第100回箱根駅伝 振り返り
1区 西村翔太④ 61:28 区間4位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
蒲田(15.2km) 43:49 ⑤❺
鶴見(21.3km) 61:28 ④❹↑
とにかく驚きました。他校の選手も強く、区間10番台前半で耐えてくれたらと思っていましたが、その個人的な見込みを大きく上回る走りでした。最初からハイペースで飛ばす4人にはついていかずに5位集団でのレース(それでも入りの5kmが14:12程でしたが…)。6km付近で集団前方に出てくると、先頭から落ちてきた國學院の伊地知選手や青山学院の荒巻選手を吸収する際は先頭で集団を引っ張る走りを見せました。最後の叩き合いでスピードのある2選手に先行を許しましたが、タイムが出やすいとはいえ、ハーフ換算60分台のレースを自分で作った走りは素晴らしい以外の言葉がないですね。大学4年間で最高のレースを見せてくれたと思います。
2区 シャドラックキップケメイ ① 67:31 区間10位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
横浜駅前(8.2km) 23:03 ④❷↑
権太坂(15.2km) 43:54 ⑬❺↓
戸塚(23.1km) 67:31 ⑩❽↓
襷を受け取った時点で先頭との差は26秒。すぐに城西大を交わし、創価大のムチーニ選手と並走を始めた時は先頭奪取の夢も見ましたが、その後は中々ペースが上がりませんでしたね。読売新聞では腹痛との記載があったと思いますが、それが影響したか権太坂までにムチーニ選手に差をつけられると、後ろにいた2選手にも交わされてしまいます。その後も順位を下げ、戸塚では総合順位を8位に下げてしまいましたが、苦しい中でも粘りの走りで、前に数人のランナーが見える状況で3区に襷を繋げてくれました。ただ、勿論本来の実力はこんなものではないと思いますし、来年度は1年間エースとして強い姿を見せ続けてほしいです。
3区 安藤風羽③ 61:56 区間4位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
藤沢(7.6km) 21:14 ④❻↑
茅ヶ崎(14.3km) 41:09 ⑤❺↑
湘南大橋(18.1km) 52:28 ⑤❺→
平塚(21.4km) 61:56 ④❹↑
1区同様に驚かされました。襷リレー後、初めてテレビに映ったのは藤沢の定点だったと思いますが、順位を上げ、かつ区間4位という突っ込んだ入りには若干の不安も覚えましたが…。結果として藤沢で並走していた早稲田の辻選手と東洋の小林選手とは最終盤まで並走。3人で良いペースを刻むと、平塚直前には一度抜かれた國學院の青木選手を吸収し、ラストスパート合戦では集団で争っていた選手を全員振り切って4位で襷リレー。61分台のタイム、4位という区間順位は失礼ながら全く想像できませんでした。今回の走りで日大ファン以外からも注目される選手になったと思いますが、そんなプレッシャーも跳ね除け、今年は真のエースに成長を遂げてほしいです。
4区 久保昇陽④ 66:16 区間23位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
二宮(8.9km) 27:18 ㉓❼↓
酒匂橋(15.2km) 47:20 ㉓❾↓
小田原(20.9km) 66:16 ㉓⓬↓
4km手前で7位に順位を落としていたことはテレビで確認できましたが、抜かれた選手は実力者だらけだったので、その時はそれほど心配していませんでした。ただ、二宮のタイムを見た時には明らかに本来の走りができていないことを察知。その後も定点毎に順位を落とし、最終的には順位を8つ落としてしまう苦しい走りになりました。3区までが良い流れで来ていた分も期待の気持ちが大きかったですが、箱根はそう甘くなかったですね。最後に本来の走りが見られなかったのは残念でしたが、3年目まで主要大会への出場がなかった中で、箱根4区を勝ち取った今年度の飛躍は目を見張るものがあった選手でした。
5区 大橋優③ 74:40 区間19位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
函嶺洞門(3.5km) 11:05 ⑬⓫↑
大平台(7.0km) 23:48 ⑳⓮↓
小涌園前(11.7km) 42:37 ⑳⓲↓
芦之湯(15.8km) 58:50 ⑳⓳↓
元箱根(18.7km) 67:49 ⑲⓳→
芦ノ湖(20.8km) 74:40 ⑲⓳→
12位で襷を受け取り、函嶺洞門では前後にいた3選手と共に11位集団を形成。滑り出しは順調に見えましたが、大平台では函嶺洞門で集団を形成していた3選手に遅れをとり、区間順位も20位まで下がってしまいます。その後も登りでペースを上げられず、芦之湯まで区間20位は変わらず、総合順位は19位まで落としてしまいました。しかし、下りに入ってからの切り替えは効き、芦之湯で2:01差だった10位順天堂との差は芦ノ湖では1:34差にまで縮まりました。苦しい中で見せた終盤の粘りは収穫だと思いますが、タイムや順位は納得のいくものではなかったでしょう。平地部分の走りで根本的な走力の強化は実感できたので、来年リベンジするのであれば登り部分の強化を図っていきたいですね。
6区 山口月暉② 60:54 区間19位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
芦之湯(4.8km) 16:01 ⑫⓱↑
小涌園前(9.0km) 27:45 ⑲⓲↓
大平台(13.4km) 40:03 ⑳⓳↓
函嶺洞門(17.0km) 49:45 ⑳⓳→
小田原(20.8km) 60:54 ⑲⓳→
16チームが一斉スタート。集団の中でじっくりとレースを進めたいところでしたが、最終的に区間上位を占めた実力者達がハイペースで飛ばす展開となりました。序盤からその実力者達に遅れをとる展開になりましたが、芦之湯では区間12位とそこまで悪いペースではありませんでした。ただ、小涌園前では区間19位に急落、身体も全く動いておらず、かなり心配な状況に映りました。そこからは走りが戻り、個人的に心配していた平地部分も粘れていましたが、区間19位という走りは悔しさが残るものだったと思います。6区には強い想いを持っている選手なだけに、得意の下りで上手く走れなかった点をしっかり分析して、来年は今年叶わなかった稼ぐ走りを期待したいです。
7区 下尾悠真④ 64:42 区間17位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
二宮(11.6km) 34:56 ⑲⓱↑
大磯(18.3km) 55:46 ⑰⓱→
平塚(21.3km) 64:42 ⑰⓱→
20番手で襷を受け取りましたが、前が点々と見える状況。前を追いかけたいところでしたが、二宮では見た目の順位を1つ、総合順位を2つ上げたものの、区間順位は19位と前との差は開く状況になりました。ほぼ3分ペースで刻んでいましたが、実力者が揃っていた区間ということもあってレベルが高かったです。その後も粘りの走りを見せ、後ろから迫っていた東農大の前田選手には最後まで抜かせませんでしたが、区間順位は17位。中々前との差が詰まらなかったのはもどかしかったですね。悔しさも残る走りになったと思いますが、3年時までには見られなかったロードでの粘りを見れたことは嬉しかったです。
8区 鈴木孔士② 66:00 区間14位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
茅ヶ崎(6.7km) 20:22 ⑳⓱→
遊行寺坂(15.6km) 47:41 ⑯⓰↑
影取(18.4km) 56:37 ⑮⓰→
戸塚(21.4km) 66:00 ⑭⓰→
一つ前の立教大とは45秒差、一つ後ろの東農大とは7秒差と少し難しい位置で襷を受け取りました。茅ヶ崎では区間20位とペースが上がらなかった上、前にいた立教大の稲塚選手が区間6位、後ろにいた東農大の圓谷選手が区間23位だったということで、終始単独走になる厳しい戦いが強いられました。ただ、その中でも距離が進むにつれ区間順位を上げていき、遊行寺坂で16位まで区間順位を上げ、総合順位も1つ上げると、戸塚では失速してきた大東大のワンジル選手に迫る走りで区間順位も14位まで上げました。今後は単独走でも思い切った走りが出来るような強さを身につけて、タイム通りやそれ以上の走りが出来るような選手へと成長を遂げてほしいです。
9区 中澤星音② 71:43 区間19位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
権太坂(7.7km) 23:11 ⑱⓰→
横浜駅前(14.5km) 44:28 ⑳⓱↓
生麦(20.2km) 62:40 ⑲⓯↑
鶴見(23.1km) 71:43 ⑲⓯→
戸塚で5秒前にいた大東大の大谷選手に追いついて序盤は並走。しかし、権太坂前で大谷選手に突き放されると、権太坂で区間18位、横浜駅前で区間20位とペースが全く上がらない苦しい走りになります。戸塚で16:36だった先頭との差が横浜駅前では18:57、鶴見での繰り上げが現実味を帯びてきましたが、ここからの粘りが凄かった。生麦で区間順位を1つ、総合順位を2つ上げると、生麦から鶴見のラップは先頭の青山学院・倉本選手と1秒しか変わらないタイムで繰り上げスタートを回避。チーム目標である「襷を繋ぎきる」ことを達成しました。今年度はあまり順調とはいきませんでしたが、その中で見せたこの粘りを来年度の飛躍に繋げたいですね。
10区 大仲竜平② 70:56 区間17位
定点 タイム&順位
※順位は○区間順位、●チーム順位
蒲田(5.9km) 17:52 ⑰⓯→
新八ツ山橋(13.3km) 40:47 ㉑⓰↓
田町(16.5km) 50:22 ⑳⓰→
御成門(18.1km) 55:37 ⑲⓯↑
馬場先門(20.1km) 61:46 ⑲⓯→
大手町(23.0km) 70:56 ⑰⓯→
僅差だった総合15位の座を守りたかった10区。前後が30秒強離れており、序盤は完全な単独走でしたが、蒲田では区間17位とまずまずの出だし。そこから前にいた東農大の栗本選手を捉えたまでは良かったのですが、中々前にいくことはできず、その栗本選手が区間最下位で走行していたこともあり、新八ツ山橋では区間順位を21位、総合順位も16位に下げてしまいました。ただ、その後、繰り上げスタート組の中央学院・飯塚選手、駿河台・久保選手に追いつかれてからはペースが上がります。御成門で総合15位を奪い返すと、その順位をキープしたまま、最後まで繋がったピンクの襷を大手町まで運びました。現状はスピードに課題があり、それもあってか今回は攻めの走りができませんでしたが、来年はスピードや経験値を高めてこの舞台に戻ってきてほしいです。
総合15位 日本大学 11:06:06
往路19位 日本大学 5:31:51
復路18位 日本大学 5:34:15
結果としては総合15位。シード権は獲得できず、悔しさも残る大会になりましたが、今大会のチーム目標であった「襷を繋ぎきる」ことは無事達成。この1年間の選手達の努力が報われて本当に嬉しかったです。ただ、この先何年もこの位置に甘んじているわけにはいきません。今回、実際に自身の走りに悔しさを滲ませていた選手も多かったと思いますし、私も「もっとやれるはず」と思った選手は多数います。そう簡単なことではないとわかってはいますが、来年は堂々とシード獲得を宣言し、実際にシード権を獲得する強い日大が見れることを期待したいです。
最後に、4年生の皆さんへ
昨年度の箱根予選は当時の4年生に主力が多い中で13位。正直、1年前は箱根に出て襷を繋ぎきる日大選手の姿を全く想像できませんでした。チームに新たな風を吹かした新監督と共に、最後の箱根出場を夢見て努力を重ね、ここまでチームを引っ張ってきた4年生の皆さんには本当に感謝の想いしかありません。4年間本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした。