第101回箱根駅伝 振り返り

今更すぎて申し訳ございませんが、まだ投稿できていなかった箱根駅伝の振り返りを行っていきたいと思います。12月の日体大10000mで記録ラッシュに沸き、昨年以上の順位も狙える期待感があった中で当日を迎えましたが、当日変更で明らかなアクシデントを察すると、予想だにしなかった苦戦を強いられる結末となってしまいました。ただ、今現在もアクシデントについての監督コメントが一切公表されていないので、私もどのようなコメントをすれば良いのか非常に悩みましたが、憶測込みで自分の思った事をそのまま文にしてみました。それでは、区間毎にレースを簡単に振り返りたいと思います。


1区 安藤風羽④ 63:17 区間18位
蒲田(15.2km) 45:05 ②❷
鶴見(21.3km) 63:17 ⑱⓲↘︎16
(タイム横の白丸は区間順位、黒丸は総合順位)

スタート前から笑顔やガッツポーズが印象的だった安藤選手。走り始めてからも、ハイペースとはならなかった2位集団でレースを進めたこともあり、終始余裕が感じられたレースでした。勝負所の六郷橋では、満を辞してスパートをかけ、神大と専大の2チームを振るい落とすことに成功します。しかし、結果的にそこで脚を使ってしまい、その後集団に残った17名の中では最も早く遅れてしまう悔しい結果になってしまいました。仕掛けのタイミングは悪くなかったと思いますが、年間通して順調ではなかった点が最後の余力の部分に直結したのかなと思います。最後の箱根は悔しさが残るものになってしまいましたが、主要大会を走り続けた安藤選手はチームにとって欠かせない存在だったと思います。4年間本当にお疲れ様でした。

2区 シャドラックキップケメイ② 67:31 区間14位
横浜駅前(8.2km) 23:33 ⑱⓲ →
権太坂(15.2km) 44:09 ⑮⓱↗︎1
戸塚(23.1km) 67:31 ⑭⓭↗︎4

18位とはいえ、2位とは38秒差。15秒前には実力者の吉田響選手がいるという展開で、予選会2年連続個人トップのシャドラック選手がスタート。ごぼう抜きの期待が高まりましたが…、序盤から全くペースが上がらなかったですね。横浜駅前地点では区間18位で、昨年よりも30秒遅いペース。その後、権太坂の定点カメラでも走りが見られましたが、順位は上げたものの、動きはやや重そうに見えました。終盤はまずまずの走りで、結果的には昨年と同タイムにまで持ち直しましたが、5分台が3名出た高速条件で67:31のタイムは正直厳しかったですね。直前に何かアクシデントがあったのか、単純に駅伝の走りやコース適性に難があったのかはわかりかねますが、来年こそは本来の実力を発揮して区間賞を獲得してほしいです。

3区 冨田悠晟③ 65:00 区間20位
藤沢(7.6km) 22:02 ⑳⓱↘︎4
茅ヶ崎(14.3km) 43:09 ⑳⓳↘︎2
湘南大橋(18.1km) 55:01 ⑳⓳→
平塚(21.4km) 65:00 ⑳⓳→

当日変更となって出場が叶わなかった昨年とは対照的に、当日変更で初の箱根出場が叶った冨田選手。厳しい流れを変えたいところでしたが、藤沢のチェックポイントで順位を4つ落とし、表情も既に苦しいものとなっていました。この時点で状態が良くないことは明白でしたが、以降もやはりペースは上がらず、区間順位は終始20位という苦しい走りが続きました。実力がこんなものではないことはわかっていますし、コメントするのも難しい結果になってしまいましたが、区間20位という記録は結果として残ってしまったので、来年は必ず万全な状態でリベンジを果たしてほしいです。

4区 大仲竜平③ 64:13 区間17位
二宮(8.9km) 26:44 ⑲⓳→
酒匂橋(15.2km) 46:01 ⑱⓳→
小田原(20.9km) 64:13 ⑰⓳→

引き続き厳しい流れの中で迎えた4区。箱根予選チーム2番手の力を見せたいところでしたが、二宮の定点で神大の近藤選手に追いつかれている姿が映ります。全体で見ても区間19位という事で、とても本来の力が発揮できているとは言えない走りでした。その後、定点毎に一つずつ区間順位を上げ、最後は競っていた近藤選手を突き放しましたが、それでも区間順位は17位。区間エントリーが発表された12月29日時点では、大仲選手が4区に入るとはとても思えなかったので、急遽の4区で力を発揮できなかった可能性もあったかもしれません。今回は悔しい結果となりましたが、実力は確実についてきていると思いますし、来年こそは本来の力を発揮して上位校の選手と互角に戦う走りを見せてほしいです。

5区 鈴木孔士③ 73:03 区間15位
函嶺洞門(3.5km) 11:03 ⑰⓳→
大平台(7.0km) 23:32 ⑱⓲↗︎1
小涌園前(11.7km) 41:40 ⑯⓲→
芦之湯(15.8km) 57:23 ⑮⓲→
元箱根(18.7km) 66:09 ⑮⓱↗︎1
芦ノ湖(20.8km) 73:03 ⑮⓱→

念願の5区出場となった鈴木選手でしたが、1つ前の専大とは59秒差。非常に難しい位置で襷をもらってのスタートとなりました。区間順位で考えると、序盤は苦しい走りに見えましたが、前を走っていた専大がより苦しい走りになっていたこともあり、大平台で1つ順位を上げると、そこから少しずつ前との差を詰めていきます。元箱根地点では18位に総合順位を上げると、ゴール直前では学生連合も捉えてフィニッシュ。区間順位は15位でしたが、希望の5区で主力としての意地が感じられたレースでした。昨年は箱根後に状態を落とし、以降は本来の走りができない期間が続きましたが、今年は年間通して主力としての活躍を期待したいですし、箱根では再度の5区で区間一桁を狙うような走りを期待したいです。

6区 山口月暉③ 60:50 区間19位
芦之湯(4.8km) 15:58 ⑥⓱→
小涌園前(9.0km) 27:24 ⑰⓱→
大平台(13.4km) 39:39 ⑲⓳↘︎2
函嶺洞門(17.0km) 49:19 ⑲⓳→
小田原(20.8km) 60:50 ⑲⓳→

一斉スタートとなりましたが、昨年も一斉スタートを経験した月暉選手が2年連続の山下りを務めました。昨年に続き、今年も一斉スタート組の入りが早く、芦之湯では区間6位の月暉選手が一斉スタート組では5番手という展開。しかし、小涌園前では区間順位を17位まで落とし、走行順も20番目という苦しい展開になりました。昨年同様、下りに入ってからの切り替えが今年も上手くいきませんでしたね。結果的に昨年より区間タイムは4秒縮めたものの、全体のレベルが高く、区間順位は19位、総合順位も2つ下げてしまう苦しい走りになりました。箱根予選のアクシデントからよくここまで戻ってきましたが、結果自体は悔しいものになったと思うので、来年は更に力をつけた状態で当日を迎えて、昨年・今年のリベンジを果たしてほしいです。

7区 長谷川豊樹② 67:12 区間20位
二宮(11.6km) 36:04 ⑳⓳→
大磯(18.3km) 57:58 ⑳⓳→
平塚(21.3km) 67:12 ⑳⓴↘︎1

主要大会初エントリー初出場ながら、前後が離れ、完全な単独走という難しいレース展開。何とか前を追っていきたいところでしたが、二宮の定点で姿が見えた時には、小田原で40秒以上後ろにいた山梨学院の大杉選手に既に前を行かれている苦しい走りになっていました。全体で見ても、区間20位、且つ見た目の順番では最後方という非常に苦しい展開でした。以降もペースは上がらず、前はどんどん離れてしまう状況。最終的に、区間タイムは67分台となり、あまりにも苦しすぎる箱根デビュー戦となってしまいました。出場するなら10区だと思っていたスタミナ型の選手ですし、今回は急遽の出場で力を十分に発揮できなかったのかもしれません。ただ、現状箱根で戦うにはまだスピードを中心に、実力が足りなかったのも事実だと思うので、来年はその課題を解消し、またこの舞台に戻って今年のリベンジを果たしてほしいです。

8区 大橋優④ 67:13 区間19位
茅ヶ崎(6.7km) 20:34 ⑱⓴→
遊行寺坂(15.6km) 48:30 ⑲⓴→
影取(18.4km) 57:41 ⑲⓴→
戸塚(21.4km) 67:13 ⑲⓴→

見た目では前の大東大と1:36差という難しい位置、また先頭とは18:05差という事で、繰り上げも心配になってきたレース。4年生の意地で前を追っていきたいところでしたが、茅ヶ崎では区間18位、遊行寺坂では区間19位とペースが上がらず、この時点で先頭とのタイム差が20:04となってしまいました。その後も、5区経験者として期待したかった後半の上り坂でもタイムを縮めることができず、残念ながら9区の小路選手に襷を渡すことが叶いませんでした。今年は箱根予選には何とか合わせたものの、年間通じて中々状態が上がってこなかったですね。最後の箱根が繰り上げとなってしまったのは残念でしたが、チームが2年連続の箱根出場を成し遂げたのは大橋選手の成長があってこそのものだったと思います。4年間本当にお疲れ様でした。

9区 小路翔琉③72:17 区間19位
権太坂(7.7km) 23:53 ⑳⓴→
横浜駅前(14.5km) 44:41 ⑲⓴→
生麦(20.2km) 62:57 ⑲⓴→
鶴見(23.1km) 72:17 ⑲⓴→

残念ながら、繰り上げ襷をかけてのスタートとなった箱根初出場の小路選手。前が全く見えない単独走という難しさもあり、権太坂地点では区間20位と前半から苦戦を強いられます。ただ、元よりハーフのレースでは一貫して前半抑える走りをしていたので、個人的には予想の範囲内の走りではありました。その後、結果として区間順位は一つしか上がりませんでしたが、最後まで脚はしっかり動いており、前を行く大東大との差も一時よりは詰めて中継所に到着しました。これまでの実績を考えると、元々は大仲選手か彰太選手がこの区間を予定していたと思いますし、難しい単独走の中で今出せる力はある程度発揮してくれたのかなと思います。今年はまだ早かった印象ですが、来年は箱根で他大の有力選手と勝負できるような選手になってほしいですし、今年一年間でレースを数多く経験し、実績を積んだ状態でまたこの舞台に戻ってきてほしいと思います。

10区 山口彰太② 71:14 区間15位
蒲田(5.9km) 17:57 ⑰⓴→
新八ツ山橋(13.3km) 40:57 ⑯⓴→
田町(16.5km) 50:41 ⑰⓴→
御成門(18.1km) 56:01 ⑰⓴→
馬場先門(20.1km) 62:14 ⑮⓴→
大手町(23.0km) 71:14 ⑮⓴→

当日変更で箱根初出場となった彰太選手が山梨学院、大東大と共に繰り上げで鶴見をスタート。最初の定点である蒲田では3人での並走が続いていましたが、13.3kmの新八ツ山橋までに山梨学院を大きく引き離すと、馬場先門地点では大東大からも2秒のリードを奪います。ペース自体はそれほど速いものではなかった為、区間順位は15位でしたが、最後は学生連合と神大が見える位置までポジションを上昇してフィニッシュ。競り合う相手次第ではもっと上の区間順位も狙えそうな走りでした。12月の日体大で、状態の良さや後半上げれる強みを見て取れる事ができましたが、やはり力は確実についていると思います。この勢いを今年も継続させ、来年は往路を担えるくらいの実力をつけた状態で、もう一度箱根路の舞台に戻ってきてほしいと思います。


〜総合成績〜

総合20位 日本大学 11:11:50
(1位 青山学院大+30:31、10位 帝京大+16:52)
往路17位 日本大学 5:33:04
復路20位 日本大学 5:38:46

冒頭でも述べたように、予想だにしない苦戦を強いられた2日間になってしまいました。流石にシード権獲得までは考えていなかったですが、昨年を超えるような10位台前半は十分に狙えるチームだと思っていただけに、まさか戸塚で繰り上げになるとは思ってもみませんでした。区間配置や出場した選手の走りを見ても、アクシデントが多発していたことは明白でしたし、日本大学特別長距離部門の本当の力を全く見る事ができなかったことが本当に悔しいです。ただ、他校のハイレベルな争いを見ていると、全員が力を発揮したとはいえ、シード権獲得までは難しかったと思いますし、実際に力負けしたと思える区間が幾つかあった点もまた事実だと思います。今回の20位という結果を歴史から消すことはできませんが、昨年のまさかの結果から今回躍進を遂げた中央大学のように、今回までの過程を見つめ直した上で、しっかり実力も身につけ、来年はシード権を本気で獲得しにいくレースを見せてほしいです。頑張れ日大!

いいなと思ったら応援しよう!