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注文を消して私腹を肥やす奴

その会社の資材部には、大きく購買品担当、外注品担当に分けられていて、それぞれ発注担当と納期日程担当が居る。このように発注と管理を二つに分けたのは最近からで以前は発注者がすべて行っていた。外注先はひとり20社ほど持ってれば、超忙しく派遣の女性がひとり付いたりする。

当時の人員整理で女性派遣社員は半分になり、これと同時に発注と管理が分けられた。だから発注担当は値段決めて注文書だすだけで簡単であるが、管理担当はその他雑多なこと一切フォローしないといけない。

工作部、外注加工屋への素材の支給とか、完成品の移動、そこから研磨、メッキ屋さんへ、または塗装、黒染めへ工程品の移動。また、不具合品の返送とか、再納入の日程調整とか。だから工程品のひとつでも不具合がおこるともうほとんどアウトだ。

発注者はそんな事には我関せず。不具合も納期管理も管理者に任せて楽ができる。関係会社から食事をよばれたり、新地できれいなおねえさんと山崎を飲んだり。新規取引希望企業なんか行列ができるくらいいっぱい来た。

当時のM部長は、昭和の悪代官みたいな疑惑のデパートみたいな奴。
今日はうなぎがたべたい。とか、来週ゴルフに連れていけとか。新規取引先にしてやるからリベートよこせとか。
あるとき、1コ50円の圧縮バネの取引先A社から連絡があって「来月の注文が無いのですけどなんでですか?」と問い合わせが来た。

転注先はM部長が決裁した新規企業B社で、価格は100円超えている。なかなかわかりやすい不正だ。その部品は月1000コ必要でA社は注文予測から計画的に製作、納入している。ものすごい金額の損害を会社に与える。つづく…










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