G.T. Hustle 2 EP Performance Review
リネームして再出発
G.T.シリーズ唯一、と言うか2作目にして”もう”リネームされたG.T. Run改め、G.T. Hustle (これ”2”って本当に言っていいの?)
G.T.シリーズの3テーマ・ベクトルの中で一番汎用性が高いと言うか、取っ付きやすいと言うか、一番扱い易い性質ではないかと個人的には感じていたんですが、今回のリネームと方向転換により更にベーシックになった印象。
正直「この内容とこのパッケージでフラグシップラインの名を継承できるか
?」と言う部分だけが謎ではありますが、ルックスも大好物でもあったのでトライしてみることになりました。
と言うことで、今回は”G.T. Hustle 2 EP (GTE)”を見てみようと思います。
今回チョイスしたカラーは”GTE”特別色のブラックベース x マルチカラーの配色。
これはG.T.シリーズ全作に適用しているんですが、個人的にはG.T. Hustleのこれが一番格好良く見えてます。
あ、ちなみに”GTE”ってそもそもなんでしょう。調べてもなにも出てこなかった…。
■ディティール
では外観から。
まずはサイドシルエット。
なんだろう、最新のハイテク・フラグシップラインには似つかわしい程のクラシックさを感じます。
レザーによるトゥボックスの形状やオールドスクールなミッドカットシルエットによってその雰囲気をぷんぷん漂わせております。個人的にはかなり好み。
Ja 1もBook 1もクラシックスタイルなもんで、なんでしょうそろそろデザイン2週目に移行してるんですか?
インサイド側のデザインが特にクラシックに感じていて、個人的には一番のお気に入りポイント。
しかもこのGTEカラーだからこそのブラックベース&ホログラム、ダイナスティーカラーによるミッドソールも相まって、独特の怪しい雰囲気がドハマリしてます。これの次に好きなのはASWのモアテンかなと。
ラインナップされているカラーとアウトソール(後述)によって結構奇抜な仕上がりになりがちなので、その面で少し選びづらいのがこのモデルの難所かなと…。
アンクル周りもクラシックなボリューミーな仕上がり。
パテントなヒールカウンターにデボスで描かれた”Flight”の文字も良い味出してます。素敵。
レザーの銀面もしっかり出ておりで、全体的にこのカラーの質感の高さを感じます。
■フィット
では早速堪能させて貰います。
まずはラスト。
G.T.シリーズ…というよりここ最近のNikeのラストが結構フラフラと…。
このシューズに置いては縦寸が若干短め、横方向は丁度、トゥの高さ方向に若干の余裕あり。
高さ方向は箱出しの時点でも少し余裕ある感じですが、履いていくと更に広がっていく感触(後述)なので、それらも総合してソックス2枚基本でハーフアップから試着を開始されるのがオススメかなと。
構造は現代で主流のカットスリーブにアッパーを重ねる構造。
フィットに関する機構とかは特に無く、全段アッパー貫通式のオーソドックスなシューレースホール。…これ本当にNikeのハイテク・フラグシップモデルなんですよね???(とは言いつつ、個人的には必要な機能が揃っていれば特に問題も感じませんが。値段に見合えば。)
ヒールパッドはしっかりとボリュームもありつつ、低反発系のしっかりとしたもの。
足入れ直後からしっかりと厚みのあるブーティーが足をじわっと包み込みつつ、アッパーによるサポートでフィット感は上々。
というか本当にオーソドックスで他のG.T.シリーズとの対比が…。
■ソールフィール
続いてソールフィール。
まずはインソール、なんですけどこれが結構鬼門になりそうな部分で。
仕様としてはG.T. Jump 2のそれと同一の前後ろでフォームの違うデュアルデンシティー仕様。
ヒール側は従来通りの硬めのポリウレタンに対して、フォア側がOrtholiteっっぽい低反発系のフォーム。
なるほど、G.T. Jump 2よりもシューズの性格としては合っているのかもしれません。
ただ、これが故にインソール側が圧縮されていき、トゥ周りのスペースができてしまうのも確か。
またフルレングスAir Zoom Strobel仕様で際々部分に段差がありますが、柔らかいフォームだとこれが出てしまうんですよね。
それを考えると個人的にはやはり従来通りの硬いフォームのインソールの方が個人的には好きです。もしくはスジオカボードでフラットにしてしまいたくなります。
ベースのフォームは言及無し。結構しっかりしており、CushlonというよりはPhylonっぽさを感じるむちっと感。
Zoom Strobelの特性の邪魔になっておらずとても良い塩梅。
ここが柔らかいとZoom Airの圧縮・反発を取り出すまでにフォームの沈みが出てきてレスポンス下がってしまうので。
全体的に薄いセットアップでダイレクトなフィーリング。シンプルで扱いやすいソールユニット。前後バランスもフラット。
ぽてっとしたアウトリガーもしっかり効いてくれるので、横方向の安定感も高め。
なかなか購入に踏み切れなかったのはこのアウトソールの形状。
パターン自体はヘリンボーンですが、接地面がドット状で全面域が設置しているわけじゃなく、”これでトラクションが足りるのか?”と”足裏のフィーリング一体どうなるんだ?”という所。
結論としてはどちらも杞憂で終わりました。
正直な話、このドット自体は足裏に若干は伝わります。
ただ、本当に極微小な感触なので、実プレイには粗影響しないです。
トラクションに関しては、正直このカラーだけだと判難しいです。
過去の経験殻になってしまいますが、この手のラメ入りラバーって特に粘りが強い印象で、現にこのシューズに置いても強グリップを発揮します。
が、同時に埃も拾い易く。冬場のフロアには結構厳しく、これからの季節ではかなりストッピーになりそうかなと。
他のソリッドラバーのXDRと正直大きく違いそうなので、このあたりは店舗で良く比較したうえで決めて貰った方が良いかと。
■重量
最後に重量。
26.5㎝で331.5g。
バジェットなAir Max Impact 3(26cm/331.5g)と同一という、フラグシップで超軽量級というシューズ。
■Over All
ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 7/10
グリップ … 9/10
ベンチレーション … 8/10
クッション … 8/10
コスパ … 7/10
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ALL … 39/50
G.T.シリーズって各動作に強くフォーカスしたラインナップで、個人的にはそれぞれが結構尖っているというか一種キワモノ感漂っていたのですが、今作に置いては”Hustle”という、動作というより寧ろバイタリティーをテーマに掲げちゃっておりもう動作特化もクソもないな、と。(良い意味で)
全域的に変な癖も無く、本当にプレーンでスタンダードなシューズ。
ソールフィーリング的にはビッグマンよりガードプレイヤーが好みそうですが、結構SF・PFプレイヤーから指示されてるんですよね。(ドレイモンドとか)
フラグシップラインの”G.T.”であるという事を考えると、際立ったテクノロジーは非搭載であることやオーソドックスな作りだったりというところで正直フラグシップを名乗るにはどうなんだろう、というのは個人的感想で。
この内容でありながらフラグシップ価格ですしね…。ちょっとコストパフォーマンスとしてみると満足度は低め。
ただ、セールの落ち幅が結構大きいのもあり、値段が下がった所を手に入れられると結構満足度の高い1足になってくれようと思います。
見た目のインパクトがあれなので、そもそも対象外になりやすい1足ですが、もし見かけた際は一度偏見度外視でトライして置くことを強くオススメできる、そんな1足でした。
ボロクソ言いましたが、割と個人的にはG.T.シリーズの中で唯一続きが気になってるモデルでもありますので、ぜひ次作も見てみたいです。