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車の自動運転やスマート農業など暮らしに役立つ、日本版全地球測位システム(GPS)7基体制へ
日本版GPS「みちびき」システムの進展
1. みちびきシステムの概要
目的: 日本独自の高精度な測位システムの構築。
開始: 2018年に4基体制で運用開始。
構成:
準天頂軌道上の3基(日本上空を「8の字」軌道で周回)。
静止軌道上の1基(常に日本上空に位置)。
2. 現状と課題
位置情報の精度: 高層ビルや山間部でも安定して測位可能。
他国のGPS衛星の信号を補完して数メートルの誤差を実現。
専用受信機を使うことで「数センチメートル」の精度も可能(CLASサービス)。
課題: 現在は4基体制で、常に日本をカバーする衛星が最大2基。
他国の測位衛星に依存するため、故障時のリスクが懸念される。
3. 7基体制の構築
打ち上げ計画:
2024年2月: 準天頂衛星「みちびき」6号機をH3ロケットで打ち上げ。
2025年度: 5号機と7号機を打ち上げ。
2026年度: 7基体制が完成し、独立した高精度測位が可能に。
期待効果:
24時間、安定した高精度測位を提供。
安全保障上の強化。
4. 活用分野と実証実験
スマート農業:
例: 北海道大学の野口教授が開発するロボットを使った栽培システム。
自動運搬、農薬散布、草刈りなどの自動化を実証中。
7基体制で精度がさらに安定すれば、実用化が進む。
ドローン:
コア社がCLAS対応の小型受信機やドローンを開発中。
測量、物流、地形計測などに高精度飛行制御を活用。
その他の活用例:
自動車や除雪車の自動運転。
船舶の自動離着岸。
視覚障害者の歩行支援。
5. 未来の展望
高精度測位システム:
6号機以降、専用受信機を使わず1メートルの測位精度を提供可能。
新しいサービスの創出や普及が期待される。
長期計画:
宇宙基本計画では2030年代後半に11基体制を目指す。
故障時のバックアップ強化や利用可能地域の拡大。
6. まとめ
「みちびき」7基体制は日本独自の高精度測位を実現し、自動運転やスマート農業などさまざまな分野での活用が期待される。
国の宇宙政策として、さらなる測位精度の向上と産業・生活への貢献を目指している。以上、日経新聞よりまとめてみました。
☆私の考え方
日本の準天頂衛星システム「みちびき」の完成は、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。高精度な位置情報を提供するみちびきは、様々な分野で革新的なサービスを生み出し、より安全で便利な社会の実現に貢献することが期待されます。
特に、スマート農業、ドローン、自動運転といった分野への応用は注目されています。スマート農業では、みちびきを活用した高精度な位置情報に基づき、農作業の自動化や効率化が進み、食糧生産の安定化に貢献することが期待されます。また、ドローン分野では、高精度な飛行制御により、インフラ点検や測量、物流など、幅広い分野での活用が期待されています。さらに、自動運転分野では、みちびきによる高精度な位置情報が、より安全でスムーズな自動運転の実現に不可欠な要素となります。
みちびきの活用は、これら以外にも、様々な分野に広がることが予想されます。例えば、災害時の避難誘導や、視覚障害者の歩行支援など、人々の安全・安心な生活をサポートする上でも重要な役割を果たすことが期待されます。
さらに、AIやIT技術との融合により、みちびきの可能性は大きく広がります。例えば、AIを活用したリアルタイムな交通情報分析や、IoTセンサーと連携した環境モニタリングなど、より高度なサービスが実現する可能性があります。
みちびきの完成は、日本の社会をより豊かで便利なものにするだけでなく、世界全体の発展にも貢献することが期待されます。高精度測位技術は、様々な課題解決に役立ち、より良い未来社会の実現に貢献する可能性を秘めていると思います。