ママ、妻、起業家は両立できる!
前回から数回にわたり、写ルン族に関わるスタッフをご紹介しています。
今回は副代表のあやです。
2人の子どもを育てながら、写ルン族のスタッフだけでなく自身でもフォトスタジオも運営していたり、写真をあらゆる形で仕事へと昇華させていているバイタリティの持ち主。そして写ルン族スタッフみんなの姉・母的な安心感。
子どもを持ちながら仕事をしている方も、日々のパートナーとの関係に悩む方も必見のインタビューです。ぜひどうぞ!
2年前にごっちとともにルワンダに渡航した際の一枚。たくさんの子どもたちと一緒になって遊んでいたようです。
写ルン族では何を担当していますか?
あや:運営にかかわるスケジュール調整や、イベントの裏方、業者様とのやり取りなど、活動の運営にかかわる企画・立案・管理など、全般の管理を行っています。
ごっちさんからはいつも「裏ボス」って呼ばれていますが(笑)陰の立役者って言われるよう頑張ってます^^
ー「裏ボス(笑)」。といっても、お聞きするだけでも様々なことに携わっておられますね!(裏ボスをどう突っ込んだらいいかわからない・・・)
あや:はい、実は来年からはもう少しミッションが変わりそうです。これまでの展示会をはじめとした運営に関する決定権はごっちさんが主でしたが、今後はもう少し私に委譲されることになりそうなんです。
ーそうなんですね!具体的にはどう変わっていくんですか?
あや:実は来年の活動エリアは(現時点では)西日本中心になっていきそうなんです。
スタッフへのタスクの采配やメンバーへの管理など、今までごっちさんがやっていましたが、来年はごっちさんが大まかな内容を決めて、私が実際の動きを決めていくという予定です。
これまで私は動く側だったんですが、人を動かす側に変わっていく感じです。ごっちさんは東京、私は神戸なので、私の方がエリアに近いから動きやすい、というのもあるんですけどね。
ーけっこう、大きく権限委譲される感じですね。実際、変わっていくことをあやさん自身はどう捉えているんですか?
あや:これまではそもそも、自分が動かないと現場で動いてくれる人が誰もいなかった、というのもあったので(笑)困ったところもありましたが、現場で動いてくれる人、任せられる人が増えてきて、活動が大きくなってきているんだなという実感があります。
今まではごっちさんと私の2人だったから、どちらかが動かないといけなかったけど、自分が動かす方になったので、やっぱりそこは感じますね。
神戸・六甲山で行われた共鳴展の様子。設営に協力くださった皆さんと一緒に。
ーメンバーが増えて役割が変わったんですね。あやさんがチームを動かす際に、大事にしていることを教えてください!
あや:それは「担当してくれる人が気持ちを乗せられているかどうか」ですね。その人だからこその仕事ができているか、その人が気持ちを乗せられるかどうか、を大切にしています。
最初はこちらから仕事を渡していくのだけど、やらされているというよりは、その中で自分が「これをやりたい」というのができていくと嬉しいなと思っています。
ー担当してくれる人が気持ちを乗せるために、あやさんが心がけていることはありますか?
あや:まず、たくさん話をすることだと思っています。
出来るだけ仕事の話だけではなく、普段どんなことをしていて、その人がどうなっていきたいのかまで聞いて一緒に考えることかなぁと。
話をする中で「じゃあこういうことやっていこうよ」という提案ができたらいいですよね。
能力だけではなくて「できないけれど、やったことないけど、やりたい!」を大事にしたいんです。私がそうですしね。そのためには自分が一番楽しんでないと!
今、自分がプロジェクトを楽しめているので、ありがたい環境だなと思っています。
ー同じ子を持つ母として、仕事を楽しむ姿、メンバーへの関わり方がとっても素敵だなぁと感動しました!
そうそう、あやさんのおうちは旦那さんも協力的な印象があるんですが、旦那さんは活動に対してはどう思っていらっしゃるんですか?
あや:夫は全般的に賛成してくれている感じですね。
夫の考え方として「嫁が楽しくしていることが、家庭が幸せになる」というのがあるみたいで。「お互いに好きなことをしているから、2人の時も楽しめる」というのがいい関係だと思っているみたいです。
ーお2人ともそんな感じですか?
そうですね。夫は自身の育った環境柄、奥さんに好きなことをして欲しいと思っているみたい。「奥さんに好きなことをやらせてあげられている」と自分が感じられるのも嬉しいみたいですよ。
高松・共鳴展の設営をサポートしてくださったご主人と。とっても仲良しのご夫婦なんです!
ーとっても素敵なご夫婦です。きっとこの記事を旦那様に読ませたいと思った奥様、たくさんいらっしゃる気がします(笑)(いやほんと旦那さんの考え方すごい素敵・・・世の中の旦那さん全員に聞かせたい)。
写ルン族のスタッフになったきっかけを教えてください
あや:実は写ルン族の活動には前身があって、それが2年前に行われたHappy Mother Project(以下、HMP)というプロジェクトなんです。ルワンダのスラムに住むシングルマザーにハッピーになってもらおうと考えた企画で、写真撮影はファッションショーなど、色々なことを行いました。
でも、その活動が終わって、やりきれなかった思いが残った。
というのも、一緒に参加したスタッフの気持ちを盛り上げる、積極性を生み出すという点で全然至らなかったなと感じていて。結果としてスタッフの満足度を高める為だけの旅行になってしまい、現地の人のものになりきれなかったんです。
ーそこで活動を辞めようとは思わなかったんですか?
あや:それが、不思議なんですが、やめるという選択肢はなかった。
というのも、形としては残らなかったかもしれないけど、確実に喜んでもらえた手応えはあったんですよ。だから、どんな形になるかは分からないけど、よりよくしたいという気持ちだけはありました。
ーそこから写ルン族へとプロジェクトが進化してきたんですね。
あや:はい、ルワンダの子ども達に絵を教え、販売しているアーティストの鈴木掌さん(写ルン族共同発案者かつ、アーティストとしても参加)とのご縁をいただいた際、実は最初は「絵とコラボして何かをしたいね」という程度だったんです。
でも、子ども達が自立したアーティストとして活動するためにどう広げようかを考えていたとき、「学校を作る」という構想が生まれました。
この瞬間に、「この活動はすごいことになる」と確信したんです。
実際に、写ルン族の活動を色々な場面でお話しすることがありますが、将来的に学校を作り育てるという構想は、現場で話をしていても共感してもらえています。
実はHMPでルワンダを訪れた際、現地の子どもが「We have no opportunities.(僕達にはチャンスがないんだ)」と口にしていたのですが、ルワンダ・キミフルラのスラムから実績が出たら、みんなの夢になるんじゃないかと思っていて。
私だって、以前は方法や選択肢がなくて難しいと思っていたけれど、カメラマンとして独立して2年でアフリカにまで行けたのは写真があったから。だからこそ、今度はアフリカの人たちが日本に来ることもできると思ったんです。
あや:実は私、教員免許を持っているんです。学校が好きだったんですよ。知識があると人生が豊かになるし、それを伝えられる人になりたいなと思ったんです。結局、教師にはならなかったけど、異なる形で写真で教育支援に行き着けたのは良かったなぁ、と思っています。
スタッフとして活動する中で大変だったこと
あや:2年前のHMPの活動が大変だったから今は麻痺しているのかもしれませんが(笑)、今はそんなに大変なことはないかもなぁ・・・。まぁ、資金集めと時間のやりくりはやっぱり大変かもしれません。
(前回のみおくんもそうだったけど、あやさんも大変じゃないんだ。驚)
資金集めでいうと、私が主に行なっているのは物販です。キテンゲを使ったアイテムや、ルワンダ産の豆を使ったコーヒーの企画から販売を手がけています。もちろん、セルフクラウドファンディングの声かけや拡散も日々行なっていますよ。
交流会に行ってプレゼンしたり、パンフレットを配ってみたりとか。行なっていることは地味なことで、それの積み重ねなんです。
写ルン族で取り扱うコーヒーやアクセサリーなどをガレージセールで販売しています。
ー皆さんの反応はいかがですか?
あや:まず、アフリカに行くこと自体がすごいと言われます(笑)。
社会貢献的な活動をしている人に出会っても、対象がアジア圏の方が多くて。アフリカを対象としている方が少ないので、まず驚かれます。
さらに私の場合、直接現地にも行っているので余計に驚かれます。
子どもが一緒にいながら、カメラマンをやりながらどうやって時間のやりくりをしてるの?ちゃんと寝てる?と聞かれることもあります。ちゃんと寝てますよ(笑)!
ーいや、実際あやさんはめっちゃ忙しそうで、寝てないイメージがあります(笑)。本当に、いろんな活動をなさってますよね。
あや:そうですね・・・。写ルン族の活動の他、ファミリー撮影、スタジオの運営、個人事業主の方のプロデュース撮影、フリースクールや個人事業主に向けた写真撮影の講師なども行なっています。
最近はデザインについても教えたりもしています。最近はNPO法人を設立し、自分の人生の選択肢を増やすためのワークショップも始めました。
アクセサリーを一緒に作ったり、撮影のアシスタントに入ってもらったり、アフリカに関連するイベントを手伝ってもらったりと、子どもの幼稚園のママ友に仕事をできるきっかけを提供したりもしています。
私も人手不足が解消されて助かるし、彼女たちは「自分らしく働くきっかけになる」と喜んでくれるんです。
スタッフをやっていて、嬉しかったエピソードを教えてください。
あや:ごっちさんと「新しいスタッフに入ってもらいたいね」という話をしていた際、2年前にルワンダの滞在先で出会ったメンバーが思い浮かんだんです。彼女ならプロジェクトに共感してくれているから、想いを持って参加してくれるんじゃないかなと思いました。
最初は言われることをやるのに精一杯だったけど、だんだん自分の「やりたい」が出てくるようになって。
彼女は動画を担当しているんですが、自分で作家の現場に足を運んでみたり、言われる仕事以上のことをやってくれるようになり、もちろん技術も上達してくれました。
できなくて悔しい気持ちを聞いたりもするけど「しんどいから辞める」とは一切言わず、やりたいと思ってくれている気持ちが嬉しいんです。
最初は「会社勤めしながらできるかな・・・」と心配していましたが、どんどんたくましくなっているなぁと感じています。
彼女の話もその前のママ友の話もそうですが、私は「きっかけを与える人間なんだな」と思っています。私がきっかけとなり、自分のやりたいことを始める人が増えることがすごく嬉しいんですよ。
読者のみなさまへ一言!
われわれの活動に、興味を持っていただきありがとうございます!たったの3人のスタッフから始まったプロジェクトが写真やアートを通じて少しずつ広がり、来年にはさらに大きな輪になろうとしています。
こんなことが実現できているのは、活動を知り、興味を持ち、イベントに足を運んだり、応援のメッセージを下さったり、記事を読んでいただいたり、作品を購入してくださる方がいてくださるからです。
本当にありがとうございます。
写ルン族が長く活動していくためには1人が100%、120%動くことよりも100人、120人が少しのエネルギーを出し合い続けることが大切だといつも感じていて、こうしてメルマガ読者として活動に関わってくださることがいるという事実が、前に進む原動力を与えてくれています。
まだまだ、つたなく未完成な活動ですが、「世界を写真やアートでちょっと良くする」未来が私たちにはしっかり見えています。写ルン族の活動から、関わる全ての人の周りが少しずつ変わってその変化が世界を変えていく日を、ぜひ一緒に見て、感じてくださいね。
活動に関するご意見や、感じたことなどもお聞かせいただけたらうれしいです。これからもよろしくお願い致します。
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いかがでしたでしょうか。
私はあやさんが愛に溢れた人だと、すごく感じました。
写ルン族以外にもいろんな活動をされていますが、あやさんの活動は「私はきっかけを与える人なんです」とのメッセージに集約されているんです。そして自分の環境を何よりも楽しむ姿勢があるからこそ、いつもあやさんはたくさんの人で囲まれているのだなぁと納得しました。
社会人としても、女性としても、母としても、妻としても素敵な方なので、この場でご紹介できて嬉しいです。最後までご覧くださり、本当にありがとうございます。
次回のインタビューは誰に!?引き続きお楽しみください!!^^