ありがとう、と言ったら すべてが終わってしまいそうで さようなら、も言えなかった もう会わないと心では決めていたのに ひとつひとつクリックして あっさりと消えた思い出 消しても消しても消えない あの日あなたがありがとう、と言ったのは それは、あなたの弱さですか
時が全て解決するならば ただただ眠ろうよ だから今日はもうおやすみなさい 目をつぶれば痛みとはさようなら そこに苦しみはないよ だからさすべてここに置いていきなよ 忘れ物なんてしてもいいから いつでも取りに帰ればいいよ だからさ準備はその辺にして 僕はもう行くよ 時が全て解決するからさ ただただ眠ろうよ だから今日はもうおやすみなさい 美しい人よ ほんとは少しだけ怖いんだ だから眠りにつくまでそこにいてよ たとえ触れられなくても 確かなことってあるんだよ そこに
どうか生きることをやめないで サソリが赤い火を燃やすように 本当の幸せを探す旅に出ようよ それはきっと永遠の旅だから どうか美しさを貫いて メロスがただひたすら走るように 信じるものは全て美しいから たとえなににもなれないとしても どうか生きることをやめないで
何のために生まれたのか 幸せになるためではない 何のために生きているのか、 愛のためか、憎しみのためか、哀しみのためか、 誰のために生きるのか、 家族のためか、恋人のためか、愛犬のためか、 何のために生きているのか それは何のためでもない 誰のために生きるのか それは誰のためでもない けれども何かの誰かのために必死で小さな命を燃やす私たち
本当は優しくしてくれていたことに気がついた時、 ありがとうではなくごめんなさいと言ってしまうあなた あなたから一番遠い場所で今日もわたしは祈る
壊れたのだと思っていた ものはいつか壊れるものだからと 人は変わりゆくものだからと 汚れたテーブルに真っ白なクロスをかけるように 見えているものがすべてなのだと あの日壊したのは自分自身 一人ぼっちだと思っていた どこかではぐれてしまったのだと どうせ最期はひとりきりなのだからと 紡ぎ出した緻密な糸で作られた真っ白な繭のように まるで世界から孤独になった気でいた あの日一人になったのは自分自身
愛することも愛されることもできないならば それは罪でしょうか 淀みのない悲しみがあるならば それは愛でしょうか 悲しいときは色の移ろう雲を見る 寂しいときは一人きりで山へ行く 貴方がくれた押し花だけが 色褪せないままで
貴方と並んで大水槽の前に立っていたのはいつだったか ゆらゆらとイエローのスカートが水槽に反射しては音も立てずに消えていく 私はここにいるのにまるで空っぽで 無意識が目の前を淡々と泳いでいく いつの間にか私だけが水槽に閉じ込められたように私の声は貴方に届かない 全てが泡のように音を立てずに消えていくのに私だけがそのままで
影が移り変わることが 真っ赤なりんごが朽ちることが 貴方との関係が壊れてしまうことが それが時間ならば 時間なんていりません
君があのねと言うと私はひどく恐縮した 貴方の強さが弱さなら 貴方の優しさは何だというの 君があのねと言う声はとろけるほど甘いのに 本当は怒りに震えているの 貴方の弱さが優しさなら 私の弱さは何だというの 貴方が落ち着いて話す時 本当はひどく焦っているということを 貴方がすらすらと言葉を操る時 本当はひどく傷ついたということを それを貴方は知っているの 知らないの知ってるの
例えば、見ず知らずの他人が死んだこと 例えば、人気俳優の不倫 例えば、100年後の未来 例えば、隣人の夕飯 知らなくていいこともあるなんて知っているはずなのに 今日もこんなに心がざわざわすることはなかった 貴方が愛してくれていたかということ
悪かったと たった一言がほしかった おかしいでしょう あなたがそう言ってくれる日が来ることを 今もどこか期待している 壊れかけたコンパクト 治そうとしたら割れてしまった 桜の木の下ではらはらと落ちてくる花びらは 一枚もつかめない 明日と昨日を行き来してばかりいたら 今日はどうなるでしょう 分からないというのは呪文 本当はもう知っていることばかり
顔が好きっていうのはさ、 笑った顔や雰囲気が素敵だからだよ なんて平気な顔をして言う君 あの時私はどんな顔をしていたか 誰もいないところへ行きたかった私 誰のものでもなかった私 どうでもよかった 付き合った人なんて数えたことないわ なんて冗談を言えるくらいには
かたつむりになりたかった 少女の頃 真っ白な細くて長い手足と まっすぐに伸びた長い髪 なんにもいらないのに 欲しいならあげるよ あなたのそれと私のを交換こしよう 綺麗に伸ばした髪は 誰のためでもない エメラルドグリーンのスカートは あなたのためじゃない 私のためでもない ただ綺麗でいたかった だからどうか触らないで どうしようもなかった少女の頃 かたつむりになりたかった
あなたと山登りに行ったとき、岩に足をぶつけた私は少し大袈裟に痛そうにした そしたらあなたはすぐにザックから救急セットを取り出して湿布を差し出した 私はあなたの手当てを拒んだ そんな顔をしないで だって膝にある古傷をあなたに見られたくなかった 帰り道足が限界で膝ががくがく震えてた そしたらコンクリートの上ですてんと転んだ あなたは気づかずに前をずんずんと歩いてた 後ろから大丈夫かって声をかけられたとき私とても悲しかったのよ だってあなたに1番に駆け寄ってもらいた
人生の帰路に立たされたとき、 どっちを選べば良いのだろう 一体どれが正解なのだろう どれを選べば後悔しないで済むのだろう と多くの人は悩む。 私たちはその時々で、それが良いか悪いかは別としてその時に1番最善の選択を自然と選んでいる。 選択肢に不正解はない。 どれを選んでも正解で、選んだ選択肢が1番その時の自分に適していた。それを選ぶしかなかった。 選んだ選択肢が正解なのだ。 人生の選択をするとき、最善を考えるだろうか、それとも最悪を考えるだろうか。 幸せになる