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「コーヒーが趣味」って、実はすごく高尚なことなのかもしれない

昔から不思議だったのですが、なぜ、コーヒーという1種の飲み物だけで
市場や産業ができあがっているのでしょうか。

「コーヒーに含まれるカフェインには依存効果があるから」という意見もありますが、それ以上に、コーヒーという飲料が持つ「奥深さ」に鍵があると思っています。

唐突な質問です。

あなたは人生で初めてコーヒーを飲んだ日を覚えていますか?
私の場合、大学受験勉強中に、校舎の自販機で砂糖入りの缶コーヒーを飲んだのが初対面でした。

その時は、「大人が楽しむ苦い飲み物で、眠気覚ましになるらしい」という程度の認識でした。

初めて味わったときのコーヒーのイメージ「なんか苦くて複雑な味…」

それから、カフェでたまにラテを注文するようになり、社会人になってからはブラックコーヒーを毎日のように飲むようになりました。

どうやら豆の違いや、焙煎度合いによって味が違ってくるらしい。少しずつ理解が進んできたとき、「ゲイシャ」というエチオピア産の高級コーヒーを味わう機会があり、その味に衝撃を覚えました。

苦さはなく、まるでフルーツのように華やかだったのです

ただの苦い飲み物だったコーヒーの、奥深さに触れた瞬間でした。
それからというもの、色んな産地のコーヒーを注文して、口の中に広がる味に注目するようになりました。

すると、少しずつ味のなかに色んなニュアンスを発見できるようになりました。例えば……

チョコレートっぽい味
ナッツのような香ばしさ
まったりとした苺シロップのような濃厚さ
レモンをなめた時のように、口の奥がキュッとすぼまる酸味
南国のフルーツのような明るく華やかな印象

などなど。

コーヒーのなかに色んな味のニュアンスがある

初めてコーヒーに出会った日から、少しずつ交流を深め、味の違いが分かるようになっていったプロセスは「解像度が上がった」と言ってもいいのかもしれません。

この「解像度が上がっていく」という工程は、とても楽しいものです。そして、コーヒーは他の飲料と比べて「非常に奥が深くて、深堀りがいがある」のだと思います。

同じように、ワインや日本酒やウィスキーも奥深さを持っているからこそ、世界中で愛好家が多いのでしょう。ふつうに生きる上では「解像度を上げる必要」なんて全くありません。だからこそ、コーヒーを嗜むことは、とても人間的で高尚な趣味のように感じました。

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