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ずっと恐れている事と最期の時に後悔しないために。

2024/8に当時15歳であった愛犬のギャビーの様子を見ていて、今まで経験がない体調の悪さを感じた。

1日目•••。

お腹を下した。しかし、食欲もあり普段のフードをしっかり食べた。
夏場は例年お腹を下すことがあり、2、3日もすれば回復していた為、病院には行かずいつも通り様子をみる事にした。
日課の散歩にも行きたがり、特に歩行距離も変化がなかった。

2日目•••。

相変わらずお腹は下している。たまに嘔吐。
雑菌が繁殖しない様、水飲み場の水を日に何度か変え、フードも毎回食べ切る量を与える様に気をつけ、早く回復する事を願った。
この日も特に散歩は自主的に行きたがり、いつも通りだった。

3日目•••。

未だにお腹の調子は回復しない。もう一日様子を見て、翌日回復が無ければ病院に行く事にした。
この日はフードを食べなかった。そして、心配になり特別な時にしかあげない缶詰のフードを与えたが一切興味を示さない。
水分は取るが、嘔吐の回数が増えたような気がする。
そして一日中寝ている状態だった。

大きな異変を感じたのは、トイレに行き、部屋に戻ってきて私の前に立ち止まった瞬間、後ろ足の力が抜けた。
体の前半分は前足で踏ん張ったが、体の後ろ半分が後ろ足が開き気味で力が入っておらず、崩れ落ちた。

この姿を見た瞬間、いつもなるお腹の不調だけでなく、全く別の病気じゃないのかと血の気が引いた。

しかし、かかりつけの動物病院や比較的近隣の病院は受付時間を過ぎていたため、やはり翌日に病院に行く事に決めた。

4日目•••。

明らかに目の焦点が定まっておらず、ベッドの上で立ち上がる事も出来ず、一瞬座る仕草を見せるが、人で言う酩酊状態の様にフラフラし、すぐに倒れてしまう状態であった。
この日もフードには手をつけない。よく考えると水分もほとんど口にしていない気がする。
早く病院に行きたいが、まだ開院時間まで数時間あった。

体調不良によりフードを食べなくなった時、ハーゲンダッツのバニラであればある程度のカロリー摂取ができ、水分量も多い為、応急的に口にさせると良いという情報を見たことがあった。
急いで近所のコンビニに走り、ハーゲンダッツを購入。
帰ってすぐに与えたら、確かに大さじ2杯分ほどは口にしてくれた。
しかし、明らかに弱々しくハーゲンダッツを口にする時に座っている事もできず、途中で何度か横に倒れてしまった。

病院の開院時間後•••。

すぐに電話をし、状況を伝え予約を入れた。
うちの建物の隣の建物に病院がある。予約時間にすぐに連れて行った。
いつもは注射や嫌いな爪切りをする為にいくので、病院に入ろうとしないし、唸ったりする。しかし、その時は無反応だった。

かかりつけの動物病院にて•••。

すぐに血液検査や、エコー検査などその病院にある設備で最大限必要な検査をしてくれた。
血液検査やエコー検査の結果、開腹してみないと断言はできないが9割がた「子宮蓄膿症」という病気の可能性が高いと告げられた。

続けて

「かなり大きく腫れ上がっています。命に関わる緊急処置が必要な病気の為、手術をおすすめしますが、状況がかなり悪い様なので当院の設備では何かあった時に対処できない為、高度救急医療センターという病院があるので、そちらを紹介します。
もし希望なら考えてからでも構いませんが、様子を見たところもってあと24時間という感じなので早めに決めてください。」

そう告げられた。

そんなに悪くなっていたのに、命に関わる病気なのに様子を見るなんてのんきに様子を見るという判断を下したこと、この状態で、もって24時間と言う言葉の重大さを突然突きつけられ、罪悪感やらいきなりそんなすぐにこの世からいなくなるかもしれない様な事をいわれ、現実を受け入れられずに感情を抑えられずに人前で泣いたのは何年前か。その時は涙した。

費用を確認してもらったところ、50万円から70万円は治療費が発生すると言う事だった。

ポンッ!と気軽に出せる金額ではなかったがタイムリミットがどんどん迫る。考える時間は本当に数分という感じだった。
それに見るからに苦しそうで見てられない。すぐに治療をお願いした。

高度医療センターにて•••。

再検査や治療のリスクの説明

すぐに再検査や、手術にあたり麻酔のリスクなどについての説明を受けた。
高齢犬のため、麻酔の影響でそのまま亡くなる可能性も少なくない確率で起こる可能性を説明された。

麻酔をしなければ、治療ができない。治療ができないなら死を待つだけになる。なのでリスクについて了解し、治療をしてもらう事にした。

やはり検査の結果は病巣がかなり大きくなっており、手術中に子宮が破け、膿が体内に流出し敗血症により亡くなる可能性も聞き、了承した。

もう反応も虫の息という程、悪くなっている様に見えた。

手術開始•••。

手術が終了するまで3時間程度時間がかかる為、案内か近隣で待機している様に告げられた。
様々なリスクの説明に完全に怖気付いていた。

今更だか、なぜ避妊しなかったかというと、まだ子犬だった頃将来お見合いをし、ギャビーにお母さんになってもらいたかった。

しかし、お見合いをするがあまり犬と積極的な交流がなかった為、いずれもうまく行かなかった。

そんな自分のエゴの顛末の結果、命に関わる子宮の病気になってしまった。
そんな過去のことを思い出しては自分を責めてみたりして、負の感情ばかりリフレインさせて、いつの間にか終了予定時間の3時間が経過し、治療は無事終わった。

病巣を見せてもらったところ、かなりの大きさに膨らみ、注射器で子宮内に溜まっている膿を吸い出し見せてくれた。

そして、そんな説明を聞いていたところ、先生のところに連絡が入った。
ギャビーが無事麻酔から覚めたということだった。

「1週間程度は入院だと思っていてください。帰宅前に、一度お顔を見てあげてください。」

と言われ、様子を見に行った。
金属の檻の様なゲージに入っていた。
そこで怯えた様に小さくなっていた。

ギャビーと呼びかけたので自分がいる事に気がついた。

そうしたところ、突然悲しげに鼻で鳴き、完全に麻酔が抜けていない為、柵にフラフラしながら体当たりする様な行動をとった。
傷口が開くかもしれないと思い、柵の前面に手を入れることができるくらいの窓があったため、許可を受けそこから中に手を入れた。
一度もしたことがない行動をとった。
口で指を甘噛みしたまま、鼻で鳴き続けた。

ギャビーが

「ここに置いていかないでほしい。一緒に家に帰りたい。」

と言っているようで辛かった。

開腹したばかりで傷も縫ったばかりなため、傷が開くといけないと思い、その日は帰宅する事にした。
次の日も面会に来てもいいかと聞いたら快く了承してくれた。

とりあえず病気は一安心した。
あとは治療に伴ってできた傷の回復を待つだけの状態に安心した。

入院生活を終え帰宅•••。

今のところ、前の状態に戻って元気になった。
避妊手術をしていなかった事が、命を奪う病気につながってしまったことにかなりの罪悪感を感じた。

そして、2024/11/11に16歳の誕生日を迎える。

調べたらトイプードルの平均寿命は14.9歳との事だった。

いつ旅立つ日が来てもおかしくない年齢だ。
子犬の頃からフードに関してはかなり制限してきた。
あまり缶詰の様なフードをあげることは無かったので、定期的に与える事にした。
健康維持と、好きなだけ地面や木の匂いを嗅げる様に、自分が疲れているという事を言い訳せずに散歩は極力連れて行く様に今までよりもちゃんと行くようにした。

その他は、様子を見ながらできる限りの事をし、残りの余生、極力幸せに過ごしてもらいたいと思っている。
そして、最後の時がきた時に、ギャビーも自分も後悔なく旅立つことができ、自分は見送ることができるようにできる限りの事はする事に決めた。

どんな事をしても、最期は後悔すると言われたことがあるけど、自分は絶対に後悔しないように最期の時まで近くでできる限りの事をしようと誓った。

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