30_セイバーメトリクス

事業会社でデータ分析の仕事をしています。 将来高校野球や中学野球でデータ活用が進む仕事…

30_セイバーメトリクス

事業会社でデータ分析の仕事をしています。 将来高校野球や中学野球でデータ活用が進む仕事をしたいと思ってます。 科学的根拠で示されており、導入しやすいデータを共有したいと思っています。

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データで野球の常識疑ってみる

まずはこの論文を読んでみてほしいです。 東京体育学会 『野球打撃前に行う加重したバットでの素振りが バット速度と正確さに及ぼす影響』 http://tokyo-taiikugakkai.jp/wp-content/uploads/No4-3.pdf 常識を疑う 私自身も野球をやっていたので、 ネクストバッターズサークルでマスコットバットを振って、次の自分の打席に備える。 ↑これが当然のことで、疑う余地もなく寧ろこうした方が自分にとっていいことだと思っていました。

    • バットの芯でとらえる練習

      今回の論文はこちら 2024年に公開されている新しい論文です。 バットの芯でとらえることの重要性 2024年から低反発バットが導入されました。 その影響を大きく受けた結果の一つとして、 夏の全国高校野球選手権大会では 本塁打数が『7本』と木製バットを使用していた頃と同程度に減少したとのことです。 低反発バットは何が変わったのかというと、 最大直径67cm→64cm 肉厚が約3mm⇨約4mm になり反発性能が抑えられています。 ※肉厚が厚いほど反発しないんですね。初めて

      • 投球後のクールダウンの目的は何か

        今回の論文はこちら 目的を理解して行う 今回紹介の論文は、 高校野球ではよく見られる2日間の連投を想定したとき、投球後のクールダウンでアイシングをすることと軽運動(セラバンドを用いて肩関節外旋・内旋運動)をすることでどのような差があるかを調査したものです。 調査結果をみると、 軽運動を実施した方が肩関節可動域と肩関節周囲筋力の低下を抑制したようです。 ただし、この調査においてはほぼ毎日投球練習を行っている高校球児という条件もあります。 (こういった条件は無視してはいけま

        • ノックの時間と守備力の関係

          今回の論文はこちら 練習時間は長ければ長いほどいいのか今回の論文では、 内野手のノックの時間と捕球・送球の関係性について述べられています。 5分間を1セット、1分間の休憩を挟みながら60分間ノックを続けると後半は判断力の低下と筋疲労が原因でパフォーマンスを低下させ、かえってスキルの混乱を生むという結果を示しています。 ノックを多く受ける目的は、正確な動作を身につけることやそれを安定して再現できるようになることにあると思います。 ただ、同じ動作を繰り返し続けることで筋疲

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        データで野球の常識疑ってみる

          四球と勝利の関係性

          今回の論文はこちら なぜ選球眼が大切かプロ野球に精通している方は、阪神岡田監督により四球の数を年俸の査定の1つのポイントにしたことをご存知かと思います。 論文では、2022年のプロ野球の年間データを用いて、『奪った四球の数と勝利数』に強い関係があることを示しています。 つまり、四球を選ぶための選球眼はチームの勝利に繋がるということです。 データを根拠にすること岡田監督はこのようなデータを根拠に冒頭述べた年俸の査定ポイントとして言及されたものと推測しますが、改めてデータ

          四球と勝利の関係性

          効果を理解してトレーニングできているか_素振り

          またはこちらのリンクから https://www.baseballscience.net/%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%AA%8C/2020/ 論文の内容 まずは上記の論文を読んでみてください。 (お時間ない方は以降の内容をご覧ください。) こちらの論文は、普段使用しているバットを用いて思い切り素振りの練習をすることで、スイングスピードは上がるのかを検証している内容になります。 結果は、3週間上記の練習をしたグループとそうでないグループのスイングスピードに

          効果を理解してトレーニングできているか_素振り

          結局ベースはどっちの足で踏んだらいいの?

          現時点でも正解は出てるのか?と議論が行われているベースランニングにおいて、右足と左足どちらで踏むことが速いのかという話、以下論文を拝見しました。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspeconf/42B/0/42B_756/_pdf/-char/ja この論文をみた個人的な感想 ・データを根拠にいずれの足で触塁した方が速く回れるかという話がこんなにも前(この論文は1991年)から検証されて、今もなお議論をされていることに驚き。

          結局ベースはどっちの足で踏んだらいいの?

          データが今までと真逆のことを証明する_軽いバットがもたらす影響

          以前こちらの記事を書きました。 打席に入る前のネクストバッターズサークルでは、マスコットバットを振って備えることが当たり前だと思っていました。 しかし、それをデータで見てみるとマイナスの影響を与えているというものでした。 今回もその記事に関連する内容です。 以下の記事をご覧ください。 https://www.osaka-taiikugakkai.jp/journal/vol50/50_Urata_47-52.pdf データが示していることこの論文でデータを基に示して

          データが今までと真逆のことを証明する_軽いバットがもたらす影響

          高校球児が目指す身体指標

          まずは以下の論文をご覧ください(お時間の無い方は2つ目だけでも) https://waseda-sport.jp/paper/601/601.pdf https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspehssconf/73/0/73_476/_pdf/-char/ja かつての指標→いまの指標に リンク先の資料内にもありましたが、これまでは(私自身が学生時代のときも) 身長-100 を指標にして、体重を1つの基準に考えられていました。 ある程

          高校球児が目指す身体指標

          データで野球の常識を疑ってみる② 〜高校野球でのバントの有効性

          今回はセイバーメトリクスが発展してから特に良く聞くようになったバントの有効性についてです。 ただ、バントの有効性に関しては様々なセイバーメトリクスについての本や有能なアナリストの方々より示されています。 ここでは、高校野球においてバントの有効性について考える際に理解しておくべき点をかなりシンプルに整理します。 大切なこと 何点狙うかでバントの有効性を整理する! どう整理するかというと、 複数得点を狙う 1点を狙う この2つを分けて考える必要があるということです

          データで野球の常識を疑ってみる② 〜高校野球でのバントの有効性

          高校野球でのデータ活用パターン

          いざデータ活用といってもなにから始めたらいいか。データ活用したいけどなにをしたらいいかわからないと考えている方向けの記事を書きたいと思います。 以下の記事でスモールスタートで始めてみるといいと思うという話を書きました。 では、どんなことから導入していけばよいか、データ活用の方法を大きく3つに分けて考えてみます。 高校野球におけるデータ活用パターンを以下の3つに分けてみます。 ① 能力の向上データ活用パターンの1つ目は能力の向上です。 最近テレビ中継やスポーツニュースでも取

          高校野球でのデータ活用パターン

          高校野球でデータ活用を導入する意義

          データ活用を高校野球に導入すると何が良いか高校野球の特に部活動でデータ活用を導入することのメリットは大きく2つあると思っています。 ① 選手の成長と自己理解を深める 部活動やスポーツを通して人格形成に繋げたいと言う思いから選手の自主性、主体的な行動を促したいと思う一方で、 突然やることを自分で考えてみろと言っても、学生にとっては何をすべきかがわからないというのが現実かと思います。 では、どうしたら選手自ら考えることができるようになるか。 そのためには選手自身が自分を理解

          高校野球でデータ活用を導入する意義

          高校野球でのデータ活用推進

          このnoteについてこのnoteは、普段事業会社でデータ分析の仕事をしている私がセイバーメトリクスを学ぶ中で、MLBやNPBで活用されるデータが、高校野球や中学野球などの学生野球の場面でも活用できるような環境になればいいという思いから始めました。 そのため、基本的には高校野球でどのようにデータ活用を進めていくかと言う視点にフォーカスして、データ活用をこれから進めていきたい、なにから始めたらいいかわからないと悩む方々にとって、有益なお話しをしていければと思います。 高校野球

          高校野球でのデータ活用推進