見出し画像

正反対な君と僕 第59話感想

サブタイトル「部屋と秋湿り」

正反対な君と僕 第59話より

今週は谷鈴回。
前回、谷くんが不穏な表情を見せていて、我々読者に不安を与えていたのですが……
そのアンサー、あるのかな?

正反対な君と僕 第59話より

今回は谷くんの部屋でお勉強デート。
普通に考えると、こんなの勉強にならんはずなんですけどね。
同性でやっても危ないのに。
恋人関係でやったらもう、イチャコラで勉強にならんはず。
リアル高校生なら。

だけどこの2人は谷鈴。
普通の高校生では無いので、集中して一緒に勉強をしてしまいます。
まあ、そんなことは去年の話で分かってたことだけど。
(夏の日のおうちデート回)

正反対な君と僕 第59話より

……こんな風に、もしマガズンやヤンマガだったら、次のコマには肌色一色で、複数の使用済みゴムの散乱図になりかねない状況でも、軽くじゃれ合うだけで済んでしまう超清い2人。
だけど、ここで鈴木が気になるものを発見してしまう。

正反対な君と僕 第59話より
ノー眼鏡の谷くんがイケメンすぎるんですけど……

谷くんが目指していたはずの大学以外の赤本。
谷くん、志望校を変えるんですか?
大学名で、実家から通えない学校なのはすぐに分かるので、鈴木としても一大事。
なので彼女は谷くんに事情の確認をするのですけど……

どうも、納得できない理由で「そっちの道は諦めた」と言われる。
こういう言い方されると、鈴木は考えるんですよね。
頭良いから。(空気詠み人には頭良くないと成れないものな)

正反対な君と僕 第59話より

そして出た結論は、自分に遠慮して諦めた。
それ以外無いと結論。
……うん。そうだろうね。
逆に言えば、谷くんにとって鈴木がそれだけ大切な女の子だということの裏返しなんですけどね。
谷くんは彼女持ちというステータスを守るために道を諦める人間では無いし。
もし大事なのがステータスなら、大学に進学してからキャンパスで新しくパートナーを探せばいいわけで。
もし谷くんの本心がそうなら、彼はそういう決断をするオトコですよ。
だけど、鈴木はそれを良しとはしない。

正反対な君と僕 第59話より

谷くんの家に、もはや息子の将来の嫁候補として受け入れられているにも拘らず

正反対な君と僕 第59話より

ヒイイイイイイイイ!!(読者の声)
来そうだなとは思っていたけど!
よりにもよって、第16話の鈴木家訪問回での名シーンの流れに被せる形。
この辺、原作者かみの漫画の上手さを感じざるを得ないですね。
あのときは谷くんが言葉を発したけど、今回は鈴木。
そしてこの言葉は

正反対な君と僕 第59話より

……さすがに谷くんの表情を崩す。
そりゃそうでしょ。大切だものな。
鈴木がこの言葉を発したのは、自分のせいで谷くんの人生が崩れてしまうことを恐れてのこと。
ただそれだけを考えて、こんな恐ろしい言葉を発したわけですけど。
……相手が谷くんでなければ、彼女に愛想を尽かされたと思い込み、狼狽えるか、気持ちのスイッチが切れてそのまま

サヨナラ!

……だったはずなんよね。
でも2人は冷静に会話を続けて
考え直してみるから、距離を置くなんて言うな。
そう、ベストアンサーに辿り着く。

……この一連の流れ。
鈴木は衝動的に仕掛けたみたいで。
家に帰ると

正反対な君と僕 第59話より

自分の発言の危うさに気づいて、泣く羽目になる。
でも彼女がこの決断をしてしまったのは……

谷くんに自分を理由に道を諦めて欲しくない!

この気持ちでしょ。
これは愛なのよ。
自分の利益、つまり「自分の傍にずっと居て欲しい」より、相手の人生の選択を優先したわけだから。
……これをさ、ジャンプラの感想欄で誤解しているコメがあって

「お前は今回の話の何を見ていたんだ」

と、思ったよ。
どんなのかというと、これは女の方からの「必要になったらいつでも別れるよ」というプレッシャーであり、脅しだ。

ハアアアアアア??

悪意持って鈴木を見過ぎだろ。
別れ、つまり関係の断絶は脅しやプレッシャーに使ってはいけないんだよ。
そんなの、人間関係の基本中の基本やんけ。
別れを持ち出すとき。
それは常に決断の一言、最後の言葉であるべき。
交渉に使うもんでは無いんよ。
クソ女系動画を見ると、大体それで失敗してるでしょ。
別れを持ち出すたびに、相手の愛情はまるでFFのバイオの魔法が掛かったみたいにグングン減っていくんだ。だからやってはいけないの。
分かった?
そして鈴木はそんなことは考えもしない女の子なので、絶対にしないの。

……まあ、そんな妄言は

正反対な君と僕 第59話より

……この頁のこのコマから脊髄反射で出たんだと思うんだけどね。
ここの谷くんの「こわいな」は、脅された、って意味じゃ無いんだよ。
鈴木の愛情が不変のものであると油断し、ぞんざいに扱うような真似をしたら別れが来る。そういう意味の「こわいな」なのよ。
相手が自分に依存してて、永続で自分についてくるオプションでは無いんだという事実。
別に谷くんはそんなことを思って無いけど、それを今回の出来事で明確に分かってしまった。
そういう意味なのよ。
確かに怖いでしょ。大切だったら。
自分が相手に自分の恋人であることのメリットを与えられているかどうかなんて、ジャッジするのは谷くんじゃないんだし。

……つまり谷くんは鈴木を信じていないのか?
いや、信じてるに決まってるけど。
鈴木の自由意志を認めているから、怖いんだよ。

……そしてこれは。
鈴木の誕生日回で、鈴木がボソリと言った

「愛想尽かされないようにしないとなぁ」

この言葉と対応してるんだよね。
つまり同じこと、鈴木も思ってるんだよ。
これが何を意味するかと言うと

相手の愛を受け取れて当然の空気のようなもの

……この2人は、恐らくそういうことを考えないってことと同義のような気がする。
こういう態度は恋人どころか家族の関係すら壊すからね。

……高校生の取る思考内容では無いような気もするけど。
大人やで。

いいなと思ったら応援しよう!