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自分の情けなさに歯嚙みしたことのない人間なんて、いない。「夜明けのはざま」

「夜明けのはざま」
著者:町田そのこさん
2023年11月6日に発行

それぞれの人間の死を通して、自分の生き方や、矛盾、歯がゆさ、生かされている自分の幸運と決意が描かれていて、ページをめくるたびに涙が溢れ読み進めるのに少し時間がかかりました。

「考えさせられる」と言ってしまったら、なんの面白味もない。

自分らしく生きるってどういうことなんだろう?

生まれた環境で、アドバンテージがあまりにも違う場合は、何もかもうまくいっている人を妬んでしまうことだってある。

理不尽に人を傷つける行為はもっての外だけど、這い上がるために人生をやり直すために、一筋の希望を抱いて努力した人が、突然わけも分からず、希望を絶たれたら、妬む気持ちよりも、死ぬことよりも生きる事が辛くなるに違いない。

それでも、みんなうまくいっているように見えて、何かしらの不満・葛藤・絶望・憤りを抱えて、悔しくて泣いていることがある。

それぞれ、歯噛みしめて悔しくて、自分の情けなさに落胆したりしながら生きている。

失って初めて気づくことがあるけれど、それは抽象的すぎてどこかボヤけてみえる

誰かの「死」に直面しないと、どうしても「明日」が必然的にあるものとして考えてしまう。

この本を読んで改めて、今日が来てよかったと思えた。


「どうして大事な人の事をもっとちゃんと知ろうとしなかったのだろう。
言い訳ばかりで、なぜちゃんと相手を見なかったのだろう」

と・・・泣き崩れる登場人物に「遅くない」という知人。

亡くなった人の分の「椅子」を用意してあげていたら、いつかそこに座ってきてくれる。きっといつか話せる日がくるよ。

と・・・

スピリチュアルな話ではありませんよ!
かなり割愛していますが

なんと素敵な慰めて、勇気づけられるんろうだと、もう私が登場人物のような錯覚をおこし号泣・・・

なるべく後悔したくないように生きようと、会いたい人は会おう、行きたい場所には行こう

せめて、自分には嘘をつかずに生きていこう。

明日が必然的に来るとは思わずに、今を大事にしていこう

胸が詰まる、そして清々しい気持ちにもなれた一冊でした。
ハンカチ用意して読んでくださいませ。


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