小説【夢の華】③
あの日、
いやあの瞬間から姫は、自由に羽ばたいた。
そして、姫はアパート出て緑愛ちゃんとルームシェアして今は暮らしている。
俺は、
姫ちゃんと正式な恋人になり
周りの協力の元、笑い合える毎日。
1年あっという間にすぎ…
2回目の記念日。
優斗 『よっしゃ!今日の仕事終わった~!
まだ間に合う♪』
俺は、時計を見る。
午後9時半、姫を迎えに急ぎで向かう。
今日は、初めて俺の家に姫が泊まる。
なんだか嬉しいような、怖いような感覚がある。
冷静に落ち着いて言おう!
深呼吸をして車を走らせる。
30分後。
インターホンをおすと
緑愛 『はい』
優斗 『俺!』
緑愛 『あ、オレオレ詐欺師の方ですか?笑
うちは間に合ってますので失礼します笑』
優斗 『あ、これは失礼しました…
って、おい!(´Д`)
違うだろ!(笑)』
緑愛 『違うのか、おかしいな~(笑)』
そう言いながら、ドアを開ける。
優斗 『なぁ緑愛、毎回よく飽きないね(´Д`)』
緑愛 『優斗さんも毎回ノッて頂いてありがたいですw
姫は、ただいま準備中だから座って待ってて下さいなー』
優斗 『おう、ありがとう♪』
5分ぐらいすると、部屋から姫が出てくるといつもより可愛い服で登場して来る。
姫 『おまたせ~』
見とれる俺に
緑愛 『優斗さ~ん?』
優斗 『あ、わりぃ(°д°;;)
行こうか、姫♪』
姫『はい♪』
姫の荷物を持ち、玄関をでる。
優斗 『じゃ、車まわして来るから!
あと、緑愛くん。
戸締まりしっかりして何かあれば、警察と俺たちに連絡しろよ!』
緑愛 『はい、はぁい!
わかったから、ちゃっちゃっと行く』
優斗 『お前だって俺たちの大切な…』
姫 『仲間なんだよ?♪』
いい加減に出て行かない俺たちを緑愛は、笑って押し出した。
1週間ぶりに姫の笑顔に
俺は、ドキドキが止まらなかった。
姫 『なんだか、照れるね(^^)』
優斗『そーだな、、』
俺の家に向け車を走らせる。
車の中でお互いの1週間分の出来事を話す。
仕事の事、緑愛の事、テレビの事。
赤信号で…車が止まり窓をあける。
道路の反対側に見覚えのある男がいたように見えた…
優斗 『れん…』
姫 『ん?』
いや、俺の見間違いだ!
信号が青に変わり車をだす。
優斗 『いや、なんでもねぇ~』
姫 『変な優斗さん(^^)』
優斗 『さんはつけるなって何べんも言ってるだろ~』
姫 『でも…』
優斗 『でもはなし、ってか到着!』
荷物をとり部屋に入る。
やっぱり、さっきのは橙士に似てた気がして不安になる。
俺は姫を守るって決めた。
大丈夫だ、大丈夫。
不安をかき消すように目の前の姫の背中を抱き締める。
姫 『優斗・・・さん?』
優斗 『姫、俺たち一緒に暮らさないか…?』
姫 『え…』
優斗 『まだ、怖いか?』
姫 『ううん、怖くない…ただ、
嬉しいの。
私…優斗さんの』
優斗 『優斗って呼べよ…』
姫の身体が熱くなってくる。
姫 『優斗のやくに立ちたいだから・・・・
一緒....そばにいたい』
俺はポケットから今日のために作ってた部屋の合鍵を渡す。
姫『合鍵…ありがとう♪』
姫の目から大粒の涙が溢れてる。
優斗 『泣くなよ、姫(^_^)
こちらこそあんがとな…俺が次の休みに引っ越ししよ。
だからちゃんと荷物まとめておけよ、姫』
姫を振り向かせておでこをくっつけ
姫は恥ずかしそうに目をそむけた。
姫 『近いよ、優斗…』
優斗 『わりぃと思ってるけど、やめないよ。
姫、愛してる…』
俺は、激しく姫と唇を重ねて…
ベッドにたおれこむ。
姫 『優斗…』
優斗 『理性がぶっ飛びそうなぐらい…』
姫 『優しくしてね…』
優斗 『いいのか?』
姫は、うなずくと目を閉じた。
そして俺たちは、初めてお互いの身体にふれあい…愛を確かめあった。
橙士『姫、どこに隠れてるんだ…』
目が覚めると…隣には、俺の腕の中でぐっすりと眠る姫。
俺は、体制を変え…包み込むように抱き締めおでこにキスをした。
姫 『ん…スゥ~』
寝息をたてる姫をギュッとして
いつまでもこの幸せを噛みしめた。
その時、俺の携帯がなる。
着信・緑愛・
起こさないようにベッドからおり電話をとる。
優斗 『もしもし、緑愛?
どうした?』
緑愛 『今、姫は?』
優斗 『寝てるケド…?』
緑愛 『伝えたい事があるんだ、いい?』
電話を切りベッドに戻ろうと振り替えると
姫 『おはよう(/-\*)』
優斗 『おぅ、おはよう!』
姫 『なんで動揺してるの?』
優斗 『し、してねぇよ』
姫 『本当?
電話は、緑愛だった?』
優斗 『緑…マネだった!
曲の事での電話(^_^;)』
俺は、焦りを誤魔化すようにキスをして
優斗 『腹へったな!
飯食いに行こうぜ~姫♪』
姫 『う、うん』
身支度をすませ、出かける。
飯食って…映画見て
カフェに寄り道する。
冬弥 『優斗さ~ん(^_^)/~~』
優斗 『おう、冬弥に緑愛!』
姫 『珍しい二人に遭遇した!』
冬弥 『奇遇だね~、そっちはデートだよね(^^)
こっちもデートみたいなもんさぁ』
緑愛 『デートなの?』
冬弥 『あいや、違うの?』
優斗 『いや、立派なデートだろ、なぁ…姫?』
姫 『お互いのどちらかがデートだと認識して出かけるのはデートかも♪』
一緒に相席をして話込む。
姫 『ちょっとお手洗いに行くね。』
緑愛 『一緒に行こう』
女性が二人、席をたつ。
冬弥 『はい、これ』
優斗 『おう、悪いな!』
冬弥 『気にしないで下さい、俺も緑愛さんと出かけられてラッキーでしたから(^^)』
優斗 『お前も頑張れよ♪』
緑愛 『何を頑張るの?』
優斗 『色々!』
緑愛 『勉強とか勉強とか勉強とか?』
優斗 『勉強しか言ってないから!(笑)』
緑愛 『冬弥くん、行こうか♪?』
冬弥 『はい!』
優斗 『話を誤魔化すな~!(笑)』
緑愛 『姫、あとでね(^O^)』
姫 『うん、楽しんで来るし…二人も楽しんでね(^_^)』
2人と別れ俺たちは駐車場へと向かうために人込みへ。
橙士 『姫!!』
突然の叫び声がした。
橙士は走り近づいてくる。
優斗 『姫、車まで走って乗り込んだら鍵閉めろ…』
姫 『でも、ゆう…』
優斗 『早く行け!』
姫が走るのと同時に
俺は、帽子とマスク、サングラスをとり
優斗 『サプライズで一曲歌います♪』
大声を出す。
すると周りに野次馬が集まってきた。
優斗 『~思ったより悪い世界じゃない~♪
あなたの笑顔が愛おしいと感じたあの日から~♪』
野次馬 『きゃ~優斗じゃん!』
野次馬2 『まじ、カッコイイ♡』
どんどん集まって来る人だかりに橙士は足を止めた。
そして苦虫を噛んだ顔で俺を睨んでいる。
優斗 『みんな~集まって、聞いてくれてありがとう!
また、CD出るから買ってね!
本当にありがとう(^_^)/~~』
野次馬を掻き分けながら走り去る。
その時にはすでに橙士の姿はなかった。
何で何でだ?
もう、見つかるなんて!
悔しさと怒りで俺は、立ち止まり叫んだ!
優斗 『くそー!ふざけんな!!!!!』
姫は絶対に今不安がってる…
急いで車に戻ろう。
また走りだして駐車場の車にかけよる。
優斗 『姫!』
姫は、一瞬ビクッとして顔をあげる。
姫 『ゆ・・・・うと?』
優斗 『姫、大丈夫か?』
姫は鍵を開けて俺は車に乗り込む。
すぐに抱きしめる…
そしてキスをして
震えた姫を落ち着かせる。
姫 『優斗こそ・・・・
大丈夫だった?』
優斗 『大丈夫だよ、俺は。』
姫『本当?何かされなかった?』
優斗『何にもされてない、っていうか…近寄る前に対策をしたから大丈夫。』
姫『対策…?』
優斗『そう、対策♪
運転しながら話すよ!』
姫『うん…(^_^)』
車をだして、移動した。
優斗『話してる間に今日、一番にきたかったとこ着いたよ!』
メイン会場に到着。
姫『ココって…?』
優斗『いいから♪いいから♪』
姫 『誰かのライブ?
ライブハウス響って書いてあるけど…』
不思議そうな顔で俺を見つめる姫に
笑顔で誤魔化して…
中に入り真ん中の席に座らせる。
姫 『優斗、誰もいないよ?』
優斗 『ちゃんと話すからちょっと…トイレ♪』
姫 『わ、わかった。』
姫を残し…俺は走る。
-続く-