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光ディスクの終焉③

映像用から破綻した光ディスク
オーディオ用CDも風前の灯だ とはいえ40年以上主役の座に座り続けた
74分という再生時間は絶妙だったし高音質の後継SACDにも移行しなかった
部屋と機材が完璧ならアナログレコードのほうが音は良かったが なぜか評論家は最初から一部を除いてCDを絶賛した

とはいえ当時あまりにも高度な技術を必要としたため 国内14社から発売されたが開発できないメーカーもあり各社から発売されたもののOEMで他社から供給を受けたものが多かった
東芝とケンウッド 日立とビクターDENON他 デザインからもそれとわかってしまう ソニーは今と同じ水平ローディングだったが 他社はおしなべてソニーの試作機に倣い垂直ローディングだった

売れたのはソニーだが意外にも音質で高評価を得たのはNEC CD‐803だ

オーディオ機器と思えないデザインだが
以後主流となるデジタルフィルターで音質に差をつけた

無骨なデザインと大型筐体だがコンピューターメーカーの意地を見せた
同時期に歴史的銘機 A-10が発売されたのでアンプ同様サンスイから来た技術者が頑張ったのかも?

普通の部屋と普通の機材ではCDの方が圧倒的に使いやすく音も良かったので値段の低下とともに普及 牽引したのは規格ライセンスを持つソニーとフィリップス
ソニーはウォークマンタイプの超小型サイズを49800円 

原価率200%という採算度外視モデル
D-50

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-09.html

フィリップスは当時傘下のマランツから59800円の据え置き型をほぼ同時に出した
特にマランツCD-34は価格だけでなく音質も絶賛され長岡鉄男氏に評価されたことで爆発的に売れた
CD-34のDACは規格を下回る14bit
フィリップスはCD策定時14bitを主張 ソニーが16bitを主張し11.5cmだった直径を12cmに変更した経緯がある
CD-34で14bitで良かったことを証明した

たらればだが 14bitだったら発売時から普及価格帯のモデルも出せて普及は早かったかもしれないしマニア向けにアナログプレーヤーも延命できたかもしれないしSACDに移行できたかもしれない

発売当初は20万円もしたCDプレーヤー 今や数千円だ

CDは限られたフォーマットに記録するためか特徴的な音がする(ものが多い)
マスター音源は年々技術更新によりダイナミックレンジも帯域もCDより広いのだ

多くのCDは録音レベルが高すぎてクリップしている 多分これがデジタルくさいと言われた元凶だろう 真空管を通したり出力にトランスを入れるのが流行ったのはこのためだしBDやDVDとCD兼用のプレーヤーでCDだけ音が大きくなるのもこのせいだ

さらに狭い器にマスターを入れ込むためさまざまな細工をする 機械の方もハイレゾ化したり高域にノイズを付け足したりする

ハイレゾデータの普及でこのへんのカラクリがわかりやすくなった
限られたマニアのものだったアナログレコードから音楽を開放したCDの功績は計り知れないが引退の時期が来てしまったようだ



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