正反対な君と僕感想 第61話
東の恋心に気づいてしまったけど、それを認めて行動を起こすことが
思い上がりだ
そういう思いがどうしても拭えない男・平。
前回のタイラズマ回から悩み続けている彼ですが。
キショイ勘違い。
そう断じてしまうのは、彼が自分に自信が無いからなんですよね。
前回も出た言葉だけど、劣等感。
で、そのせいで今日も順調にフラグ折ってる。
この顔は発情してる顔にしか俺には見えんのだが。
気のせいでしょうか?
で、学校に行って色々考えるんだけど。
自分が劣等感を持ってるものって何なのかを考える。
……言うほど、持ってないんだよね。
今の平。
谷くんとは正面から向き合えているし。
クラスの連中とも普通にやれてる。
鈴木、ナべ、カワサキとも普通にやれてるんだよね。
そこに劣等感を感じるものは何もない。
……たった1人を除いて
そう、東だけなんよ。
理由はまあ、彼にとって地獄だった中学時代の、カースト上位女子であるってことなんだけど。
……まあ、拭い難いだろうよ。
ちょっと方向性は違うけどさ。
肉体的弱さでイジメを受けてて、復讐心で身体を鍛えまくり、100%殴り合えば自分が勝てる状況を作った人が現実に居たそうなんですが。
その昔自分をイジメていた相手を前にしたとき、堂々とできなかったらしい。
トラウマってのは根深いんですよ。
対して東の方。
平との仲でやきもきし、どうしたら良いのか分からず、サトに相談する。
サトは……
ああ、美人なのに恋愛脳じゃないのね。
気持ちは分からんでは無い。
俺もそうだったし。(サトと違うのは、他人が基本うっすら嫌いだったことかな)
私に言わせるとね、一緒に居たいと思う以外で「恋人が欲しい」って思う感覚は、恋愛じゃ無いからね?
もしエロい理由だけで恋人を求めたことがあるとするなら、それは恋愛じゃ無いから。
サトはさ、就職したら早々に見合いすることを勧めるわ。
多分そっちの方が彼女の人生上手くいく。
恋愛をはじめる際に、人工的な切っ掛けが要るタイプなんだろうね。
誰かに紹介してもらう、っていう。
話を戻して。
そんな恋愛脳じゃない女子に相談しても。
東がドツボに嵌らない方向でのアドバイス以外出ないわな。
相談者としては大失敗です。
で、話は平に戻り。
彼は今が幸せな環境であると認めてはいるけど
それを意図的に信じないようにしていた。
具体的に言うと
「この場所は持ち家じゃなく、賃貸物件である」
と思うようにしていた。
そうしておけば、いざその場所を追われたときに味わう絶望が軽くなるから。
すごく後ろ向きですけど、過去に辛いことがあった人間あるあるなんですよね。
こういう、幸せを呼ばない保険は。
だけど
……ここが良いですよね。
自分の本音はどうなのか?
そこを自問して出た答えは
「自分の居場所が欲しい」
なのだから、今の状況
「それはすでにある」
ということを自覚するべきだ、と。
だから邪魔な疑念は捨てるべきなんだ、と。
……ここに至るの、結構難しいんよね。
私もだいぶ経ってから、そういうこと気にならなくなりましたし。
無論、自分の判断が思い込みであって、他人に嘲笑われるかもしれないんだけどさ。
だから? なんだよね。
嗤いたいなら嗤えばいいんだよ。
気にしなければ良いのよ。
そこに気づけば、そういう意味のない自己保身というか、安全保障をしなくても良くなる。
で
……このコマの中央部。
「いや……もう、別にいい。俺は大丈夫」
ここが最高に良かったですよ。
恋愛系のタイラズマが本格始動するエンジン音ですね……。