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G.T. Hustle Academy EP Performance Review
CutのAcademyは履いてくれるのに・・・
Hyperdunk以降でやっと不在だったフラグシップに定着したG.T.シリーズ。ただ、若干雲行きが怪しい様な…。
一番の売れ筋であるG.T. Cutは3以降のモデル詳細が出てこず、Jokicを失ったJumpは2で停止。
唯一現在も進行しているのはRun → Hustleで、Wembyが履き続けてくれる限りはなんとか存命できるかも…。(シグネチャー化したら終わる)
フラグシップとして今のところしっかり仕事はこなせているので、末っ子(でエントリーライン)もリリースされて広がりを見せるかと思ったものの、冒頭の通り、CutはそれこそNBAでも着用者がいるのに対して、Hustleは…。
何がここまで大きな差を生んでいるのか、純粋に興味があります。
試着時点で確かに大きな特性差は感じたのですが、パフォーマンスとしてどうなのか。果たして。
というわけで今回は”Nike G.T. Hustle Academy EP”を見てみようと思います。
今回チョイスしたカラーは1stカラーのホワイトカラーベースのもの。
人気はさておき、結構多色リリースされているので結構本気でロードマップ組まれていますね。
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■ディティール
ではまず外観から。
シルエットはベースとなっているHustleの特徴を上手く切り取られているかと。
ロー〜ミッドの丁度中間くらいのカットの高さで、少しクラシカルさも感じられる良い塩梅の高さ。
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一見ボリューミーに見えるミッドソールですが、サイドウォールとしての機能を持たせるために巻き上げている物。
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それもその筈、全周Flyknitアッパーで覆われたこのシューズはどちらかというとランニングシューズ並に薄く・軽いのが売りの一つかと。
パターン・縫込み量を調整して補強を入れていたり横糸にTPUラインを入れたり、細かく見ていくと結構拘りを感じられるかと。
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■フィット
それでは堪能させてもらいます。
まずはサイジングですが…結構鬼門。
大前提、「これレディースサイズなんじゃねーか?」ってくらい縦が短い。
最低ハーフからフルアップまで様子を見たほうが良いかもしれません。
反面横幅はそこまでタイトでもなく、どっちに合わせるか結構悩みどころ…。私は今回ギリギリを攻めてハーフアップでトライしましたが、フルアップでも良かったかもと若干後悔してます…。
構造はアッパー・シュータン分離型。シュータン下部がアッパーと縫い付けられているクラシックな構造。
アッパーは前述のFlyknitで薄く・馴染の良い仕上がり。
テグスの様な横糸&パターンの最適化のお陰で変な伸びも無く、強度的には十分かと。
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シューレースホールは全面アッパー貫通式。ホール部分はレザーで補強されています。
特に凝ったロックのソリューションを持っているわけではありませんが、結構深めまでカットライン切られており調整幅広めに取られているので、全体的なフィットはかなり作りやすいかと。
また、ヒールパッドも最低限ですが、カットの高さも相まって踝付近のスペース埋め込みかなりしっかりしているので、抜け感等もなく快適。
総合して、サイジングにさえ気をつければ結構快適なフィットを得られるかと。
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■ソールフィール
続いてソールフィール。
まずはインソール。
あれ、Cutの方ではいつものバジェットらしいブルーのものでしたが、このシューズではリサイクルフォームですね。
少し厚めで熱が入ると大分高さが変わってしまうので、それを見越してサイジングの際はいつも利用さているインソールをあわせて持って行くほうが良いかと。
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底材も無し。あれ、TBだっけこれ。
Cutの方はクッションあったんですけどね…。コストカットの為か、はたまた…。
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お待ちかねのミッドソール。これまた面白い構造。
フォームの詳細は書かれていませんが、異なるフォーム2層構造。
ぱっと見て分かる通り全周を覆っているホワイトのフォームと中心のブラックのフォームそれぞれ硬度の違うフォームを2段重ねているわけですね。
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実際の構造はあの全部ぶった切る人の動画を参考にして頂いて。
カットモデルを見てみると、この2層構造はヒールから中足部にかけてのみで、フォア側までは伸びていないです。故にフォア側は1層のみ。
総合的な感想としては”薄い”。非常にフロアが近く感じる。
ダイレクトなフロアフィールで、ジャンプ等のフロアをプッシュする感覚はとても掴みやすく、ステップコントロールもし易いかと。
反面、薄いが故に衝撃はそのままフィードバックされますが、それを考慮してヒール側のショック吸収の為=2層のフォームということなんでしょうね。
もう一つの狙いは過剰な程のフレキシビリティ。
2層フォーム担っている真ん中の部分をくり抜いている&インサイド側にアウトソールを入れていないところからも”曲げたい”意思を強く感じます。
通常であれば入れられているシャンクもキャンセルされているのは恐らく敢えてかと。
中足、アーチ部分をそこまで曲げたい意図というのは正直わからないんですが、できる限り柔軟にしたいということだけは伝わります。
これは近年のトレンドの則りつつ、Hustleシリーズで向かっている”素足”に近づけたい意図に自分は感じます。
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まぁ、そんなHustleも2になってフォアに馬蹄上のZoom Airを入れることでかなりフォアマッチョな仕上がりに変わっている理由ですが…。(多分Wembyの意見を入れているんじゃないかなと思います。)
話を戻しまして、Hustle初代のコンセプトとしてはちゃんと踏襲されているな、という風に自分は受け取っております。
アウトソールは中から外に向けて放射状に広がるブレードパターン。
前述の通りアーチ直下部分はアウトソール未装着。
ラバーは低摩耗系の少し固めのもので、The XDRという感じのもの。
バジェットモデルによくあるタイプです。
ホコリの付着に対しては強いんですが、絶対的なグリップ力はそこまで高く無いのでトラクションとしてはもう一歩ほしいところ。
反面、通年通して安定したトラクションとも言えるかもしれません。
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ヒール側2層なので前傾寄りかと思ってたんですが、バランスは粗フラット。
変な反り等も無く、ごく自然にフロアを感じられるのがこのモデルの味かと。
■重量
最後に重量。
26.5㎝で266g。圧倒的な軽さ。
Cut Academyよりざっくり50gも違うんですから驚き。
(26.0cm/311g)
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■Over All
ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 7/10
グリップ … 7/10
ベンチレーション … 9/10
クッション … 7/10
コスパ … 7/10
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ALL … 37/50
これはこれでよいのでは?というのが個人的な感想で。
巷の評価では”最低なシューズオブザイヤー”とか結構ボロクソ言われてたりするんですが、自分としてはそこまでこき下ろされる程でも無いような…というのが素直な感想でした。
確かに機能や構成だけにフォーカスして見ると圧倒的に他のモデルに劣るポイントがそこらかしこに。
クッションもZoom Air非搭載だしマテリアルもチープ。
その軽さも相まって、手に取った時のそれは多分最悪の質感に感じるかもしれません。
ただ、プロダクト全体としてみると一貫した狙いの元、そう”している”と感じられるんですよね。
薄く・低く=フロアに近く。 できる限り軽くフレキシブルな素材で=素足の様に。
このアプローチ、皆さん大好きなKobeのアプローチの筈なんですけど、それはどこへやら…。(そんなタラレバは無いんですけど、仮にこれが”Kobe”の名を冠してたら手のひらくるりんに本当にならないんでしょうか??)
高速時のバランス・レスポンスで見るとCut AcademyのZoom Air搭載だったり、Precision・Gianis等のファイロンモデルの方がバジェットの中でのアドバンテージがあるかなというのは同意です。
ただ、これは層の違いだけな気がしてます。
Academyと謳っているので門戸の広いエントリーが対象のはずですが、それにしては尖っている、そういうシューズかなというのが個人的見解でした。
あ、でも正直な話、プロダクトの仕上がりとしてチープなことは同意です。多分もう少しうまい見せ方あったかなぁーとw。なのでセール価格が適正値です!と少し下げたところで締めくくらせて貰いますw。
万人には決して刺さりはしませんが、失敗作とこき下ろされる程では無いかなーと。
Hustle 2からどんなフィードバックを受けて、どの様に手を入れてくるか、今後も興味津々です。