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のんびり夫婦ふたりの石垣島&沖縄旅行①

<登場人物>
私:旅行では計画好きな一方、その時その時の気分次第で動きたい。
夫:流されやすい。トラブルに強かったり弱かったり。下調べしてくれる。

タイトルにナンバリングまでして、どれだけ書く気?と自分自身で思うが、この5泊6日の石垣島&沖縄旅行はめちゃくちゃ楽しかったし余すところなく記憶に留めておきたい気持ちが強い。さすれば、見切り発車でもこうして書き残す他ない。

ちなみに「楽しかった」はのんびり好きな私自身の感想であり、自己満足味も強い。「一体石垣島でどんな経験をしたんだろう!?」と、タイトルに惹かれた方の好奇心に応えられる内容では決してないので、出涸らしのうっすい茶を飲み下すイメージで読んで頂きたい。

家から石垣島

なんと5泊6日の(割と)長期旅行!不景気で物価高で、購入したレシートを見返し、「高いなぁ」と悲しみながら家計簿に記録する作業は、この期間だけはお休みだ。

旅行前日の夕方、帰宅した夫にニヤニヤしながら小突いて跳ね返った腕が壁にぶつかったけれど、興奮していたのでどうでもよかった。
このワクワクドキドキ感は、旅行前日や当日しか味わえないものだろう。旅行の朝、楽しみすぎて朝の目覚ましと同時に眼も頭もイッキに覚醒するやつだ。小学校くらいまでは感じていたが、以来久しく味わえていなかったので久しぶりの感覚の再来にこれまたワクドキ感が増している。

トランクはやや大きめのを1個。夫婦それぞれリュックサックを1個持って、家から最寄りの空港、セントレア国際空港まで行く。平日の朝のため、渋滞に巻き込まれまいとカーナビを無視して近道を使いまくった。結果的に飛行機の出発時間1時間半前に到着したので事なきを得たが、普通にカーナビ通りに走っても問題なかったかもしれない。私の指示に散々振り回された運転手(夫)とカーナビの寛容さに感謝しなければならない。

空港駅の手前の駅にある駐車場に車を停め、電車でセントレア国際空港へ向かう。
空港駅は終点であるため、乗っている人は旅行客か空港勤務者だ。
かつては自分もこの空港で勤務していたので、大小の旅行カバンを抱える旅行客を横目に通勤していた。今回は自分が旅行者。勤務者より旅行者の方が断然気分がいい。
電車から一歩降りれば、そこはセントレア国際空港内だ。この駅近で便利な空港は広々としていて、まだまだ新しさが残っている。
最後に飛行機を利用したのが4年前。一応預け荷物についてのルールは熟読して準備していたが、手荷物で飲料ペットボトルが持ち込めるようになっていることには気づかなかった。
これには非常に驚いた。案内板を信用しきれず「本当ですか?」とわざわざ近くを歩いていた空港スタッフに聞いたくらいだ。

保安検査を通り抜け、出発ロビーで案内を待つ。
どの空港の出発ロビーには必ず椅子が置いてあり、離着陸する飛行機、飛行機に乗るためのあの”移動する通路”が目の前で見られる。
セントレア空港では、まるでリビングに置いてあるようなゆったりしたソファーやダイニングテーブルがあちこちに配置されていた。
この日はたまたま空いていたからなのか、人はまばらで空間にゆとりがあった。
朝の準備や移動で慌ただしかった心地も、ひとまず落ち着いた。

小腹用にと持ってきた羊羹を食べ、売店で売られている食べ物を一通り下調べした後に購入したりして、思い思いに過ごす。

家はきちんと窓やカーテンを閉め、不在中使わないWI-FIや洗濯機などの家電のコンセントも抜いてきた。家に思い残すことは何もない。今はただひたすら旅行先のことを考え、想像するだけだ。なんと素晴らしい時間だろう。

石垣島への旅客機の搭乗案内のアナウンスが響き、ゆっくりと搭乗口を通り抜ける。
11月というだけあって、やはりオフシーズン。3列シートには私と夫の二人だけだ。私より一回り体の大きな夫にとって、隣が空いていたことでおよそ3時間の飛行中の窮屈さは緩和された。
飛行機も旅行の楽しみの1つだ。離着陸の激しい揺れと振動(大きな音も)が苦手という人もいるだろうが、私は「走っているなあ」とか「激しいなあ」とか、染み入るようにこの感覚を味わっている。余談だが、私は注射でも自分の腕に刺される瞬間をまじまじと見ているタイプだったりする。いずれも「安心、安全」が保障されていると確信できるから成立する「スリル」なのだろう。

石垣島到着

機内ラジオを聞いたり、ANAの機内誌「翼の王国」を読んだり、目下に流れる雲や、通り過ぎる島々を見てわざわざ寝ている夫を起こして興奮しながら3時間。
石垣島に到着。
愛知では朝の時間だったこともあり、20℃を切る肌寒い気温だったが、ここはやはり南国である。飛行機から降りた途端、むわ、と湿気と空気の温かさが肌にまとわりつき、体全体で自分は南国に来たんだと実感した。

飛行中に見えた島。雲がまるでトッピングのよう。

こじんまりとした南ぬ島石垣空港で人混みを通り抜け、レンタカーを借りに行く。ちょっと外を歩くだけでも、日差しや大気の暑さでエネルギーを持っていかれそうになる。帽子やサングラスや日焼け止めはいつでも必須だと確信した。

時間は13時過ぎ。初日はアクティビティには参加せず、島の展望施設を巡ることにしていた。
石垣島の道路は片側一車線で、周りには一切高い建物がない。見通しがよく、空が広く感じられる。車道には必ず歩道も備わっていて、歩いて道々を行くことも可能だ。(市外では歩いている人はほとんどいなかったが。)
植物や自然の多さにも驚きだ。道路の両端に木や植物がずっと植わっている。(植えられたというより、残っているという方が正しいだろう。)わかりやすいヤシの木やサトウキビだけではなく、どこかしら南国風だと思わせる雰囲気を漂わせる葉の形をしていて、種類も多そうである。遠景では300mほどの山々も濃い緑をたたえ、冬の到来を迎えつつある本島の景色との違いを強く感じた。

道路の両側に延々と植物が生えている

空港から1時間ほどかけて、2mもなさそうな細幅の道を通り抜けた先、石垣島最北端の平久保崎に到着した。
小さな駐車場が付いた小さな展望施設だったが観光客が集まってきていた。風が強く、帽子が持っていかれないよう注意しながら、眼前に広がるエメラルドグリーンの海を眺める。初めての石垣島での絶景。最高の気分だ。
小さな観光地でも外国人は当然ながらいて、上半身裸で歩いていた。口数が少ない私と夫も、「海外の人は自由だね」と率直な感想が自然と口から出ていた。

さらに車で15分走って、玉取崎展望台にも立ち寄った。
車を降りると感じの良さそうな日焼けしたお父さんに声を掛けられ、展望台横にあるお店の無料ドリンクチケットをくれた。おまけに写真まで取るよ、という申し出に、こちらは断る理由はない。夫婦二人とも人に写真を撮られることが苦手であるが、声を掛けてくれた気前のいいお父さんに「有難いですよ」が顔面からも伝わるように、引きつりながらも笑顔を作った。

展望台をぐるっと見てからさっきのお父さんのお店に寄って、パインジュースと塩アイスを頼んだ。甘酸っぱさと濃厚な甘さを同時に堪能することができ、ここが旅行先初めての食事になったことに喜んだ。

夕方の4時半ごろ。チェックインのためにそろそろホテルに向かわなければならない。石垣島滞在中のホテルは、奮発してANAインターコンチネンタルホテルを選んだ。星5つのこのホテル滞在は、間違いなくこの旅のハイライトとなるだろう。一体どんな心地を味合わせてくれるのか、わくわくしながら車を市内方面へと走らせた。


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