【小説】夢の華⑤
‐次の日‐
病院の先生『・・・・
・・・・妊娠・・・・
してないですね。
ちゃんと規則正しい生活をしてますか?
ホルモンバランスが乱れておくれてるだけですね。』
姫の検査、結果を知らない俺は、
今…テレビカメラの前にいる。
優斗 『突然、沖縄のテレビカメラをお借りしてすみません!
どうしても、伝えたくてこの場に居ます!
事務所のスタッフやマネージャー、社長、勝手にごめん。
そしてファンのみんな、びっくりするかもだけど、ちゃんと理解して応援して欲しい!
俺が伝えたい事
【今、大好きで守りたい女性がいます】
前に報道された人です。
あれは、イタズラだと事務所は公表したけど…
事実は、違う。
あれは、彼女の別れた男がやった嫌がらせでした。
ずっと以前から彼女に対してDVをしてて
俺と彼女の親友で警察につきだしたから
腹いせにファクス送り、俺が彼女から離れた隙に
・・・・・・・・・
彼女を脅して、無理矢理この沖縄に連れてきてます。
昨日、彼女と会って話しました。
気持ち確かめあって…
お互いにまだ愛してるってわかったから
今から彼女を連れ戻しに行きます!
誰に何を言われても、もう二度と彼女の手を離さずに守って幸せします!
姫、見てるか~?
俺、覚悟した!
だから、もし俺を信じてくれるならついてきて欲しい(^O^)
今、行くからー!!』
俺は、走りタクシーに飛び込んだ。
優斗 『○○産婦人科まで急いで下さい!』
姫、愛してる・・・
(産婦人科の待合室のテレビ)
姫 『優斗…ありがとう』
優斗 『姫!』
タクシーを飛ばし、産婦人科に着くと待合室で一人待っていた。
姫 『優斗!』
人の目もはばからずに抱きしめ、キスをする。
姫 『私、優斗と行く!』
その言葉に俺は、姫の手を引きまた走り出す。
そのままホテルの部屋に行き…激しく口を重ねてお互いを求め合う。
優斗 『姫、もう離さないから…』
強くアザをつけて印を残す。
どれくらい時間がたっただろう。
目を開けると…姫は笑って俺を見てる。
優斗 『いつから見てたんだよ』
姫 『五分ぐらい前から。。』
優斗 『起こせよな(照)』
(着信)
優斗 『はい』
緑愛 『やっと出た、何してくれた?(笑)
行動起こすなら一言、相談してよね!』
優斗 『わりぃ♪』
緑愛 『で、私達は何したらいい?』
優斗 『物分かりいいね♪
まず、姫のお母さんの安全確保したい!』
緑愛 『もう、確保済み!』
優斗 『オッケー(≧ω≦)b』
電話を切る。
姫のお母さんに連絡を取り、すべての真実を告げ一足先に東京の安全地帯へいってもらった。
姫の荷物をもってきた緑愛と食事をする。
緑愛 『仕事、すっぽかしていいの?』
優斗 『ちゃんと連絡したから大丈夫!
って、今回の事を含めて今日は大人しくしてろ!って怒鳴られた(笑)』
緑愛『本当に突発的で困るよ(^O^)』
何気ない会話をしてると…
姫 『二人に話さないといけない事があるの…』
うつむきながら、姫は続けた。
姫 『これ…
私の体内に入ってた、発信器。
あの日、これがあるから、居場所がバレたの』
緑愛 『体内に埋め込んでたって事?』
姫 『うん、半年前…アイツを説得して‘結婚して逃げれないように子供を作るなら取り出していい’って言われたから条件をのんだ。』
緑愛 『これ…今も機能してる?』
姫 『多分・・・・』
優斗 『これ、使える!…姫、ありがとう♪』
俺たちは、早めに食事を終えて部屋に戻る。
‐3日後‐
俺たちは沖縄から東京へ戻り…
マスコミに対して記者会見を開いた。
もちろん、姫も一緒に。
緑愛も駆けつけてくれた。
いよいよ、本番。
優斗 『え~この度は、お騒がせしてすみませんでした!
俺、ファンのみんなに嘘をつき続けたくなかったし、彼女の存在を認めて欲しかった。
そして、俺自身も素直になるための行動でした!』
記者A 『あの放送は、事実なんですか?!』
記者B『二人は結婚を考えているんですか!?』
マスコミは一度に話はじめ、終始がつかなくなる。
その時。
橙士 『ひめ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!』
ものすごい勢いで橙士は走ってくる。
俺はとっさに姫をかばうように抱きしめる。
ズキッ。
鈍く固い何かが
俺に突き刺さる。
くそっ、いてぇー
負けてたまるか~!
優斗 『・・橙士、こんな事でお前の気持ちは、はれたのか?
…っつ、はれないよな…
いつまでたっても
苦しいだけだよな・・・・』
俺は、固い何かを身体から引っこ抜き、投げ捨てる・・・・
振り返り、気が動転してる橙士に近づく。
姫 『優斗、動かないで、血が・・
・・血が止まらなくなる!!!!!!』
優斗 『姫、大丈夫(^O^)
俺は…丈夫にできてっから・・・・』
橙士 『っ!!来るな、俺に近寄るな!』
優斗 『お前も苦しかったんだよな、大丈夫・・・
もう、誰も橙士を傷付けないし、怒らない。
素直に笑えるから........』
橙士 『お、、おれに、優しくするなっ』
大声で泣く橙士の手をギュッとにぎり
優斗 『こんな風に人を愛する事を…っつ、
教えて....くれ.....
て.....
あ・・・・りが・・・・
とう・・・・・な...
....』
薄れていく意識の中で、橙士の声が聞こえた。
‘ごめんなさい’と。
そして、意識を失う。
姫 『ゆうとぉ~!!!!
目を開けて!!!!』
緑愛 『もしもし、救急車を一台!!!
人が刺されて出血か止まらないんです!
急いで下さい!』
これは夢?
姫、なんで泣いてるんだよ?
‘優斗、ごめんね。
私には笑顔になる資格ないの・・・。
そんな風に思ってたずっと。
でも、優斗に逢えて
こんな私でも笑っていいんだって
幸せになったり、守られたり、信じるって大切なんだって教えてくれた気がするの(^^)
優斗、ありがとう♪
だから、早く起きて私にキスして【愛してる】って言葉をきかせて?’
姫…。
緑愛 『姫、目を開けたよ!』
姫 『優斗、、、私がわかる?』
優斗 『ひ...め...』
姫『そうだよ。。。。』
緑愛 『先生、呼んでくる!』
姫 『良かった、良かったよ…』
優斗 『ひめ、
あいして...
るよ♪』
姫 『こんな時まで、無理してしゃべらないで…』
優斗 『むりじゃない、つたえたいから....
つたえた
ただ、、、、それしかない。』
姫 『ありがとう…』
優斗 『おれは、だいじょうぶだから。
もう、、
なかないで。。。』
ただ、ただ泣きじゃくる姫の手を強く握りしめた。
それから、周りの人も集まり、怒られたけど
自分がした事に後悔はない。
橙士はあれから、
心壊れ
子供になり…
今までの記憶や俺たちを忘れてしまっていると警察から連絡がきた。
姫を愛したり守ろうと頑張って空回りしただけなんじゃないかと、今は思う。
それでも橙士がした事は正しかったとは言えない。
-半年後‐
姫 『優斗、おはよう』
当たり前の朝がやって来る。
優斗 『おはよう、姫♪』
俺たちは見つめあい、キスをする。
姫 『朝ごはん、準備するね♪』
ベッドから起き上がりキッチンへ
向かう姫を呼び止めて
優斗 『姫?
これからもずっとそばにいろよ?♪』
照れながら笑う、姫を見て俺も笑う。
優斗 『よっしゃ!
今日も1日頑張ろう!』
この先、どんな事があっても
この幸せを
当たり前にするために。
-続く-
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