5/9-5/12 関東インカレ 振り返り

5月9日〜12日の4日間にわたり、関東学生陸上競技対校選手権大会(通称:関東インカレ)が開催されました。男子では、1部校として臨んだ日本大学は総合3位という成績を収めました。2年ぶりの総合優勝とはならなかったものの、昨年の5位からは順位を2つ上げる健闘を見せました。特別長距離部門からは2人の入賞者が出て、対校得点計11点を獲得。悔しさも残る結果でしたが、入賞者以外にも健闘を見せるシーンが多々あり、個人的には楽しく応援できた4日間になりました。特別長距離部門が次に見据えるのは6月の全日本大学駅伝関東地区選考会の選考会突破。この目標に向け、今回の関東インカレで得た収穫や課題を日々の練習に活かしてほしいです。


男子1部1500m

予選1組12着 山口聡太② 3:49.60
予選2組9着 山口彰太② 3:52.38


予選1組に登場した山口聡太選手は序盤から終始後方の位置取りでレースを展開。一時集団内で浮上を試みるシーンもありましたが、大きく前には出れずにラスト勝負へ。ラスト200mを切って懸命に位置を上げようとスパートを掛けますが、ホームストレートに入った際に大外を回ってしまったロスの影響か、もうひと伸びが足りず。結果や相手を考えると、序盤の位置取りが悔やまれました。2組の山口彰太選手は最初の一周は3番手付近を走行。その後は少しずつポジションを下げてしまいましたが、スローペースの中、全員でのラスト一周勝負となります。山口彰太選手もペースアップに反応はしたものの、切り替えが素晴らしかった上位5選手には水をあけられる結果になりました。ただ、タイムを含め、走り自体は決して悪くなかったので、今回の走りの感覚を今後の飛躍に繋げてほしいです。


男子1部10000m決勝

10着 安藤風羽④ 28:44.93
22着 冨田悠晟③ 29:10.16
37着 大橋優④ 30:45.11


日大最上位はこの種目3年連続出場となった安藤風羽選手。スタート直後は3番手を走行。留学生が前に出てきてからも10番手付近で入賞を窺う走りを見せますが、27分台を狙えるハイペースには流石に耐えきれず、4000m付近から入賞ラインからは少しずつ離される展開になりました。その後、一時は15.16番手まで順位を落としましたが、終盤は粘りに粘り、最後の直線では自慢のスパートで2人を交わして、PBとほぼ同タイム・10着まで順位を戻してのフィニッシュ。2ヶ月ぶりのレースでこの内容なら全日本予選の最終組を安心して任せられそうです。冨田悠晟選手は故障明け復帰2戦目ということもあり、序盤から慎重な入り。3000m手前から25位付近の第二集団でのレースとなり、5000mからは3:00/kmを僅かに切るペースで推移しましたが、大きく崩れなかったことで、少しずつ順位は上がっていきました。ラストもある程度動いて、セカンドベストとなる29:10でのフィニッシュ。28分台に届かなかった点は悔しさもありますが、おそらく次戦になるであろう全日本予選が楽しみになる結果でした。大橋優選手は序盤から後方の位置取りでしたが、2000mで先頭集団から遅れてしまう苦しい走り。順位としても最下位付近だったので、何とかペースを切り替えたいところでしたが、結果的に最下位でのフィニッシュとなり、最初で最後の関東インカレは苦い思い出となってしまいました。全日本予選に向けて、もう一度勝負できる態勢を整えたいですね。


男子1部ハーフマラソン決勝

19着 大仲竜平③ 66:11
29着 滝澤愛弥③ 67:22
38着 鈴木孔士③ 69:03


日大勢最上位は昨年に続いて大仲竜平選手。おそらく自分の状態を考慮して、5kmは昨年より20秒遅いタイムで通過と、後方からのレースを選択します。中盤苦しくなるシーンが見られながらも、先頭争いから振るい落とされて失速した選手達を拾い、距離を進める毎に順位を上げる走りはお見事でした。ただ、入りの5km、10kmを見る限り、現状は昨年程の状態ではなさそうなので、全日本予選までにどこまで状態を戻せるかは注目です。かなり意外なエントリーとなった滝澤愛弥選手も入りの5kmはやや抑えめで、大仲選手の2秒後ろという位置でした。5km毎に順位は徐々に浮上しますが、現地で走りを見た印象では、思うように脚を動かせない走りに見受けられました。ただ、最後まで気持ちを切らさずに走破し、順位を20位台まで上げてフィニッシュできたのは一つの収穫だったと思います。とはいえ、ポテンシャルを考えると、今回の結果は悔しさが勝る結果だと思うので、目標とする箱根予選までに今回見つかった課題を修正していきたいですね。鈴木孔士選手も序盤は比較的スローの入りで、滝澤選手と同じ位置を走ることもありましたが、距離が進むにつれて日大2選手からも差をつけられる苦しい展開となってしまいます。それでも、15kmまで順位上は何とか耐える走りをしていましたが、15-20km間の5kmは17分を大きく超えるタイムに落ち込み、この間で順位を3つ下げる厳しい走りになりました。良い頃の鈴木選手の動きが全く見れらなかったのは残念ですし、本人も相当苦しんでいる事だと思います。ここまで状態が悪いのであれば、前期は全休(レース出場なし)が賢明だと思うので、箱根予選までにじっくりと心と身体を仕上げてほしいと思います。



男子1部3000mSC

予選1組7着 岡田祐太④ 9:03.43 q / PB
   DNS 山室陽太②
予選2組2着 山口月暉③ 9:03.93 Q

決勝5着 山口月暉③ 8:47.90 PB +4点
  11着 岡田祐太④ 9:06.88


昨年7位入賞の山口月暉選手は予選2組を組2着で悠々と通過。先頭には立たず、仕掛ける他選手を冷静に追走と、余力十分のレース運びでした。決勝では表彰台を狙って積極的なレースを展開。優勝候補である順大・村尾選手のすぐ後ろを位置取り、集団が5人に絞られてもその位置を変えずにレースを進めました。ラスト一周も2番手で通過し、表彰台への期待も高まりましたが、ラストに脚は残っておらず、PBを更新するも5着のフィニッシュとなりました。本来嬉しさを感じる入賞ですが、個人的には悔しさの大きかった5着。上位選手が全員残る来年も厳しい戦いになりそうですが、表彰台に登る山口月暉選手の姿を来年こそは見てみたいですね。岡田祐太選手が出場した予選1組は上位6名が8分台というハイレベルな戦い。ただ、その流れに食らいついた岡田選手も自己ベストを更新し、見事に+で決勝進出。タイムや着順がよくわからなかったこともあり、決勝進出が決まった時は個人的に4日間で一番興奮したかもしれません笑。迎えた決勝では1000m過ぎに先頭集団から遅れてしまいましたが、2000mを6分ジャストで通過し、目標の8分台を狙えるペースでレースを進めました。流石にラストは苦しくなり、8分台には届かなかったものの、関東インカレの標準記録を突破できなかった昨年から大躍進の成績を収めました。次はもう一つの目標となる大学駅伝出場に向けて、平地の走力を高めて主要大会メンバー争いに名乗りを上げてほしいです。


男子1部5000m決勝

2着 シャドラックキップケメイ② 13:39.01 +7点
26着 高田眞朋② 14:16.13
32着 山口聡太② 14:21.75


エースのシャドラックキップケメイ選手は意外にもこれが関東インカレ初レース。力通りに1000m過ぎに集団から抜け出す走りを見せましたが、城西大のキムタイ選手とチームメートの山口聡選手が反応。山口聡選手が遅れてからは2人のマッチレースとなり、2人の争いはラスト一周までもつれました。結果的に、最後はキムタイ選手のスプリント力が上回り、シャドラック選手のインカレ初タイトルはお預けとなりました。絶好調だった先月の走りを考えると、今は我慢の時期でしょうか。来月の全日本予選には更に強い相手も待ち構えるので、状態を上げ、再び強敵をなぎ倒す力強い走りを見せてほしいです。高田眞朋選手は中盤まで日本人集団内で脚を溜める走り。2000mから集団のペースが落ち着いた事も功を奏し、3000mまでは集団内でレースを進めていました。しかし、勝負が一気に動いた3000m過ぎに上位選手のペースアップに対応できず、気づけば30番手前後の位置に。ラストのキレは健在で、最後は順位を上げてフィニッシュしましたが、上位選手とは実力差が出たレースになりました。全日本予選では、主力として稼ぐレースができる選手へと成長を遂げることを期待したいです。山口聡太選手は初日の1500mとは対照的に積極的なレースを展開。1000m過ぎには、先に飛び出たシャドラック選手、キムタイ選手に日本人選手でただ1人食らいつく走りを見せました。ただ、2000m過ぎに2選手から離されると、3000m以降にはペースを上げた日本人選手にも次々と追い抜かれ、最終的には32着でのフィニッシュとなりました。初日の反省を踏まえて積極的にレースを運んだ点は良かったですが、ペースを考えるともう少し粘ってほしかったというのが本音ではあります。中盤以降のペースダウンが大きい点は昨年から続く課題ですが、徐々にでもステップアップして今後の主要大会に臨んでいきたいですね。

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