G.T. Jump Performance Review
初G.T.シリーズ。
完全に旬から過ぎたタイミングですが、やっと私もG.T.シリーズへたどり着きました。
G.T.シリーズ、Nikeより昨シーズン誕生した”Greater Than”シリーズというのはバスケットボールにおける3つの動作にフォーカスし、それぞれのアクションで”よりスペースを生み出す”を最大化する為に開発されたシリーズとのこと。
フォーカスされた動作とは、すでに皆様ご存じのとおりCut / Run / Jumpの3つ。(このうち、RunはHusstleに変更されましたが…。)
これら3つのうち、Cutは阿保みたいに転売ヤーに目を付けられて入手すらかなわず、Runはコンセプト的に自分に合わなくスルー。今回のJumpが唯一コンセプト的にぶっ飛んでて面白い(ただ高い)と思っていたところで、今回やっとのトライとなりました。
試したかった理由はもう1点あったんですが、つい最近その理由はなくなってしまいましたw
それはさておきで前述で触れたとおり、今回は”Nike G.T. Jump”をレビューしてみようと思います。
今回チョイスしたカラーはオレンジ/ブラック。
ビビッドなオレンジが良い感じなんですが、見たことないキャラ鎮座することであまり人気がなかったのか、セールに落ちてきてくれた一品です。
■ディティール
まずは外観から。
今ではマイノリティーなガッツりハイカットが個人的には突き刺さります。
あとなんと言ってもこの独特の風合いのアッパー。
ちょっと話を飛ばしまして、皆様NBA 2Kシリーズってプレイされたことありますでしょうか?
My Careerで一度は夢のマイシグネチャーシューズを作ったことでしょう。
そう!それで作るような”ぼくのかんがえたさいきょうのしゅーず”みたいなディティールがここに存在するわけです。そこに痺れる。憧れる。
この独特な風合い・世界観を作り出しているのはJUMP WIREという複合繊維を格子状に編んだこのアッパーと、見るからに効果を出しそうなJUMP FRAMEの存在。それに加えてチラリと見えるZoom Airバッグ、とこのtheハイテク感がワクワクしちゃいます。
なんだろう、恐らくこれも狙いの一つなんでしょうけど、どことなくHyperdunk 2012 / 2013の雰囲気も感じられます。
バックスタイルに少しクラシックさのあるのもポイント。
いやー楽しみですねー。見た目通り結構内容が濃いので早速堪能させてもらいます。
■フィット
ではまずラストから。
G.T.シリーズは2作目からEPラストへ移行しましたが、1stモデルはグローバルラストで展開されました。
個人的にはこれが、一番購買意欲高かったポイントの一つ。
ただ、恐らく殆どの人が、このモデルにおいては特にそこで躓いたであろう感じがあります…。
まず大前提として”グローバルの中でも細め”に感じます。
三種三様で結構ラストに若干癖がありましたが、G.T. Jumpに関してはまず細さを上げられるかなと。
縦寸はこのシーズンリリース同様でほんの少しだけ短め、高さ方向は流石グローバルで低め。
個人的にはマイサイズで大丈夫ですが、人によってはハーフ、場合によってはフルアップまで見る必要が有りそうです。
それに加えて、ハイカットでありながら開口幅が思ったよりも開かないのもあり、足入れはここ最近のモデルの中では”かなりし辛い”方に当たると思います。あの極悪のkyrie 5に比べてマシではありますが、少しマシな程度です。
構造的にはハーフスリーブに、中足部のインとアウトを前述のJUMP WIRE織られたアッパーで抑え込むもの。
足入れ直後から結構な密着感、少しタイト目なフィット感を感じられます。
また、スリーブの甲部分には少し厚めの低反発系ウレタンが入れられており、シューレースが食い込んでもいたくない様な配慮がされてます。
シューレースは前段基本的にアッパー貫通式のレースホール+Flywireによるサイドサポート。
上から3段目、ちょうど足首の屈曲ポイントの部分だけFlywireを直接締め上げる構造。Flywire自体は縫い付けになってます。
足入れ直後のタイト感も相まって、このシューズに関してはほとんど締め上げるという必要を感じず。アッパー周りはサイドをフォローしてくれるという感触の方が強いです。
でもって全体のロックダウンとしては、やはりさすがのハイカット。
個人的にはやはりハイカットのモデル好きなんですよねーこの固定感。
人によっては足首の可動域を制限されてマイナスポイントに映るかもしれませんが、個人的にはこの足との一体感が大好物です。
ヒールパッドは厚みはありつつ形状的にはプレーン。
アキレス腱側のハイトがしっかり稼げるハイカットだからこそのヒールロック感が心地よいです。
総合的にフィット満足度は高めです。
■ソールフィール
さてさてご馳走感溢れるソール周り。
まずはインソール。
これは他のZoom Strobel採用モデル同様の硬めのあれが入ってます。
左右で別デザインが入ってます。
お待ちかねのミッドソール。
構成としてはZoom Strrobelをベースに、フォアにZoom Turbo & ヒールに大型Zoom Airという前後ダブルスタック 。そこにJUMP FRAMEを組み合わせつつ、おまけ(程度)にCushlonフォーム、というテンコ盛り仕様。
総合的なフィーリングとしては”バウンシー”でした。良くも悪くも。
まず、Pebax製のJUMP FRAMEは前へ前へと推進力を作ってくれる感触。
特にヒールストライク気味に入るとフレーム全体が撓り、ヒール~中足、トゥへ、地面に押し付けるように前へ推進するモーメントを感じられます。
そこに大型のヒールZoomが更に後押ししてくれる、と。
そこからフォアへ。
フレームからの推進をフォアのZoom Turboに乗っけて出力する、と。
あ、ちなみにぱっと見JUMP FRAMEはフォア側まで連動していない様に見えますが、実際は下図の赤枠部分、アウトソールの上側までフレームが来てます。
フォアのバウンス感はさすがダブルスタックで、ポンポンというかボンボンと跳ねる感じ。
…と、ここまでメリットを列挙してみるとめちゃくちゃ良さそうに見えるじゃないですか。
それが一筋縄に行かないのが難しいところで。
まず第一に大きな推進を生むJUMP FRAMEの存在。
確かにヒールからトゥへ、前へ推進を発生させたい場合、例えば本当に助走からジャンプに向けて動くシチュエーションでは最大限の効果を発揮する訳ですが、もちろん全部が全部そんなシチュエーションじゃない訳で。
それ以外のシチュエーションでは逆にヒールがフロアにロックされる感触が若干あり、少し運足を制限される様に感じます。
次にフォアのバウンシーなダブルスタックZoom Airの存在。
過剰にフワついてる訳ではないですが、それでもフォーム系のそれよりはどうしてもフカフカしますし、沈み幅も大きめ。
また、せっかくのダブルスタックZoomの反発を取り出そうとすると、思いっきりフォアに荷重を掛けて大きく沈ませてから立ち上がりを待つ。…つまりワンテンポ待ってから出力してくるようなフィーリング。
じゃあ実際にそれを悠長に待っていられるかというと、実プレイ中にそんなことができるタイミングがいくつあるのか、と。
また、この特性によりせっかくJUMP FRAMEを伝って流れてきた推進力をフォアのZoomにチャージする感じになり、テンポを計る必要があるのと発動できなければ逆にスポイルされてしまう状況に。
逆に荷重を掛けない状態で、例えばダラーっとランしてる時は少しでも荷重が不足して様もんなら、Zoomストロベルの吸収だけで体重相殺が掛ってしまい、トラクションをしっかり立ち上げられない場面も。
という感じで、結構運用に癖が残る結果に。
アウトソールは全面ヘリンボーン。
センター部分は縦方向、全周囲は放射上に開く方向へパターンが形成されています。
トランスルーセントのアウトソールから除いてZoom Airバッグが見える位置っていうのが地味に窪んでいます。
これはアウトソールとZoom Airの間に挟んでるCushlonフォームをカットオフしているが故。
おそらく、これによって余計に荷重不足時のトラクション抜けの影響が出ているのかなーと。
とはいえ、絶対的なストッピングパワーというのは低くない認識で、
結構スキール音のなる粘る系のラバー。
この時期は少し埃拾い易めではありますが、2ポゼッションぐらいは保ってくれます。
■重量
最後に重量。
26.0㎝で437.5g。
結構似たコンセプトに見えたLebron 19よりだいぶ軽く(26㎝/520g)、
Why Not Zer0.1が丁度同じくらいって感じですかね。(26.5㎝/437g)
■Over All
ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 9/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 6/10
コスパ … 6(7)/10
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ALL … 36(37)/50
率直な感想としては、”エアベッドの上でプレーしてるみたい”でした。
綺麗にまっすぐ、「せーのっ!」って飛べるシチュエーションであれば確かに名前の通りJumpモデルと言えるのかもしれませんが、動きの速いバスケのプレーにマッチしているかというと…。
感覚的に、このシューズを上手く使い切ろうとすると何れかの乗り方になると思っていて、
まず一つ目は、しっかり荷重を掛けて沈みこませて反発の立ち上がりを待つという方法。
これは前述の通り反力の取り出しまで結構ディレイがあるので、素早く・ソリッドに動きたいプレイヤーからするとじれったい、どちらかというとゆっくりじっくりステップする人には合う特性。
二つ目としては、根本的にフィジカルマッチョで全ステップにおいてZoom Airを圧縮した状態で動ける人。
この場合はすぐに反力を取り出せる状態なので、おそらくシューズの想定としてはこちらになるのかなと思いますが、さて一体どれくらいの人がそれに該当できるのか…。
ここまで書いてやっと”なるほど、ヨキッチにマッチしているな…”と。
ヨキッチの様に重量級なボディと、瞬発ではなくゆっくりしっかりとしたステップにはとてもマッチした特性かなと思います。(彼自身はたいしてジャンプしませんが。)
実は今回のG.T. Jump、2ndモデルが出ているのに頑なに1stモデルに拘って履き続けていたヨキッチを見たが為に一気に興味が湧いたモデルでもありました。
だからこそ2ndモデルと比較して…ってやろうとしたらAGに釣られて361°と契約しちゃったっぽいし…。
あ、そういえば良く似たコンセプトとしてLebron 19と比較されますが、確かに特性的には似たコンセプトと言って過言ではないかと。
但し、Lebron 19に比べて特にフォア側のZoom Airに関してはそれぞれが柔らかいこともあり、吸収・反発の取り出しやすさやフレキシビリティの楽さがこちらにある感じなので、ソール反力が不要という方はこちらの方が乗りやすいかもしれません。
ただ純粋にパフォーマンスやフラットライド感で見ると一歩劣るかな、というのが個人的な比較結果でした。
機能てんこ盛りシューズという意味での楽しみを味わう分には確かに面白いですし、今現在のセール価格まで下がってきてくれていれば一度試してみるのも悪くないかもしれません。
ただ、定価でと考えると「別ので良いかも…」というのが個人的結論となりました。
上でもネタ晴らししてしまいましたが、2ではこれらの特性をどの様に変化させたのかは後日書かせて頂こうと思いますので、ぜひ続報をお待ちいただければと思います!
もしレビューがご参考になったり、少しでも面白いなーと思っていただけましたらコーヒー1本奢ってもらえましたら幸いです。🙇♂️
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