教える人が居なくて育たずに枯れる
入社して数十年にもなるベテランの設計屋とたくさん一緒に仕事してきた。
この会社は合併して出来たのだが、旧社連合で徒党を組みグループとなり派閥となる。文化、風習も旧社から引き継いだもので合併後の新しい連合とは水と油のように溶け合わない。
設計の考え方も、頭がコチコチなので柔軟に対応できないし、教育システムもそれぞれ自由にやってきた。しかしながら失われた30年を考えると教わる若者も居ないし、教える人も居ない。いいベテランが素人同然の設計をしてくる。
たとえば、板金の曲げについて。最小曲げ寸法というのがある。板厚3.2ならだいたい11ミリなのだが平気でそれ以下の部分に穴を空ける。
するとどうなるか?穴が曲げに引っ張られて歪んでしまう。
2年あとに入社してかれこれ30年になるクタヤマ君は何度も同じ過ちをする。資材部から直せと言われても、歪んだらグラインダーで削ればよいとか、後で穴を空けるかしたらいいじゃない?とか。
おまえにはコスト意識はないのか?別工程を入れると部品価格はあがるのだよ。をやさしく言っても自分の世界。コストダウンは資材部が考えたらよいとまったくの外野の野次馬なのだ。このクタヤマ君は悪い奴ではないがすこしアホちゃんなのだ。
それで、板金にボス溶接して加工みたいな部品を描きたがる。平気でS45Cを使う。外注先からはこんな図面かくのか?おたくの設計は。と、恥ずかしい事言われても彼は平気だ。
溶接には軟鉄(SS)を使うことすらわかっていない。もう50歳を超え新入社員同然。
この会社の将来は心配しない。わたしはもう去ったのだからどうだってよろしい。