていた。
アヤカは後部座席で、弟か妹が生まれることに興奮しながら、新しいベビー用品の話を続けていた。
エミリは笑顔でその話に応じていたが、内心では遺品整理に少し緊張していた。
実家に到着すると、そこには、警備員が立っていた。
え?なんで?
実家に入ろうとすると警備員が立ちふさがった。
「ここは、政府が管理しているので入れません。」
レンは、
「政府が何で?ここは俺の実家なんだけど!」
すると警備員が
「何か身分を証明するものをお持ちですか?」
レンが、免許証とか色々見せると警備員は誰かと無線で話してる。
しばらくして、レンたちは、首をかしげながらようやく中に入る事ができた。
何なんだ一体!何で政府が管理してんだろ?
中に入ると、古びた家の匂いと共に、父親との思い出が押し寄せてきた。
レンは少し感傷的な気持ちになったが、エミリとアヤカの存在が彼を支えた。彼は深呼吸をして、前に進むことを決意した。
「よし、始めるか!」レンは、まず父親の部屋に向かった。部屋の中は、彼が最後に訪れた時とほとんど変わっていなかった。埃っぽい家具と、壁に掛かった家族写真が彼を迎えた。レンは父親のデスクの引き出しを開け、そこに詰まった書類や小物を一つ一つ取り出しながら、思い出に浸っていた。
エミリとアヤカもそれぞれ手分けして、他の部屋を整理していた。アヤカは、祖父が集めていた古いおもちゃや本を見つけ、興味津々でそれらを手に取っていた。エミリは、キッチンやリビングルームを整理し、不要な物を分別していた。
そんな中、レンは父親のデスクの奥から、古びた日記帳を見つけた。表紙には、かすれた文字で「大切なもの」と書かれていた。彼はその日記を慎重に開いた。そこには、父親がレンの幼少期から書き留めてきた、家族に関する記録が詰まっていた。レンは感動し、しばらくページをめくり続けた。
すると、あるページに目が止まった。そこには、父親が亡くなる前に書き残した最後のメッセージがあった。
「レンへ。この日記を見つけたとき、君はすでに大人になっているだろう。君がどんな人生を歩んでいくのか、いつも楽しみにしていたよ。君が家族を大切にし、幸せを見つけることが、私の何よりの願いだ。もし、君が悩んだり、立ち止まったりすることがあったら、この言葉を思い出してほしい。時間は君の味方だ。焦らず、ゆっくりと進んでいけば、きっと答えは見つかる。それからこの7秒タイムマシンの取り扱いには、くれぐれも気を付けてくれよ。間違った使い方をすると、取り返しのつかない事になりかねない。取扱説明書を必ず、熟読してくれ。」
レンはそのメッセージと一緒にあった取説を読みながら、目頭が熱くなった。父親の温かい言葉が、彼の心に深く響いた。彼は日記をそっと閉じて、心の中で父親に感謝を伝えた。
遺品整理は、感動的な思い出と共に、ゆっくりと進んでいく。
その時だった!
「キャー!!」
それはアヤカの叫び声!
レンとエミリはアヤカの叫ぶところへと急いだ。
つづく!
ありがとうございました。