![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98709352/rectangle_large_type_2_c7da4485426a11a7654d6ce37f5f6a17.png?width=1200)
♥ 小説の予定調和について ♥
今野一雄訳:ルソー『エミール』より
**********************************************************************************
人間を社会的にするのは彼の弱さだ。
足りないものが何もない者は他の人を必要としないから、他の誰かを愛することもできない。だから幸福にもなれないと、18世紀の思想家は言う。苦しみや悲しみという「みじめさ」の中で人は他者を求める。単なる「必要」は「利害」で人を結びつけるが、「みじめさ」は、同情でも羨望でもなく「愛情」によって人を結びつける。
**********************************************************************************
黒豹コメント:
ある作家の先生が、小説の主人公には、
ある種のハンディを持たせた方がいいと話しておりました。
人は皆、何らかのハンディを背負って生きている
確かに、最初にハンディを明確にし、それを克服していくというストーリーはリアリティもあり、面白いと思います。
ただここには、落とし穴もありそうです
私は、若者の成長譚をよく書きますが、
「予定調和」と酷評されることもあります。
ただこの「予定調和」が、
小説の構造として功を奏するケースがあります。
ビジネス用語の「バックキャスティング」と同じように、
最初にエンドの展開を決定する小説もあるのです。
但し、序・破・急が成立することが絶対条件。
小説は本当に難しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。