「車のいろは空のいろ」
小学2年生か3年生のころに
国語の教科書で「白いぼうし」という物語に出会いました。
あまんきみこ、という方によって書かれた物語で
やさしい語り口調で場面がスッと入ってきます
後にこの物語が「車のいろは空のいろ」という、一冊の本に収録されている事を知って本を取り寄せました
この本に収められているどの物語にも
「松井さん」という若者が
空色のタクシーの運転手として登場します。
松井さんは誠実で心のあたたかい20代の青年なんですよ
松井さんが出会うお客さんはどの人も最初はひとの形りをしているけれども物語がすすむに連れてやがてそうでない事が読み手にも伝わってくるんです
松井さんは彼らの話に耳を傾けます
すると環境破壊によってやむなく住処を追われ、姿を人に変えて人間社会に溶けこんで暮らしているクマさんの身の上話だったり、あるいは戦争に巻き込まれ、抗いようのない状況下で幼子を亡くした女性が以前の、子と共に生きて幸せであった時間を今も大切にしている想い出を松井さんが幻で体験するなど、可愛らしい挿し絵とともに物語の世界がどんどん展開されていきます
そこにあるのは
時代がめまぐるしいスピードで変わっていっても変わらない不変的な何か。
大人になってからも何度も読んでは「うーん」と唸ってしまいます
素晴らしい物語への賞賛
出会ってくれてありがとう^^
じつは。
前の記事でチラッと書いていたシンガーソングライターの谷山浩子さん
この物語を歌にして何曲か歌われているんですよ
(またまたこっそり宣伝)
「ねこの森には帰れない」というアルバムに収録されています
この中の「すずかけ通り三丁目」が特にお気に入りなんです。歌を聴く時は必ずあたまの中にあまんきみこさんの物語が同時進行で思い出されて涙腺崩壊
https://youtu.be/KFZyyZ8nX0Y?si=ReODLGcOt_mYcaut
8月になると必ず思い出す物語です
数年ぶりに地域にある平和記念館に行きたくなりました
台風が無事に過ぎてくれますように