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小さな一歩

通学で利用しているバスでの出来事。
通勤・通学による混雑でなるべく詰めた方がいいと判断し、身障者向けの優先席に座っていた。

しばらくして途中のバス停でクラッチ杖をついたおじさんが乗ってきたので
「座りますか?」
と声を掛けた。それに対しておじさんは
「あぁ、いえ。大丈夫ですよ。」
と返答した。
断られるとは思っていなかったから少し気まずい思いで座っていたら、数個先のバス停でそのおじさんは降りていった。

おそらくおじさん的には
「あぁ、いえ。(あまり長時間乗らないから座らなくても)大丈夫ですよ。」
ということだったんだろう。だが、もしそうだったとしても座れるのなら座りたかったのではないだろうか?

このとき “ 席を譲られる人への配慮が足りなかったかもしれない ” と気が付いた。
あの時の自分は席に座った状態で話しかけていた。「ありがとうございます。」と言われたらすぐに譲れる姿勢で。

でも譲られる側としては、これからわざわざ退いてもらってでも座りたいと思えるだろうか。いや、きっと遠慮させてしまう。

もし今後席を譲ることがあったら、席を空けてから「もし良かったらどうぞ。」と声を掛けようと決意した。

それから約1ヶ月後。
よく似たシチュエーションに遭遇した。今度は足腰があまり強くなさそうなお婆さん。
用意していた様に席を空けてから声を掛ける。
お婆さんから返ってきた言葉は
「ありがとうございます。」

傍から見たらただの一歩。それでもきっと受け取る印象は大きく違っていた。

本当に小さな一歩だが、“ 相手の立場から物事を見ることが出来た ”という意味では自分にとっても自身の成長を感じることが出来た大きな一歩だったかもしれない。




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