かずきっす

現在62歳になります! 今は一人暮らしですが、去年まで家族4人で普通の生活をしていましたが、離婚して一人暮らしになりました。 Amazonから、かずき、と言う名前で【こころのかけら】と【パラレルワールド、ツインレイを求めて】言う本も出てますので、良かったら 読んでみて下さい!

かずきっす

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毒親 第17話 離婚話を持ち出すリナ

第17話 離婚話を持ち出すリナ 美和は姿を消したのだが、美和の昨日の言葉はとても本心からだとは思えなかった。 その夜リナは、心が押しつぶされそうな思いでキッチンの椅子に座り込んでいた。夜の静けさが家全体を包み、聞こえるのは時計の秒針の音と、遠くで眠るユイの穏やかな寝息だけだった。リナの目の前にはカイがいたが、その優しい目は、彼女にとって痛みを伴う存在になっていた。 「カイ…」 リナは絞り出すように口を開いた。その声は、どこか決意と諦めが入り混じったものだった。「私…もう

    • 毒親 第16話 毒親の変化

      第16話 毒親の変化 翌朝、リナとカイは何事もなかったように朝の準備を進めていた。しかし、美和はリビングに現れず、自室から出てこないままだった。リナは母の反応が気にかかりつつも、心を乱されまいと努めて日常のペースを崩さないようにしていた。 「お母さん、朝ごはん食べる?」リナが声をかけると、部屋の中から短い返事が返ってきた。「いらないわ。」 リナは少しだけ眉をひそめたが、無理に関わらないことを選んだ。「分かった。」 しかし、カイはそんなリナの様子を見逃さなかった。「リナ

      • 毒親 第15話 毒親の象徴

        第15話 毒親の象徴 リナが母・美和に対して自分の意思を伝えたその翌日、家の中には一瞬だけ静けさが戻ったかに見えた。美和はリビングのソファに腰を下ろし、何事もなかったかのようにテレビを眺めていた。リナもカイも、どこか安堵しながらも、次に何が起きるのか心の中で警戒を解いていなかった。 そんな中、美和が突然、リモコンを置いて口を開いた。「リナ、あなた本気で自分が正しいと思っているの?」 その言葉はリナの胸を突き刺すようだったが、彼女はゆっくりと深呼吸をして冷静を保とうとした

        • 毒親 第14話 予期せぬ同居

          第14話 予期せぬ同居 「泊めてほしいんだけど…」 玄関先に立つ美和のその一言は、リナとカイにとって青天の霹靂だった。荷物を抱えた彼女の姿には、いつもの威圧感が漂っているが、どこか焦りも感じられた。 カイは冷静さを保ちながらも、即座に状況を飲み込むことができなかった。リナは目を見開き、言葉を失っていた。 「どういうことですか?」カイは慎重に尋ねた。 「家のリフォームが急遽必要になったの。工事が終わるまでここに滞在するわ。」美和は当然のように言い放った。 リナは小声

          毒親 第13話 静かなる反抗

          第13話 静かなる反抗 リナが専門家に相談するという一歩を考え始めたことで、カイの心には一筋の光が差し込んだ。だが、問題がすべて解決したわけではなかった。むしろ、この小さな変化が、美和との対立をさらに激化させる可能性もあった。 数日後の休日、リナとカイは家族で買い物に出かける計画を立てていた。珍しくリナも少し明るい表情を見せ、ユイも嬉しそうにはしゃいでいた。その矢先、電話が鳴った。画面には「美和」という名前が表示される。 カイはリナの反応を見た。彼女は一瞬、顔を曇らせた

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          毒親 第12話 葛藤の渦

          第12話 葛藤の渦 リナの言葉は、家の中の静寂を破る重い音のように響いた。 「お母さんがこの世から消えてしまえば…」 その言葉を聞いた瞬間、カイは身体が凍りついたように感じた。リナが苦しんでいることは分かっていた。しかし、ここまで追い詰められているとは想像もできなかった。 カイは慎重に、けれど毅然とした声で問いかけた。「リナ、本当にそう思っているの?お母さんを失えば、本当に僕たちは幸せになれると思うの?」 リナはうつむいたまま、答えなかった。しばらくして、ポツリと呟く

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          毒親 第11話 身勝手な毒親

          第11話 身勝手な毒親 ある日の午後、リナが職場に出かけている間、カイはリビングでユイと過ごしていた。穏やかな日差しが窓から差し込み、ユイの無邪気な笑顔が心を和ませる。しかし、その静けさの中に、カイは心の奥で不安を感じていた。 突然、玄関のチャイムが鳴り、カイは思わず身構えた。インターフォンの画面に映ったのはリナの母・美和だった。彼女の訪問は久しぶりだったが、いつもこの家に暗い影を落とす存在であることには変わりなかった。 カイはため息をつきつつも、いやな予感しかしなかっ

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          毒親 第10話 言い知れぬ不安

          第10話 言い知れぬ不安 その夜、カイは眠れず、リビングのソファで一人静かに考え込んでいた。リナの変貌ぶりが心にのしかかり、彼女の苦悩をどうにかして和らげたいという思いが渦巻いていた。しかし、美和の存在が影のようにリナの心に食い込み、彼女の人格にまで影響を与えていることがあまりに根深く、カイ自身の力だけでは解決できない現実があった。 翌朝、リナは少し落ち着いた様子で朝食の準備をしていたが、表情にはどこか陰りがあった。カイは心配を抱きながらも、あえて何も聞かず、いつも通りの

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          毒親 第9話 リナの変貌

          第9話 リナの変貌 近頃、リナの様子が日に日におかしくなっていくのを、カイは心の底から不安に感じていた。最近、二人の喧嘩が以前とはまるで別物になっていた。これまでは、口論になってもせいぜい言い合いで済んでいたし、すぐにどちらかが折れて穏やかに解決することができていた。だが、ここ数週間で、リナは何かに取り憑かれたかのように大声で怒鳴り散らし、挙句の果てには奇声をあげるようになってしまった。時折、彼女が誰か別人になっているような気さえするのだ。 ある夜、些細なことで二人は言い

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          毒親 第8話 美和の支配

          第8話 美和の支配 美和の言葉に怒りをこらえたカイは、リビングのドアを一瞬見つめた。この家が、家族にとっての平和な場所であることを彼女に示したかった。しかし、これまでリナが生き抜いてきた生活の残酷さが、少しずつカイの心に明確に刻み込まれていた。リナが幼少期から、母親の徹底的な支配下で育てられたと知るほどに、カイの心は締め付けられるような思いだった。 その日、リナが職場から戻ると、カイは一日の出来事を静かに話し始めた。美和が再び「リナを連れ戻すため」に来たこと、そして「家族

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          毒親 第7話 毒親の囁き

          第7話 毒親の囁き 数日後、リナが職場に出かけ、カイがユイと過ごしている時、突然、玄関のチャイムが鳴った。インターフォン越しに見えたのは、予想もしなかった人物!リナの母・美和だった。彼女がここを訪れることなど滅多になかったため、カイは戸惑いを隠せなかった。 「…どうぞ、お入りください」ためらいがちに招き入れると、美和は冷ややかな微笑を浮かべ、カイを見据えた。 「リナは出かけているのね。でも、あんたがいてくれてちょうどよかったわ。少し話がしたかったから」 美和の突然の訪

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          毒親 第6話 過去との対峠(たいじ)                        

          第6話 過去との対峙(たいじ) カイとリナは、娘のユイを近所の友人に預け、二人でリナの実家へと向かった。車の中で、リナはずっと黙り込んでいたが、その目は少し怯えたように見えた。カイは彼女の手を握り、静かに声をかけた。 「リナ、辛かったらいつでも引き返していいんだよ。無理はしないでほしい」 リナは小さく頷いたが、顔は決してほころばなかった。彼女にとって、美和が待つ実家は決して帰りたい場所ではない。それでも、今ここで何かを変えなければ、彼女自身も家族も、過去の呪縛から逃れら

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          毒親 第5話 消された真実

          第5話 消された真実 リナの母、美和からの連絡が増えるにつれて、カイとリナの穏やかな生活は少しずつ変わり始めていた。美和が電話をかけてくるたびに、リナは顔色を曇らせ、何かに怯えるような表情を見せる。その様子を見ていたカイも、次第に胸騒ぎを覚えるようになっていた。 ある夜、カイは意を決してリナに話しかけた。 「リナ、もし君が話せるなら、もう少し君の過去について教えてくれないか?僕も、君が抱えているものを少しでも理解したいんだ」 リナはカイの真剣な目を見つめ、迷いを見せな

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          毒親 第4話 隠された過去の扉

          第4話 隠された過去の扉 カイとリナは、美和との距離を置く決意を固めつつあったが、リナの心にはまだ不安の影が消えずに残っていた。彼女の心を重くしているのは、母親に支配されてきた過去だけではなかった。リナには、いまだ明かしきれない家族の傷が存在していたのだ。 ある夜、リナはカイの隣で眠れぬ様子で、静かに口を開いた。 「カイ、私には…実は妹と弟がいたの」 カイは驚き、リナの言葉に耳を傾けた。「本当だったんだね。僕、もっと早く気づくべきだったかもしれない」 リナは小さく頷

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          毒親 第3話 毒の芽生え

          第3話 毒の芽生え 翌朝、カイとリナが少し重たい空気の中で朝食をとっていると、突然リナのスマートフォンが激しく震えた。見ると、そこには美和からのメッセージがずらりと並んでいた。内容は、昨晩の食事への不満やリナの「母親としての自覚」についての小言がびっしりと綴られていた。美和の冷たく鋭い言葉が、画面越しにもリナを刺すようだった。 リナの顔は青ざめ、指が震え始める。カイが心配そうに「大丈夫?」と尋ねると、リナは唇を噛みしめ、「もうこんなメッセージを受け取るのは耐えられない…」

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          毒親 第2話 訪問の日

          第2話 訪問の日 数日後、リナの母・美和が家にやって来ることになった。リナはその知らせを受けてからずっと落ち着かず、部屋を何度も掃除し直し、キッチンの棚を丁寧に整えていた。リナの様子が普段と違うことに、カイも心配になっていた。 「リナ、もう十分きれいだよ。これ以上は完璧すぎるくらいだ」とカイが声をかけても、リナは曖昧に笑って「そうかしら?」と不安げに応えるばかりだった。カイには、リナが母親の訪問を必要以上に重く受け止めているように見えてならなかった。 「ユイも楽しみにし

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