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Lebron NXXT Gen EP Performance Review

節目。

NBAにおいても、またNikeにおいてもKingと言っても過言ではないと思うんですが、シリーズ20作目にしてシューズの作りが大きく急展開しましたよね。

これまではNike側の提案なのか”Lebron(のプレイ)を守る”というコンセプトの元、基本はハイカット+装備満載モデルになる事が多くて、それがまた独特な魅力を持っていて格好良いと個人的には思っていたんですけど、ここ数年においては何があったのかLebron自身がメインモデルを履かないことが多くなり、テイクダウンやローカットでプレイすることが増えてきてました。また、最愛の息子達も父のモデルを中々履いてくれず、Kobeモデルを多用する始末。

ここ近年Lebron自身が好んで履くシューズを見ると、特にフォア真下の自然さを好んでいる様にも見え、それらも踏まえつつデザインエピソードでは「次の20年を見据えて」とのことでブロニー・ブライス、またその世代のニーズも踏まえつつという感じで大きな方向転換の節目となったと。
あれ、本人のシューズってそういうことなんだっけ。

それはさておき、その大きく変わったメインモデルに加えてセミシグバリエーションとして今回の”Nike Lebron NXXT Gen(EP)”というモデルが準備されたという経緯な訳ですね。
メインモデルの特性をできる限り出しつつ、少しでも価格を抑えて手に取りやすい様にと。

ネーミングはもちろん、Lebron初のシグネチャーモデル”Air Zoom Generation”からとったものでしょうね。彼が初めてNBAのコートに立った時の衝撃/NBAシーンを次世代へ導く者へとつけられたネーミングは、大口でもなんでもなく本当に次世代へ押し上げてしまうプレイヤーになったと。
そしてそこから早20年。そんな彼が、今度は次の世代へ導いてくれるプレイヤーへ送るシューズを作る、こう考えると何とも感傷的というか感動的というか、20年というキャリアへの感服や偉業の凄さを実感させられるなと。
…まぁでも彼自身まだゴリゴリで、近々で次世代に託す未来もまだ見えないんですけどねw 

大分枕が長くなってしまいました。
というわけで、上でも書きました通り今回は”Nike Lebron NXXT Gen EP”を見てみようと思います。

え?なぜ本シグに行かないのか? A:安いからです。
答えとしてはシンプルにこれな訳なんですけど、こう書いてしまうと大分ケチくさいのでもう少し言い訳させてもらうと、正直な感想と最近のNikeシューズ、特にフラグシップなLebronモデルはどうしても高額でして。
それでいて今作においては特にパッケージング・ソリューション含めて真新しさや特別性が減少してしまったこともあり、魅力的な商品力に見えていなかったというのが正直な感想で。
(いや、多分履いたら履いたでそれなり良さがもちろん有るんでしょうけど)
それを考えると、できる限りのキープコンセプトで若いプレイヤーの手に取りやすいお手頃価格に抑えられたこのモデルの方が魅力的に見えてしまいました、という訳でして。
あと地味にデザイン的観点から…これは後程。
では早速!

今回チョイスしたカラーは”Bule Tint”
確か夏場に出たカラーなので爽やか配色なんですけど、今のウィンターシーズンにもあっているかなーと。

■ディティール

ではまず外観から。

ここがメインシグのLebron 20じゃなくこちらを選んだ理由なんですが、もうなんといってもこのシルエットが萌えポイントな訳です。
それが特徴的なダブルアイレットの存在。

皆様ご存じ&名前から想像できる通り、デザインの由来はLebronの衝撃的なデビューの足元を支えたZoom Generation。
そのアイコニックな要素の一つであるダブルアイレットを落とし込み、次世代向けのモデルで継承する辺りに小憎たらしさを感じるわけです。はい。

※ちゃんとロードマップに入ってたんでしょうねー。Zoom Generationカラー&レザーのモデルがレディ最近レディされてますもんね。

ただ、にしてもなんとまぁ不思議な風合いのテキスタイルだこと。
写真を見たときは正直「チープだな…」って思いましたw
いや、まぁセミシグモデルなんで、本シグのニットの高級感と比べて見劣りするのは当たり前なんですけどねw

いや、開口一番ディスりたかった訳でもなくて、寧ろ逆のお話w
これの現物是非よく見てみて貰いたいんですが、透明なナイロンレースでベースの生地を作成した上に、ポリエステルレースでパターンを入れているという一手間掛かったアッパーに仕上がっているんですよね。
これ是非手に取ってじっくり観察してみてください。

インサイド側はレザーのパネルで切り替えしがあり、デザイン的にパリッとしてますね。

ヒールタブには特別なデュブレが。いいなぁーこれ取り外してシューレースの最下段に入れたいくらいです。

デザイン要素としてはこのくらいで、Lebron 20同様凄くシンプルなパッケージで仕上がっています。

■フィット

では早速堪能させて貰います。

デザインで触れませんでしたが、まずはカットの高さに触れたく。
Lebron 20は明示的に”ローカット”と言ってますが、NXXT Genに関しては個人的にはローカットではなく、厳密には”ミドルカット”に分類できるのではないかなーと思っています。
足首に自由度、左右方向は開けているのですが、特徴的なダブルアイレットの関係で少し高めにセットされている印象で、前方向の屈曲を抑えてくれる印象があります。
まぁZoom Generationがそもそもミッドカットモデルですしね。

構造はハーフブーティー+前述のアッパーの組み合わせ。
ブーティーは前後で色の切り替えの為にわざわざ接合する拘り用です。

ではお待たせサイズ感。
ラストがちょっと厄介目ですね、縦方向が少し短めですが横方向が少し広め。高さ方向はジャストくらい。
この後のソールディメンションを考えつつでどこに合わせるか次第ではありますが、基本的にはハーフアップからまずはトライされることをお勧めします。
自分はもう少し追い込みたかったのでマイサイズでチョイスしてみましたが本当にギリギリな感じで、ハーフアップでも全然履けたなとちょっと後悔気味です。

ヒールパッドはボリューミーなもので、これもおそらくNike Sphereを搭載してますね。
入っているクッションが粒々してるのが面白い感触。

全体的なフィット感としてはカチッとしているというよりふわっと包み込むようなフィーリングで、綺麗に・しっとりと足に密着する感触。
これまでのシリーズの様に足をゴリゴリ抑え込むようなフィーリングではないので、全方位的に履きやすいモデルに仕上がっているなと思います。

■ソールフィール

続いてソールフィール。 

まずはインソール。
セミシグとはいえ、ちゃんと手を抜かずに本シグ同様のArtholiteっぽい少し低反発よりの物を使ってくれています。(そもそもそこまで安い訳じゃないけど)

底材は1枚クッションあり。

お待ちかねのミッドソール。
これが結構好き嫌い分かれるかもしれないですね。

構成としてはフルレングスCushlonフォーム にフォアにトップロードAir Zoom Turbo、ヒールに大型Zoom Airの組み合わせ。

まず第一に気になったのはフォアのZoom Turboの存在。
張り出しが大きく、主張が強め。
ベースのCushlonがしっかり目な事もあり、Zoom Airの反力を感じられる反面、前後の高低差が強く出ている感触 = かなりの後傾に感じます。

それでいてもう1点気になるポイントとしてはヒールの大型Zoom Airの存在。
厚みのあるZoom Airバッグの反力を感じられる反面、個人的には踵で直接受けるには”煩く”感じられるんですよね。なんと表現しましょう…。 
後傾よりのバランスで、ヒールストライク気味にプレイしつつストップでヒールから入るステップを入れたりすると、他のシューズでは感じない踵の疲れがあるんです。

メインテーマは前後のバランス調整でしょうけど、もしかしたらそれらがあるからLebron 20ではヒールZoomの上にフォーム層が入っているのかもしれません。

と、ネガを強く書きましたが、とはいえ総合的なパフォーマンスとしては高いといっても過言はないかなと。
ベースにある少し固めにセットアップされたCushlonフォームにフォアのZoom Turboによって、コントロールしやすい・小気味の良いフィーリングを提供してくれます。

個人的な欲を言うならフォアZoom Turboの反発がもう少しだけ強ければ更に速いモデルになったのかなと。
現状だと初期吸収寄りにセットアップされている印象を受けます。

アウトソールはLebronの生まれ故郷アクロンの地図をイメージしたもの。
トラクション性能は十分で、埃多めのこの時期でも2~3ポゼッション程度問題なく踏んでいけました。
ただ、前述のフォアクッション周りの兼ね合いで荷重を掛けきれないとスルスルと抜けてしまうので、その点だけご注意を。

■重量

最後に重量。
26.0㎝で343.5g。
一気に軽くなっちゃいました。
Lebron 19が26.0㎝/520g、Lebron 18 Lowでも26.0㎝/399gなことを考えるとかなりダイエット。

逆にこの重量比率でLebronのプレーを支え切れるかの方が不安に感じるほど。

■Over All

ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 8/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 8/10
コスパ … 8/10
-----------------
ALL … 39/50

正直な感想としては”もうLebron(だけ)の靴では無い”ですかね。

これまでの”Lebronのプレーを守る”というコンセプトは良くも悪くもLebronだけにフォーカスした故の独特の世界観と特性があり、決して万人に向けたシューズという訳ではありませんでしたし、それ故の癖も勿論ありました。
(…メーカーがやりたいことと本人の欲しいものが必ずしも一致するわけではないのが難しいところではありますが。故に本人が履かない事も…。)

それが20周年の節目を迎え、”次世代のプレイヤーへ/次世代のスタンダードへ”というコンセプトへ。その元で作られたLebron 20、そしてそのメインシグネチャーをベースにテイクダウンされたこのシューズは良く言えば極力癖を排し誰でもが履ける・誰でもが手軽にパフォーマンスを取り出しやすいシューズへ、悪く言えばプレイヤーモデルとしての色の少なさにも映ります

シンプルにマーケットだけを考えるならば、後者の方が間違いなくセールス的には売れやすい訳ですが、”Kingレブロンのシューズ”ということを考えると少し寂しさを感じるというのが個人的な本音でもあったりします。
まぁLebron的にはセールスがどうこうというのはあまり関係無い気もしますがね。
彼自身が近年、メインシグ吹っ飛ばしてシンプルでフラットフォアのシューズを好んでい履いていたのも勿論ありますし、息子達も履きやすいシューズという目論見もあったと思います。

長々と書きましたが、シンプルな話普通にとっつきやすいシューズになっていますのでもしご興味ある方は一度トライしてみるのは全然有りだと思います。
Lebron 21に関してもこのコンセプトは基本的に大きく崩れていない所を見ると、今後もこの路線で作っていくような気がしています。
その中でこのNXXT Gen自体が継続されるかは不透明ですので、もし気になるようでしたらお手頃になっている今は良いタイミングかなーと思います。
(Zoom Genカラーが出る辺り、もう少しラインナップ継続してくれそうですけど…)


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