愉快な仲間たち
閉鎖病棟生活も2週間目。初めての入院生活にも慣れた頃だ。
それまで新しい環境に慣れる為に入れていた力が抜けるのだろう。
部屋(病棟柄、個室である)から出ると動悸がしてふらつき真っ直ぐ歩けない、食欲が死ぬ(これは元々)、帯状疱疹が出る、等々、、、
ちなみに「これらの不調は報告するほどのものなのか」、しばらく悩んだ。私が弱いから言いたくなっているのではないか。他の人はこれくらい我慢しているのではないか。
そんなことを考える。鬱なので。
結果的に、外に出なくてもいいように食事は個室で摂り、個室で食べることで周囲を気にしなくなり食欲も戻りつつあり、帯状疱疹には薬を処方してもらった。
ごちゃごちゃ考えていた割に、結果だけ見れば簡単なことだった。やはり思考力が低下しているのか。
元々、どうしたい?系の質問が苦手なのもある。自分の希望と周りが求めてる回答と常識から乖離していないかどうか、それらを総合して答えを出さなくてはいけない。希望を聞く癖にもう答えが決まっているなんてのは社会人あるあるだろう。
本当に苦手だった。なんなら親に聞かれても親の期待を探ろうとしていた。将来の夢は母と同業にしたし褒められるために弟にアイスクリームを半分くれてやった。可愛くない子供である。
そんな感じで自分の「好き」なことに無頓着に生きてきた。定職に就けないのはそれもあるのでは、と睨んでいる。
「好き」と「できる」と、そして「嫌い」と「できない」はちゃんと把握しておくに限る。
だいぶ脱線してしまった。
本当は一日中怒って喚いて他人の部屋に凸しようとしてくるお婆さんの話をしようと思っていたのに。
このお婆さん、1人ではなく、怒るお婆さんと喚くお婆さんと凸お婆さんの3人いたというだけの話だが。