園芸の授業が僕とキミの距離を…
中学に入学して1ヶ月ぐらい経った
僕にも好きな人ができた
その人は小川彩
みんなからはあーやって呼ばれてる
僕は遠くから見てるだけで話したこともない
ただの一目惚れ。
そしてある日の授業のおかげで小川さんと話すことになる。
○:園芸ってしかも2時間…?
いつも隅の方で独り言
そして授業が始まると特に僕の嫌いな授業だった
先:じゃあ2人1組作って!
○:えぇ…
小川さんは…
「あーや一緒にやろ!」
彩:ん〜他に一緒にやれる人居るならその子とやってあげて
そして隅の方で1人で居る僕の方に笑顔で走ってくる天使……
彩:なんで1人で居るの?
○:……いや
別にこういう授業苦手だし
彩:彩が一緒にやってあげる!
○:いや、みんなの目が…
もちろん聞きたくない声も聞こえてくる
「はぁ?アイツとペア組むのかよ」
「もしかしてアイツのこと好きなのかな?」
「キモイわ〜」
僕のことだけじゃない…
小川さんのことも悪く言う奴がいる
○:やっぱり…やめた方が…
彩:気にしないの
ペアでやらなきゃいけないんだから
やらなきゃ始まらないでしょ
それはそうだけど…
○:他の子が小川さんと組みたいみたいだよ
彩:あなた一人になっちゃうでしょ!
○:そうだけど…
彩:ほら、行くよ
先生の所に行くと…
先:じゃあ2人にはこれを育てて貰うよ
先生から渡されたのはトマトの苗だった
彩:これなんだろ?
○:小川さんが大好きな食べ物かもね
○○がプランターに土を入れて苗を植える準備をする
彩:何か手伝うことない?
○:大丈夫だよ
手が汚れちゃうし
小川さんの顔がちょっとムッとしてる気がした
彩:もういいよ
彩はどこかへ走って行ってしまった
○:あっ…小川さん…。
絶対一緒に作業した方がいいのに…
○○は小川さんを追いかけた
あとちょっと…もう一歩
やっと追いついた…
○:小川さん…ごめん
彩:ばか…
○:ば、ばかじゃないけど…
ごめんね
彩:じゃあ…
一緒に作業してくれる?
○:もちろん!
ふたりが戻るとプランターが倒れていた
○:なんで…?
彩:……。
○:小川さん!
木の枝探しに行こう
彩:なんで…?
○:支柱の役割をしてもらうの!
2人で枝を集めて戻る
○:ちょっとこれ以上折れないように…
枝に苗を縛り付けて倒れないように…
○:これでよし
彩:○○くんすごいんだね
○:まぁ…これぐらいなら!
そしてこの後からちょくちょく2人になる時間が増えていった
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○:元気に育ってるなぁ
花咲いてる
彩:○○くん!
探したよ
○:あーや
そろそろトマト見れそうだよ
彩:楽しみだね
○:そうだね
僕も毎日のこの時間が好きだよ
ここまでの関係になるのにもあーやとは喧嘩もいっぱいした
このトマトの苗と同じように…
彩:○○くん!
○:ん?
彩:トマトできるの楽しみだね
○:1番最初にできたトマトはあーやにあげる!
彩:やったー
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毎日が暑い…
ただトマトの水だけはしっかり毎日あげた
彩:トマトできてきた!
○:ほんとだ!
あとは赤くなるの待つだけだね
彩:楽しみぃ
○:そう…だね
僕はこの時間がもうすぐおわってしまうと思うと…さみしくて。
告白…できたらいいんだろうな…
彩:○○くん?
大丈夫?体調悪い?
○:あぁ…大丈夫だよ
彩:あんまり無理しちゃダメだよ?
○:おう!
そしてある日の放課後
○:赤くなってる
トマトを収穫して水道の水で洗う
彩:あっトマト!
○:あーや
食べてみてよ
2人で育てたトマトだよ
あーやはトマトを食べると…
彩:美味しい!
○:頑張って育てて良かったね!
彩:うん!
○:今日は帰ろっかな…
それにもう明日からはこうやって
話すことも少なくなるんだろうな
彩:どうして?
○:あーやもトマト食べれたし
もういいでしょ?
彩:ふーん
一緒に帰ろうよ
○:いいけど…
2人で帰る初めての道のり
彩:誰も居ないね
○:まぁ…みんなもう帰っただろうし
彩:2人だけなんだね
○:……///
あーやから手を繋いでくる
彩:一緒にペア組んでくれてありがとう
○:こちらこそだよ
あっという間に…
彩:ここが家
○:結構近い…
彩:そうなの?
○:俺の家ここから見えるから!
彩:もうご近所さんだ
じゃあまた明日!
○:あーや!
彩:ん?
○:俺…あーやに一目惚れして
入学式の時から好きだった
今回の園芸の授業で
2人で話すようになって
そこからまためっちゃ好きになった!
彩:う、うん///
○:僕と付き合ってください!
彩:うん!
お願いします!
○:はぁ…緊張した!
2人はぎゅっとハグをする
家に入る前に彩にキスをした
彩の顔はトマトのように真っ赤だった