AW2 Performance Review
ウォリアーズのオールラウンダーとしてしっかり定着したWiggins。
通称”Wiggins大好きおじさん”に今回もお願いしまして、無事入手することができました。
Peakのシューズ、Li-ningやAntaが除々に日本国内の拡販を強めてる一方で、一步遅れ気味な事もあってなかなか店頭で見ることが出来ないのがちょっと悲しい所。
一度手に取ってもらえれば、その出来の良さは実感してもらえると思いますので、ぜひ日本国内でも気軽に見れる様になって貰えると。(安全靴のみならず)
Wiggins、もっと強気にプレーしていって良いと思うんですよね。
持ってるものは本当に良いのに持ち前の優しさで一步躊躇してしまう、そんな優しい所も大好きではあるんですが、一ファンとしてはもっともっと大活躍して貰えるのがやはり一番嬉しい事です。
Wiggins大好きおじさん共々その活躍を心から待ちわびて降りますので、是非頑張って頂きたい!
シューズがこんなにも”やる気仕様”なので余計に!
というわけで、今回は”Peak AW2”を見てみようと思います。
今回チョイスしたカラーはホワイトベースのこのカラー。
Colorwayがすみません、特定しきれませんで…。
■ディティール
では外観から。
Peakとの契約前…の、adidasの前。Wigginsは好んでKobeシリーズを着用していました。
adiasとの契約を終え、2シーズン後にPeakと契約。
PeakのBig Triangle?Team Atitude?(名称がバラけてて正式名称が…)の着用を開始した以降も時々Kobeシリーズを着用していましたね。
当時「Peakと早速不仲なのか?」と界隈は心配にもなったのですが、
Peakがシグネチャーを準備しつつ、Wigginsの足の変更があった事でアジャストする為に時間が必要だったとのこと。
それから満を持しての1作目。
皆様もご存知の通り、はっきりと申し上げるならばPeak版のKobeジェネリックと呼べる構成・仕上がりでした。
あ、いえ、これが決して悪いとかそういう話でもなく。
特に現役のプレイヤーはKobeシューズで育った年代が大半な状況。
故に、ニーズも多く現代でにおいても各社Kobe Likeな軽く・薄く・柔らかく・低くなモデルを多くラインナップしているのが実情かと。
また、インサートモデルも各社様々トライしています。
その中で、2種類の特性が違うインサートが用意されたAW1と言うのは、
Kobe ジェネリックの中ではかなりの意欲作だと個人的には思っています。
仕上がりとしては、Kobeの中でも7・8辺りのインスピレーションを強く受けているようで、アッパー周りは出来る限り薄く・軽くな仕上がり。
特にKobe 7の”Strong”と”Fast”の2つの性格を彷彿とさせます。
で、それを踏まえた上での今作。
個人的には「…え?」となりました。
ぱっと見はなんの変哲もないプレーンでシンプルなローカット。
アッパーもメッシュ&フューズ系のすっきりとしたシルエット。
その上で個人的に特に気になったのはミッドソール周り。
前作や一般的なKobeライクシューズと比較して、このモデルは逆にかなりしっかりとした厚みを持たせている様に見えます。
出来る限りフロアに近づきたかったKobeシリーズとは大きく反した作り。
さてさてこれがどの様な仕上がりになっているのか。では堪能させてもらいます。
■フィット
まずはラスト。
Peakのモデル、個人的には中国ブランドの中で1,2を争う位選び辛いラストをしているという認識…。
それもあって早くメーカーなのか代理店なのか、国内流通を早々に強化して貰いたいなと。
安全靴の方で流通経路は出来てる筈なので何卒…。
話を戻しまして。AW1の時もそうでしたし今作も結局深追いする状況に。(サイズ違いで2足購入=深追い)
基本的に他の中国ブランド同様少し大きめの作りなので、”下げ”の方向で、
問題はどの程度下げるか。
結論として自分は今回はNikeグローバルからハーフダウンをチョイス。
…但し、ここで注意して頂きたいのがここで言うハーフダウンは厳密には1サイズ違うということ。
これまでも各中国ブランドのレビュー毎に啓蒙させて貰っていますが、中国ブランドのシューズはcm基準でもなければUSインチ基準でもありません。EUサイズ基準です。
なので、上げ・下げいずれもメーカーが準備していない限り基本的に1サイズずつ(1サイズ=0.67cm)変動すると考えておいて頂きつつ、併記されてるcmも目安として認識してください。(もっと厳密に言うと中国と日本でcm認識も違う…)
ということで、シューズ自体の話に戻しまして。
ラストとしては縦が少し長め・横幅ジャスト・高さ方向は少し余裕有りという感じ。
足入れ直後は適度な密着感ありますが、厚めのインソールなことも有り時間が経って熱が入ってくると沈みが少し出ますので、それも見越してソックス2枚など、上手くスペースとお付き合いするのが基本はオススメです。
構造はオーソドックなハーフブーティーにアッパーを重ねた構造。
熱圧着系のアッパーが爪先からヒールまで全周ぐるっと覆っています。
剛性感の高いしっかりと厚みもあるアッパーでブレも皆無。
ヒールパッドは立体形状で、抜け防止の為に上方に対して抵抗が出る逆毛の材質。
立体的ではあるんですが、中の詰め物自体はそこまで厚みを持たせているわけではないので、Harden Vol.5の様な肉球感はないです。
超大型のヒールカウンターも相まって横方向のブレはかなり効いてるんですが、パッド搭載位置が自分には少し低く、抜け感に対してはあとちょっとだけ欲しい所。
この仕様は前作も同様だったのですが、前作の方が若干エリアが広めで引っ掛かり強かったので、これはできれば維持して欲しかった所。
レースラインは、最下段と4段目がナイロンバンド介したダイレクトなロックダウン、その他オーソドックスなアッパー貫通式のレースホール。
前述の剛性感の高いアッパーも相まってかなりガッチリと足を抑え込んでくれます。
■ソールフィール
続いてソールフィール。
まずはインソールですが、前述の通り少し厚め。それでいてOrtholiteっぽい低反発で最後の方に少しコシが出るような材質のもの。
形状はフラットですが、内部構造側の補正が強く、全体的にアーチサポート効いてます。
底材には薄めで少しぷりっとした反発のクッション材。
お持ちかねのミッドソール。これが結構な化け物で。
構造は、上側のP-ULTRALIGHTフォームとフロア側のPeak TAICHIフォームでカーボン製のシャンク”FOOTHOLD+”をサンドイッチ。
もちろん肝はこの”FOOTHOLD+”プレートで、フォア全域を覆う広大なプレートが入っており、屈曲剛性としては市販モデルの中で最強クラス…いや最強と言っても過言ないかと。
異硬度フォームのサンドイッチ。
フロア側のTAICHIは初期が柔らかく、奥側で反発が高まる感触。
上側のP-ULTRALIGHTは初期がしっかりコシあるものの、奥側の反発が弱め。
このバランスが個人的には結構絶妙で、仮にTAICHIオンリーで仕上げるとグニグニで不安定になる&重いでしょうし、P-URTLRALIGHTオンリーだと大分硬質な印象になるでしょう。(個人的にはこれはこれで履いてみたいですけど)
ランニングシューズ由来のフォアまで伸びるカーボンプレートと強めに入った反り。
少し硬めなP−ULTRALIGHTによるフロアプッシュとプレートの反力によってかなり強力な返りを提供してくれます。
そこからのストッピングにおいても2層構造特有の揺れも出ず。
特にフォアの外側はTPUでケージされていることも有り、斜め前蹴りだしからのストップは強力に保持してくれるので、ステップバックなどのキレがかなり向上します。
フロアフィールはTAICHIフォームが初期当たりを和らげることも有り少しソフトなフィーリング。動きが遅れたりスポイルする程ではなく丁度良い塩梅かと。
ヒール側はTAICHIフォームが厚めな事もあり、ヒールストライク気味のステップで入っても不安無く踏んでいけます。ただ、その分沈み幅が大きめ。
フォア側の反りも相まってバランスが弱後継〜後傾気味なので、ヒールリフトするインソールと組み合わせてバランス整えると更に動きやすく仕上がるかもしれません。(Superfeet Greenやトゥ部分の空間を殺すためにOrangeもオススメ)
トゥのステップで足首を屈曲させてしまう様な方はかなり使い辛いかもしれません。というより上手く活かせないと思います。
フレキシブルよりのシューズがお好みの場合はAW Talent 1というセミシグの方が構成的にはマッチするかと。
アウトソールは縦方向ヘリンボーンをベースとしたヘキサゴン方の幾何学模様。
トラクションはかなり強力で、この時期になると寧ろストッピー過ぎると感じるかもしれません。
冬場でも安定したトラクションを発揮してくれます。
埃の付着は早めながらもパターンが上手く効いてくれるのか2ポゼッション位は何ら問題なく踏んでいける感じでした。
■重量
最後に重量。
25.5㎝で427g。
外観から想像するより重めに感じましたが、よく考えるとかなりの豪華装備なので妥当な重さかと。
Kobe 1 Protroがここのクラスに入ってくるイメージ(434g/26cm)
■Over All
ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 7/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 9/10
コスパ … 9/10
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ALL … 42/50
1から2へ。シューズとしてのパフォーマンスは格段に上がったのは確かなのですが、あまりに1と相反する仕上りに少々困惑しているところで・・・。
モアパワフルな仕上り。これを見るともっと強気に、And 1奪っていけそうなシューズに仕上がっているのですが、これがPeak側からの提案なのか、はたまたWiggins自身のリクエストなのか。この答えは次作まで持ち越しになりそうです。
今季のNBAは大番狂わせの連続で、GSWがPlayOffのチケットをロストしてしまうという形でシーズンを終えてしまいましたが、来季こそ飛躍の年になることを期待しつつ、引き続きWigginsを応援していければと思います!
…話変わりまして。
今回のシューズを履いて感じたことは「KobeというよりKyrie?」という事でした。
弱後継のバランスは両名のシグネチャーモデル共通の持ち物なので置いといて、要点はそのフォアの仕上がり。
個人的に近いなーと感じたのはKyrie 3やKyrie 5系の結構主張のあるフォア。構造・構成で厳密に同じフィーリングということではないんですけど、今作の乗り方は割と共通する部分が多かったと個人的には感じてます。
それを考えると「Kyrie Peakって実は幸せな世界線だったのでは?」と考えたのですが、まぁそれもNikeでのゴタゴタと終盤のモデルの仕上り(どちらかというとフラットに踏みたい作り)だったり、Peak自身がKyrieを取れる程の体力があったかという問題もあっただろうしで、なかなかマッチしないなーとふと考えた今日この頃でした。
…という、どうでも良い感想を並べつつ、もしその辺のモデルが好みだった方はもし機会があればトライして見ると楽しかもしれませんよ?という小情報で締めさせて頂ければと思います。