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ガンが転移して泣いても仕方ないやん
ガンの転移を言われても妻はいつものように冷静で、あらそう?とか、別に悲しんでいる訳ではなく荒れる訳でわなく普通にしている。
わたしがそんな立場になったら、慌てて悩んでヤケになって人やモノに当たり散らすかもしれない。いやそうに違いない。
彼女は今までと同じように、生命保険会社に勤めて教育係をしている。その資格を取ったりして精力的に生きていた。
思い返しても、ガン診断を宣告されてからも、別に泣いたり悲しんだりしなかった。その後の定期診断の通院につれて行った時。その病院の乳腺外科の診察室前の待合室にいた時でも、中から鳴き声とか、喚き声とか外に居ても聞こえて来た。おそらくガン診断を聞いた時の反応であろうか、診察室から出て来た患者さんは夫であろう男性に肩に捕まりよろよろと出てくる。
それを目の前で見てもやっぱり全然応えない。泣いても仕方ないやん。しっかり生きていこうっと思っているに違いない。
彼女自身も診断の時は、自分の5年生存率も承知していただろう。なにせステージ3Aなんだから。現在のデータによると、乳がんのステージ3における5年生存率は約80.7%とされている。このステージではがんが進行してリンパ節に転移していることが多い。
治療は主に化学療法やホルモン療法、抗HER2療法、放射線治療、手術などが組み合わせて行われその後の継続的な管理が要る。
そんな事はめちゃくちゃ勉強して自分でも百も承知だろう。当時は生存率はもう少し悪かったかもしれない。なんせ医療技術は日進月歩だから新薬やら新しい術式がどんどん出てくるからだ。
わたしには新しい治療法が出てくるまで元気で居てやるつもりで自分と戦っているみたいに見えた。