副作用、ぞくぞく
抗がん剤の副作用って多過ぎないですか?
っていうか、これって副作用なの?がんそのものの症状・痛みなの? とか区別がつかなくないですか?
食べられない→動かない→弱る スパイラル
脱毛とか、吐き気とか、しびれとか、皮膚の乾燥とか、あまたの副作用ラインナップ。その中でも我が夫の場合は「食べられない」がナンバーワン。絶対不動のセンター。
というか、食べることに関しては、抗がん剤始まる前から食欲なくしてて、抗がん剤やってからもずーっと食事が進まなくて、前に書いた十二指腸にステントいれた後もなかなか食べられなくて。
ステージⅣで1次治療はゲムシタビンとナブパクリタキセル併用療法。脱毛、下痢そうじゃない時は便秘、そして食事も進まない。
普通の食事はほぼ食べなくなってしまって、サンドイッチみたいなもの、そしてそれも難しくなると、アミノバイタルなどの栄養ゼリーかコンビニのクッキーかドーナツ、チルドカフェやヨーグルトドリンクばかり口にするようになりました。
体重は減っていくし、つらくて体も動かさないから歩く速度も距離も雀の涙。ちょっと動いただけでも辛そうにして休憩を求める。
そして下痢ピー。
ある日、「もうゼリーも無理」とのたまわる。
何か口にしたら下痢になってしまうだろうと思っているみたい。
しかし、食べられないでは病気と闘えない、というとカッコつけすぎで、本音は、弱っていく夫を見るのが怖い。
夫は病院に行かなくていいというけど、さすがにこのままだと栄養も取れないし、脱水症状になっちゃうかもって思って嫌がる夫を横に病院へ電話。
栄養補給のために点滴などの処置はしてもらえませんか、ということを言ってたら、夫はそんなに病院へ行きたくないのか「ゼリーだったら食べられるかも」と言い放つ。本人のしたくないことはさせたくないが、このまま電話を切ったらきっとまたゼリーも口にしないだろう。
というわけで、病院に連行!
救急大好き
休日だったので救急で診てもらうことに(うちの夫、営業時間外に具合が悪くなる性質があるみたい)。
点滴の1本でも打ってもらって1時間くらいで終わるかな~と思って待っていたが、なかなか出てこない。
どうした?
3時間待ってるぞ。
聞いてないよ~
救急の看護師さんがやっと出てきて、「おうちでも熱はありましたか?」と聞かれる。熱は出ていなかったので「?」と思っていたら、救急に入った時に39℃あったという。
「解熱剤を打ったら熱は下がってご本人は元気なんですけど、なぜ熱が出たかを調べたい」、とのこと。
そしてさらに待つ。
ときどき、救急の先生が報告と確認にいらっしゃる。血液検査から胆管に疑いがある。胆管炎の疑い。黄疸? CTを撮らせてください。CTで胆管は問題ないことが分かった。胆管・肝臓ではなかった。肺だ。肺炎を起こしていた。CTで肺が真っ白だ。
毎度おなじみ、そのまま入院
そういえば、声がかすれたり咳したり痰が出てたりしていたなと思う。ただ夫が咳したり痰が出たりするのは珍しくなかったし、”おっさん”ってそんないきものですよね? 偏見?
ただ、血中酸素濃度は不思議なほど高かったと救急の先生も主治医も(後日)おっしゃっていて、それで医療サイドでもなかなか気づけなかったみたい。
しかし、肺炎が見つかって結果オーライ。いや、もっと早く気づきたかったけど。
ようやく車いすに乗った夫が登場。そしてそのまま入院病棟へ上がる。
もうすっかり夜だったが、いったん家に一人で戻り、入院の荷物をまとめて再度病院へ向かうと、西川清さんみたいな看護師さんに「大変だったでしょう」と言われる。温かい言葉と入院荷物を交換してもらって、プロの監視下に夫がいることに正直ほっとして帰る。
目に見えない副作用、怖い。