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アニメで彩られるジャズの世界: 見逃せないサウンドたち

アニメの中で流れる音楽には、作品の雰囲気を一層引き立てる力があります。特に、ジャズが登場するシーンは、物語をスタイリッシュに彩り、深みを与えるものが多いです。今回は、そんなアニメの中で使われているジャズに注目し、観る人を引き込む魅力的なサウンドトラックをご紹介します。音楽とアニメの絶妙な融合を楽しみながら、いつもと少し違う視点で作品を楽しんでみませんか?


① TRI4TH - DIRTY BULLET(TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」EDテーマ)

TRI4THの「DIRTY BULLET」は、アニメ『博多豚骨ラーメンズ』のエンディングテーマとして使われていて、そのインパクトがすごい!ジャズクインテットの持つ独特のエネルギーが、アニメのダークな雰囲気にぴったりマッチしています。特に、インストゥルメンタルだからこそ、曲自体が物語を語っているように感じられて、スリリングなシーンが一層引き立つんですよね。

この曲が収録されたアルバム『Anthology』には、複数のバージョンがあって、キャラクターごとのアレンジを楽しめるのもファンにとっては嬉しいポイント。個人的にはオリジナルバージョンの力強いトランペットと、鋭いサックスの絡みが心に残ります。TRI4THの音楽は、ジャズという枠にとどまらず、他のジャンルと融合させたダイナミックなサウンドが魅力で、聴けば聴くほどハマってしまう感じ。

また、ライブでの彼らのパフォーマンスはさらに圧倒的で、その場の空気を完全に支配するエネルギーに包まれる体験ができるんです。「DIRTY BULLET」を聴くたびに、アニメのシーンが鮮やかに蘇るし、TRI4THの音楽性の豊かさにも圧倒されます。アニメファンはもちろん、ジャズに興味がある人もぜひ一度この曲をチェックしてほしい!

② 岩崎太整 - Catch Me If You Can

岩崎太整による「Catch Me If You Can」は、アニメ『血界戦線』のオリジナル・サウンドトラックに収録されている一曲で、劇中のテンションを一気に引き上げる楽曲です。個人的には、この曲のキャッチーなメロディとリズミカルな展開に完全に引き込まれました。まさに「追跡と逃避」をテーマにした音楽で、アップテンポなリズムが聴くたびにスリルとワクワク感を与えてくれます。

この「Catch Me If You Can」は、タイトル通りの疾走感があり、アニメのアクションシーンとのシンクロが素晴らしいんです。「Catch me if you can」というフレーズが何度も繰り返されることで、曲が持つ緊張感と遊び心が絶妙なバランスになっています。ポップとジャズの要素が絶妙に融合していて、岩崎太整ならではの音楽的な幅広さが感じられます。

岩崎太整の他の作品も素晴らしく、映画『モテキ』や『竜とそばかすの姫』でも彼の音楽が作品の雰囲気を完璧に補完しているんですが、この『血界戦線』の楽曲は特に印象的でした。音楽がただのバックグラウンドではなく、作品そのものを深める力を持っているのが感じられます。「Catch Me If You Can」を聴くと、まるで自分もキャラクターたちと一緒に走り回っているような気分になるし、この曲のリズムに乗っていると時間があっという間に過ぎてしまうんです。

音楽だけでなく、アニメファンとしても、この曲がどれだけ物語とマッチしているかを改めて実感しました。どんなにアクションが激しいシーンでも、岩崎の音楽があればしっかりと物語に引き込まれてしまいます。この曲は、アニメファンだけでなく、音楽好きな人にもぜひ聴いてもらいたい一曲です!

③ Yutaka Yamada - OP & Main theme

アニメ『GREAT PRETENDER』のサウンドトラックは、まさにジャズのエッセンスが詰まった、耳に心地よいアルバムです。最初にこの作品を見た時、オープニングの「G.P.」が流れる瞬間に一気に引き込まれました。作曲家やまだ豊の手によるエネルギッシュな楽曲は、アニメのスタイリッシュでスリリングな展開に完璧にフィットしていて、毎回聞くたびに気分が高まるんです。

「G.P.」はYVYのボーカルがさらに曲に深みを加えていて、彼女の歌声がこのサウンドを一段と魅力的にしています。アニメが始まる前から、曲の疾走感とエッジの効いたメロディーで視聴者を物語の世界に引き込む力があるのは、本当にすごいと思います。

そして、エンディングに流れるフレディ・マーキュリーの「The Great Pretender」。これには驚きました。クラシックなジャズソングが、モダンなアニメ作品にこれほど自然に溶け込むなんて予想外でしたが、この選曲が作品のテーマである「欺瞞」を強く打ち出しているんですよね。フレディのアイコニックな歌声がアニメの終わりを飾るたびに、何とも言えない満足感に包まれます。

挿入歌の「Brand New Bang」も印象的です。YVYとra'zのコラボによるこの曲は、アニメの多様なキャラクターや展開に合わせた、ちょっとエキゾチックな雰囲気が漂っています。全体的にこのサウンドトラックは、ジャズの要素を取り入れつつ、欺瞞や裏切りといったアニメのテーマを見事に表現しているのが特徴です。

やまだ豊の多様な音楽スタイルが詰まったこのアルバムは、アニメを観るだけでなく、音楽としても楽しめる一枚だと思います。『GREAT PRETENDER』をまだ観たことがない人にも、まずはこのサウンドトラックを聴いてみてほしい。きっとそのスタイリッシュなサウンドに魅了されて、アニメの世界観に入り込んでしまうこと間違いなしです!

④ Yuji Ohno & Lupintic Six
- THEME FROM LUPIN Ⅲ 2019~classical piano ver.

「THEME FROM LUPIN Ⅲ 2019~classical piano ver.」を初めて聴いた時、すぐにその魅力に引き込まれました。長年愛されてきた『ルパン三世』の象徴的なテーマ曲が、大野雄二と彼のバンド「Yuji Ohno & Lupintic Six」によってクラシカルなピアノスタイルで再解釈されたこのバージョンは、まさに新しい息吹を感じさせる一曲です。

ピアノの優雅なフレージングがこのテーマを一層引き立てており、メロディーの美しさやハーモニーの深さが際立っています。ピアノの鍵盤を軽やかに駆け抜ける音が、ルパンの大胆でスマートなキャラクターそのものを描写しているようで、その動きが目に浮かんでくるのです。また、曲の中で繰り広げられるダイナミックなコントラストが、クラシカルな要素を取り入れながらも、原曲のエネルギッシュなスピリットを忘れさせない工夫が素晴らしい。

さらに、このバージョンにはFujikochan'sというコーラスグループが参加していて、彼女たちの声が曲に豊かな奥行きを与えています。特に佐々木久美さんやTigerさん、佐々木詩織さん、そして稲泉りんさんといった実力派メンバーのコーラスが、ピアノのメロディに繊細で優雅な色彩を加えてくれます。このコラボレーションは、楽曲に一層の深みをもたらし、リスナーを新たな音楽体験へと導いてくれるのです。

ルパンのテーマがクラシカルなアプローチでこんなにも新鮮に蘇るとは驚きで、昔からのファンはもちろん、新しいリスナーにとっても聴き応えのある作品に仕上がっています。長年親しんできたメロディーが、新しい解釈を得てまた一段と輝きを増しているのを感じ、この楽曲を聴くことで、ルパン三世の魅力が再確認できました。

⑤ The Seatbelts - Tank!

『カウボーイビバップ』のオープニングテーマ「Tank!」を聴くと、いつもそのエネルギッシュなサウンドに圧倒されます。菅野よう子が作曲し、シートベルツ(The Seatbelts)が演奏するこのインストゥルメンタルは、ジャズの魅力を存分に感じさせる一曲です。最初のホーンセクションが響いた瞬間、グッと心を掴まれ、スリリングでダイナミックな音の世界に引き込まれる感覚がたまりません。

「Tank!」は、アップテンポなリズムとリズミカルな構成が特徴で、アニメ『カウボーイビバップ』の冒険的でスタイリッシュな雰囲気にぴったり。曲が始まると同時に、まるでアクションシーンが目の前で繰り広げられるような躍動感を感じます。この曲が流れると「これから何かが始まる!」というワクワク感が沸き上がり、自然とテンションが上がります。

シートベルツは、ジャズだけでなくブルースやロックの要素も取り入れたバンドで、彼らの演奏はまさに圧巻。菅野よう子とのコラボレーションによって生み出されたこのサウンドは、アニメファンだけでなく音楽好きにも愛される理由がよくわかります。「Tank!」は、聴くだけで『カウボーイビバップ』の世界に浸れる、そんな力を持った一曲。アニメの象徴的なトラックとして、長く語り継がれていく作品だと思います。

アクション満載のシーンやスリリングな展開を見事に彩る「Tank!」。この曲を聴くと、いつでもスパイクたちの冒険に参加している気分になります。やっぱり『カウボーイビバップ』にはこの曲がなくちゃ始まらない!

今日紹介した5曲は、ジャズがアニメに与える力強さや深みを改めて感じさせてくれました。まず、TRI4THの「DIRTY BULLET」は『博多豚骨ラーメンズ』のエンディングで、エネルギッシュでダークなサウンドが作品の緊張感を高めています。次に、岩崎太整の「Catch Me If You Can」は『血界戦線』の劇中歌で、追跡や逃避のテーマをリズミカルに表現し、物語にスピード感を加えます。

『GREAT PRETENDER』のオープニングテーマ「G.P.」は、やまだ豊によるジャズを基調とした楽曲で、視聴者を一気に作品の世界に引き込むエネルギーを持っています。そして、『ルパン三世』の「THEME FROM LUPIN Ⅲ 2019~classical piano ver.」は、クラシカルなピアノアレンジで長年のファンにも新鮮な魅力を提供しています。最後に、菅野よう子の「Tank!」は『カウボーイビバップ』のオープニングで、リズミカルなジャズとダイナミックなサウンドが視聴者を冒険の世界へといざないます。

これらの曲は、それぞれのアニメに独自の深みを与え、視聴体験をさらに豊かにしてくれる特別な存在です。ジャズが映像と共鳴し、物語をさらに引き立てるその力を、改めて感じることができました。

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