令和4年9月本会議での個人質問
ちょうど2年前、相談支援と窓口対応について質問しました。
今、長引くコロナ禍の影響もある中、相談支援の重要性と必要性を改めて強く感じ、また、まちに出向き、市民の声を聞き、実態を目の当たりにして、行政の在り方と考え方を再度問うべくお尋ねしました。
相談支援体制と窓口対応について
本市が抱える問題や課題の改善・解決への取り組みについて
令和2年9月本会議にて、地域福祉計画に基づく本市が抱える問題や課題の改善・解決に向けて、「地域福祉計画の基本目標ごとに基本施策を設定し、個別の取り組み内容を設けて具体的な活動を進め、その成果については市民意識調査に基づく指標により検証を行う」と答弁されたが、その具体的な活動ならびに検証結果をお聞かせいただきたい。
〔答弁〕
具体的な取り組みについては、地域包括支援センターに認知症地域支援推進員を配置、障害者相談支援センターを日常生活圏域ごとに設置、複雑・複合的な課題を抱える世帯に対する多機能協働推進会議を設置の3点。
検証については、事例集約と課題共有にて検証し、更に連携に必要な機能について検討している。また、今年度にはヒアリング調査等を実施し、調査結果の分析より次期計画に反映していく。
職員の相談対応スキルの向上と市民の満足度アップについて
相談対応スキルの向上と市民の満足度アップに努められた成果、また、アウトリーチによる支援も可能であることを広く周知する必要性を述べておられたが、市民への周知方法や反応及び実績についてお聞かせいただきたい。
〔答弁〕
相談対応スキルアップと成果については、多機関協働支援力向上研修を実施し、包括的な支援力が身につくと共に断らない相談支援実践の意識づけが出来た。
アウトリーチ支援については、相談窓口紹介のチラシ約16,000部作成し配布、また、定期的にSNSにて広報はじめ住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金支給対象者約5万世帯に同封し案内しているが、窓口と連絡先がまとまりわかりやすいと好評を得ている。
また、相談者の状況や相談内容に応じてアウトリーチ型の相談も行っている。
SDGs未来都市として掲げる相談支援体制の充実について
相談支援体制の充実を進めるとの強い決意を述べられたが、「相談支援体制の充実」における達成度についてはどのように考えておられるか。
〔答弁〕
達成度ついては、障害者相談支援センターを7つの日常生活圏域に設置により、高齢者の専門相談機関である地域包括支援センター、障害者の相談機関、中間支援組織である市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーの三者を圏域ごとに設置完了し、一つの経過的達成は出来たと考えている。
障害福祉サービスの利用相談について
①障害福祉課の地区担当者の人数、雇用形態の内訳、また、サービス等利用計画の記載内容について教えていただきたい。
〔答弁〕
正職員12名、再任用短時間勤務職員2名、会計年度任用職員4名、合計18名となる。
障害者総合支援法に基づくサービス等利用計画には、支援の方針、希望する障害福祉サービスの種類や時間数、利用する事業者名や1週間の利用スケジュール等が記載されている。
②申請者自身が作成する「セルフプラン」と申請者が支援専門員に作成を依頼する場合それぞれについて、利用者や相談支援専門員からの声、また、行政が把握されている課題等があればお聞かせいただきたい。
〔答弁〕
「セルフプラン」の方の声には、「自分で計画を立てるため自由度が高い」という意見がある一方、「複数の事業所を利用する際、自分で全て調整しなければならず、苦労することがある」とのこと、相談支援専門員に依頼されている方からは、「身近に相談できる福祉の専門家がいるのは心強い」といただいている。
また、相談支援専門員からは、「非常にやりがいのある仕事であるが、業務内容が多く、相談の範囲が広く、業務が過剰」と聞いている。
課題については、相談支援専門員の認知度、人数が不足している現状にて、資格保持者の増加とともに、各専門員の相談スキルの向上を図ることと認識している。
③相談支援専門員より、豊中市はガイドラインがあるものの、市の地区担当者によって解釈や対応に差があり、支給決定に至るまでに困難が生じるケースがあるとの声が上がっているが、市の見解を求める。
〔答弁〕
本市ではガイドラインの内容について、担当者研修や日々のOJT(職場での実践を通じて業務知識を身につける育成手法)により全ての地区担当者が把握するよう徹底している。ガイドラインの範囲を超える申請があった場合は、利用者や相談支援員の意向を十分に確認し、介護給付費支給審査会に諮る等、ケースに応じた決定をしている。今後も利用者に応じたサービス提供はじめ丁寧な窓口対応に努める。
こども相談課の窓口相談について
①受給者証取得等の窓口相談においては、保護者の方より心理的負担を感じるとの声を良く聞くが、それらに対する配慮について現在実施されていること、また検討されている事項があればお聞かせいただきたい。
〔答弁〕
電話やオンラインでの予約受付、また、更新にあたっては電話やZOOM利用を試行的に実施している。また、必要に応じて面接室使用ならびに子どもに接する職員と受付する職員の配置体制をとっている。今後も更なる負担軽減が図られるよう、オンライン相談の普及と本格実施に向けた体制づくりについて検討を進めていく。
②課題を充分に認識され、改善のための様々な取り組みをされていることは理解したが、保護者の方の苦悩されている声は今もなお続いている。例えばブースや間仕切りなどの設備など、可能なことについて少しでも工夫してはいただけないものか。そのような寄り添いがあることで相談者の気持ちや受け取り方は大いに違ってくると考えるが、市の見解を求める。
〔答弁〕
様々な工夫を行い相談者のプライバシーに配慮しながら対応していることから、今後も引き続き、間仕切り設置の検討も含めて創意工夫しながら、窓口にお越しになった方に寄り添った支援に努めていく。
子どもの居場所相談支援拠点モデル事業について
①「子どもの居場所相談支援拠点モデル事業」の開始から半年が経ち、夏休みも挟んだが、「居場所としての機能」について取り組み状況をお聞かせいただきたい。
〔答弁〕
食事の提供を含めた居場所を実施、主として支援の必要な子どもに居場所を提供、平常は週3回、夏季休業中は週5回程度実施、常に子どもの参加がある状況であり、時間を経てスタッフとの信頼関係が築けている。また、子どもの見守り強化のため教職員を対象に研修実施とともに、個別ケースの共有など、学校との連携を深めている。
②「子どもの居場所相談支援拠点モデル事業」における居場所運営者などへの支援についての進捗、また、「子どもの居場所ネットワーク事業」における居場所運営者の支援力向上のための取り組みについて教えていただきたい。
〔答弁〕
両事業は連携して実施、事務局拠点としての場所の活用ほか、情報交換や学識経験者のアドバイスを得ながらの相談対応など居場所運営者への支援を進めている。
また、「子どもの居場所ネットワーク事業」においても市域会議や圏域交流会のなかで課題となったテーマについて勉強会はじめ、課題解決のための新たな取り組みを開始するなど、居場所運営者などの意見を反映させながら、支援力向上のための取り組みを進めている。
意見要望
今回、相談支援体制と窓口対応について様々な角度から質問させていただいたが、最も申し上げたいことは、先日からのご答弁でも理事者が何度か言葉にされた「寄り添い」、市民への寄り添いである。
どれほど立派な制度がいくつあっても、そこに的確につなげることが出来なければ意味を成さない。市民が必要な支援を受けられるよう、まず始めに、直接関わる相談窓口の担当者がいかに寄り添い、思いやりをもって対応するかが肝要であり、それこそが本市の掲げる「誰一人取り残さない社会」をつくる第一歩となるのではないか。
もちろん寄り添う想いを持たれる職員の方は多くおられるが、今一度、市長の理念を全職員の方々へ浸透させていただき、市民の皆様が笑顔で暮らすことのできるまちづくりを心から要望する。