設定推測手法覚書 4.ぶどう逆算編
メイン小役確率の逆算
小役確率の逆算ツール。
というものがありますね。
「履歴打ち」(昔は無かった言葉のように思います)をする際に、あるいは店の設定状況の推定精度を高める為に使われますね。
そのほとんどがジャグラーのメイン小役のぶどうを対象にしたものかなと思います。
稀にハナハナ。
今回はその小役確率の逆算の式の建て方についての備忘録です。
その本題の前に。
「ぶどう逆算は精度に欠ける」とか「そもそもぶどうを数えて意味があるのか」とか多事争論ですが、多少なりとも意味が有ると感じる人はしたほうが良いし、そうでない人はしなければ良い程度の話かなと思います。
その上で言うと、「他の小役のヒキと取得率によって逆算されるぶどう確率は変化してしまう」のと「逆算されたぶどう確率が正しくてもぶどう確率自体も荒れる」のは認識した上で、ぶどう確率と逆算ぶどう確率にどの程度重きを置くかは個人の価値観と経験則という事で。
という事で本題。
まずは元となる式を作るための考え方から
獲得枚数(OUT)-投入枚数(IN)=差枚数
OUT部分を分解して
獲得枚数(ぶどう以外+ぶどう)-投入枚数=差枚数
なので
ぶどうでの獲得枚数=差枚数+投入枚数-ぶどう以外の獲得枚数
ぶどうでのOUT÷8=逆算ぶどう回数
ゲーム数÷逆算ぶどう回数=逆算ぶどう確率の分母
当たり前と言えば当たり前の事をくどくどと書きましたが、差枚数、使用枚数、ぶどう以外での獲得枚数が分かればぶどう確率が逆算出来る事がわかります。
◆差枚数
台のデータ機器単体でわかる場合もありますし、インターネットのデータサイトで正確にわかる場合もありますね。
グラフしか見れない場合は「大体これくらい」と当たりをつけて計算する事になりますが、その場合ある程度幅を持たせて逆算したいので、自作する場合は同じゲーム数、ボーナス確率で何通りかの差枚数を入力出来るか、あるいは◯◯枚〜◯◯枚と入力できる様に作っておくと何度も入力し直す手間が省けて良いでしょうね。
◆使用枚数
単純にゲーム数×3ですね。
尚、1枚がけの場合も×3回でゲーム数が1進むので、使用枚数自体のズレは生じないと思われます。
ですが、1枚がけ時の問題なのかデータサイトで見る場合と台のデータ機器で見る場合で微妙にゲーム数が違ったりします。
それは都度対応ですね。
また1枚がけで進んだゲーム数を考慮しないと逆算ぶどう確率の正確な分母が出ませんが、そこまで極端にずれる訳でも無いので、無視する人は無視。
そうでない方は最後に逆算ぶどう確率を出す時に使うゲーム数からボーナス回数÷3とリプレイとぶどう抜きを考慮して加算した数字をマイナスしましょう。
◆ぶどう以外の獲得枚数
これは考えることが色々ありますので、自作される場合は好みに合わせて色々試してください。
マイジャグラーVの場合、小役のリプレイ、チェリー、ベル及びピエロとボーナス2種について計算します。
まずはリプレイ。
これは1/7.30とされているので、ゲーム数÷7.3回リプレイを引いたものと仮定して計算します。
1000ゲームなら136.99回3枚役を引いて、およそ411枚リプレイで払い出されたものと仮定します。
リプレイは実際にはメダルとして払い出される事はありませんが、計算上は3枚役という事で。
続いてチェリー。
マイジャグラーVはボーナス非重複チェリーにもボーナス重複チェリーにも設定差があるので、確率の設定の仕方に若干好みが出ます。ぶどう以外の小役確率を悪く仮定すればするほど、ぶどうの逆算値が良い方に出てしまうので、個人的には厳しめに出るように高設定の1/35ほどに設定しています。
実際には計算してみると払い出し2枚のチェリーくらいじゃ思ってるより大差は出ないんですけどね。
また、フリー打ちと小役狙いの2通りで計算する場合はフリー打ちを小役狙いの2/3くらいの確率に設定すればオッケーですが、純然たるフリー打ち派の人ってそんなにいないような気もします。
チェリーを狙わずに7を狙う派の人の事を考えたら、更に悪く設定しても良いのかもしれません。
次にベルピエロ。
これは取得しながら打ってる人はあんまりいないので無視してもいいのかなとは思いますが、気になる人はフル攻略バージョンも作ってみると良いかもですね。
確率はベルもピエロも1/1024です。
続いてボーナスです。
ビッグボーナスは240枚小役、レギュラーボーナスは96枚小役として考える感じです。
さて、ここからが好みの問題です。
いつ揃えるのか、ぶどう抜きはするのか、チェリー重複はどうするかです。
先告知ゲームではそのまま揃えるとすると、単純にそれぞれのボーナス回数にそのまま枚数をかければ良いのですが、ジャグラーは後告知メインです。
よってボーナスの3/4は1枚余計に消費する事となりますので、ボーナス獲得枚数から0.75枚引いて計算する。という考え方になります。
(尚、生入りについては無視した方が良い気がします。)
つまりビッグボーナスは239.25枚小役、レギュラーボーナスは95.25枚小役とします。
で、ぶどう抜きなんですが、これ詳しい式は省くとして、きちんとぶどう抜きすると、その0.75枚消費が0.1〜0.15枚消費くらいに抑えられるはずですが、それを考慮するかは好みなのかなと。
試行回数も少ないので当然荒れますしね。
最後にチェリー重複ボーナスを引いた分のチェリー払い出しをどう計算するかですが、私としては無視して数字だと思っています。
計算上加えたい人は加えてもいいですが、なにしろ設定⑥でもトータル1/400くらいで2枚とかなので、別に……という感じはします。
ついでに言うとジャグラーシリーズはハッピーのような例外を除いてはボーナス優先制御のため、フリー打ちで種ありチェリーの払い出しを受けられるのは、種無しチェリーの場合の2/3(14コマ/21コマ)から更に下がって、1/3(7コマ/21コマ)になります。
チェリーを蹴って7を引き込んでしまう、あるいは枠内に7があるのでチェリーを引き込まない場所が計7コマあるという事ですね。
応、付記しておくと設定1の場合の場合でBB全体の20%でチェリー重複、15%でレア役重複(小役狙いでチェリーの払い出しが受けられるのは概ねその16/36)、RB全体の32.5%です。ので気にしなくも……と思っています。
というところでようやく逆算ぶどうの計算式です。前置きが長い。
差枚数+ゲーム数×3-(BB回数×239.25+RB回数×95.25+G数×(3×1/7.3(リプレイ分)+2×1/35(チェリー分)))=ぶどうでの獲得枚数
ゲーム数÷(ぶどうでの獲得枚数÷8)=逆算ぶどう確率
と、これがスタンダードな感じのぶどう逆算の計算式となるはずです。
これに各自の好みでカスタマイズしていく感じでしょうか。
お疲れ様でした。
自分が使ってるぶどう逆算シートは現在こんな感じですが、しばらくちょこちょこといじり続けています。
いつになっても完成した気がしない。
尚、逆算したぶどう確率の誤差が概ねどの範囲に収まるのかも計算で出せますが、それを求めるには今度は標準偏差がどうのとか言ってきますので若干めんどくさいですね。