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童心にかえるスイッチ
ちょうど1年くらい前。
知り合いの兼業農家さんからお知らせが届く。
「落ち葉集め大会開催!」
落ち葉集めて焼き芋でもするんだろうか。
いえいえ。そこは大人の援農グループのLINE。
「落ち葉堆肥作り」をする事、その作業はとんでもなく重労働だということは察しがつく。
しかも「ご飯とお味噌汁は用意します。おかずは持ち寄りでお願いします。」と書いてある。無償奉仕。しかもおかずまで持参って。
20年前の自分なら「何が楽しいのか意味がわからない・・・」と困惑し
絶対に参加していなかったコミュニティだ。
そして返信。「参加します☆」
どうなってしまったのだろう。私の思考回路。
はりきっておかずのレシピを検索し、持ち物まで確認しちゃってる。
心境の変化のきっかけはほんの些細なことだった。
「家庭菜園で自分の野菜くらい作りたいなあ」と農業のコミュニティに参加したのを皮切りに、知り合いの農家さんに援農に行ったり畑を借りたりと自然に触れる機会が増えた。
その頃から、カチカチだった自分がほぐれていくのを感じた。
頭と心がふわふわにほぐれていく。
自然は本当に豊かでジワ〜っと沁みるような幸せをくれる。
土の香り。風の匂い。木々から落ちる葉っぱは紙吹雪のように美しく宙を舞う。
その中に鍬を振り下ろし、足を踏ん張り、汗をかく。
労働後のご飯は、涙が出るほど美味しい。
これは、理屈では説明できない。
実際に大地に足を踏み入れ、昔ながらの農法で自然に寄り添いながら作物を育てることで、自然に感じるものなのだろう。
ああ、自分は地球に愛され、本当に満たされているのだ。
そして「落ち葉集め大会」当日。
予想通り、たくさんの人が集まって来た。
皆さん嬉しそうな良いお顔。たまらん。
イベントを開催された農家さんから説明が始まる。
「落ち葉集め大会」というのは=「落ち葉堆肥作り」のカジュアル名!?で
軽トラックの荷台いっぱいに3回分落ち葉を集めて堆肥作りの場所に移すとのこと。
その後「落ち葉」「米糠」「水」の順にミルフィーユのように積み重ねては踏む
を永遠に繰り返し、終了。
軽トラ満タンの落ち葉を3杯分って。こんな作業を農家さん一人でやるのは、心の折れる苦行なのだそうで頭が下がる。
「こんな作業なのに、楽しそうに集まって下さって本当にありがとうございます!!!」と農家さん。
いえいえ。お礼には及びません。
許可をいただいた近隣の公園に移動。早速落ち葉を集める。
軽トラ満杯に詰め込むとなると結構な重労働だが、見たこともない大量の落ち葉を前に、しまい忘れていた「童心」が飛び出してくる。
さあ、かつての子ども達がはしゃぎ始めましたよ(笑)
落ち葉の山に登ってポーズ!
落ち葉の山にダーイブ!!
途中遊びつつも、笑顔でせっせと落ち葉を詰め込んでいく。
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午前中だけでもかなりの重労働。それだけに炊き立てのご飯と味噌汁、みんなの持ち寄りおかずが沁みる。
こちらの農家さんはお米農家さんなので、とにかくお米が美味しい。思わず叫んでしまう。
「うまい!」「美味しい!!!」
たまらなく豊かな時間。
人が集まって落ち葉を集め、いつものご飯を持ち寄っているだけなのに本当に不思議。
午後も同じ作業の繰り返し。
スクワットのような動きで落ち葉を掬ってはトラックに運ぶ。
時間を重ねるごとに疲れもたまってくるが、おしゃべりしながらの作業は楽しくてつい、はしゃいでしまう。
このスイッチは、どこから切り替わるのだろう(笑)
人手不足で困っている農家さんがいたら、ぜひ声を掛け合って「援農」に行ってみてください。普段食べているおかずやご飯をタッパに詰めて。
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そう、みんなで作業してみんなでご飯を食べれば・・・
落ち葉集めは「楽しい祭り」だ!!!!!
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