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Luka 2 (S) PF Performance Review
今季シーズン得点王のシグネチャーシューズ2作目。
今季のMAVS、とても強かったですね。
最後の最後はCeltsの壁が厚く、惜しくもファイナル準優勝でしたが、来シーズンはルカイリー体制をどの様にするのか・どの様に強化するのかとても楽しみです。
ルカ自身にフォーカスすると、冒頭でも書いた通り今シーズンの得点王を獲得。
2mを超える身長と100Kg超のウェイトを持ちつつ、3も高確率で決めつつ高いバスケットボールIQでアシストを量産するという、現代で言うところのポジションレスPG、シンプルに言うと規格外PGの一人。
絶対的なスピードというよりパワーとテクニックでプレイしている様に自分には見えていて、小柄・弱小フィジカルの自分からすると一種憧れのようでもあります。(もちろん、自分としては永遠にRoseの切り裂くスピードが大好物ではありますが。)
それはさて置きで、ルカのシューズ。
1stモデルは他の方の情報にもある通り母指球側の沈み幅が大きくて自分は履けず。(合う合わないがあるので良い悪いではなく)
この2作目はその辺りの癖が大分緩和されたこともあり、やっとトライすることが出来ました。
というわけで今回は”Jordan Luka 2(S) PF”を見てみようと思います。
Luka 2、建付けがちょっと良く分かっていないですが皆さんご存知の通り2パターンの別仕様モデルがラインナップしている状態。
確か、”Lake Bled”というブルー基調のカラーが最初だったと思いますが、レースラインやアッパーデザインまで、大きくディティールの異なる仕様になっています。
Lake Bled…これはJordanブランドにおける”Bled”の事ではなく、ルカの故郷スロベニアの”ブレッド湖”に由来するカラー。
そしてこのスロベニア、環境保全にうるさいヨーロッパの中でもかなり厳しく・進んでいるサステナブルの国の一つです。
それをモチーフに、この別注仕様ではNikeのMove to Zeroの精神に則り、端材・リサイクル素材を用いて構築されています。
Webでの表記では区別していないですが、この仕様のLuka 2には”S”というモデル名が付与されています。(つまりNikeにおける正式呼称はLuka 2S )
※恐らくこの”S”はサステナブル(Sustinable)を意味しているものかと。
このSモデルは現在3色リリースされていますが…それはさておきでどちらかというとフィット感もろとも大きく違う仕様な事の方に注目し…それは後ほどゆっくりと。
今回はこの3色のうちの”Smoke Grey”、自分の大好物なグレー基調にイエローの差し色が映えるこのカラーを見ていこうと思います。
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■ディティール
ではまず外観から。
なんと言ってもベースモデルと大き違う使用のレースループが一際目を引きます。
全周をぐるりと回る太めの紐がフィットのサポートパーツとしても機能しており、オリジナルのアッパーをパイプ化したレースホールとはロックダウンの起点も全く別物の仕上がりになってます。
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アッパーのパネル形状やトゥボックスの作りも別物。
ここまで違うと昔のPOモデルの様な別物の仕上がりに見えます。
というかここまで違ってしまうと全く別の型を作るわけでしょうし、ステッチによるパターンを入れるなどかなり拘った仕様なので、「果たして本当にエコなのか?」とちょっと感じつつ。
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全体的なシルエットとしては通常モデルと同じ感じですが、前述の通りトゥボックスの違いやレースラインの起点も違うのでフィット感に関しては大分別物に仕上がってます。
店頭でも結構見かけることができたので、ちゃんと両方を比べた上でチョイスされるのがおすすめです。
もう1点オリジナルと違う点として、TPU製のヒールカウンターが入ってます。
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機能性どうこうは後ほどとして、個人的にはこの素材感がなんとも言えない味を出していてかなり気に入ってたりします。
ミッドソールの粒感やヒールカウンターの混ぜ物感等、リサイクル素材らしさがこのSモデルの持ち味かと。
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■フィット
では機能の方も堪能してみましょう。
まずはラスト。
最近のNikeラスト、少し短めに変わったように感じているのは自分だけですかね…。前作は試着のみですが前作も基本短めだった印象。
それに加えて、履いていくと幅・高さ共に余裕が出てきてしまい、
マイサイズで選んだですが正直これがベターチョイスではなかったと反省してます。
個人的にはハーフアップしつつソックス2枚などでスペースの殺し込まで含めて検討されるのがオススメと言えるかと。
あともう1点個人的に注意して欲しい点は、初代Why Notの様にヒールカップが結構深めの点。
これが合う合わないでサイズ印象が大分変わってしまうので、注意してもらえると。
構造は連結部が少し低めのハーフブーティー。
これにレザーフレームのは行ったファブリックアッパーが重なる構成。
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ヒールパッドは厚みは控えめ。
ヒールカップが自分には少し広めに感じられ、これもソックス1枚基準で失敗した点。ソックス1枚だと少しブレを感じます。
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ロックダウンはディティールのところで書いた通り、周囲を回る太めのレースループがフィッティング機構として機能する形。
下側2段はこのレースループに直接シューレースをかける構造。
上側2段はアッパー貫通式のレースホール+レースループ補強の組み合わせ。
このレースループは各ポイントで縫い付けられており、レースアップに連動して動く等は特に無し。
シュータンはネオプレンの様な低反発系。
ロックダウンは結構ダイレクト目ですが、このシュータンのお陰で足当たりはきつくないです。
あ、そういえばNikeさん、なんかおまけが付いてましたよ、えぇ。
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中足部とトゥに…というよりシャンクも兼ねているサイドパーツ。
斜め前のジャブ・横の切り返し時にこれかなり効いてますね。
変な張り出しもなく、ここがあたって痛みが出るということはそうそうないかなと。
フィットに関してはこんな感じで、ラスト含めて少し癖がある感じ。
短時間の試着だとなかなか顔を出してくれない部分ですので、試着時間長めにとってよーく検討されるのがオススメです。
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■ソールフィール
続いてソールフィール。
まずはインソールですが、これまたThe混ぜものって感じがして個人的には萌ポイントでした。
ヒールマークのMove To Zeroマークがこのインソールを良く表しているかと。
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感触としては、逆に混ぜもの過ぎてなんとも表現し辛い…。
粒状のフォームを組み合わせて整形されている理由ですが、同一素材の色違い端材を使っているわけではなく、それこそ全種類のフォーム端材を使っている様で感触もそれぞれ結構違います。
裸足で乗ってみると少し粒感を感じられて面白いです。
感触的には薄めで、どちらかというと反発目。ただすぐ底突きする感じなので邪魔をしないという感じ。
通常版は最近AJ1とかで採用され始めているらしいDREAMCELLという素材が用いられており、感触としては柔らかくフットベッドという感じだったので、こちらの方が個人的にはダイレクト目に映りました。
あ、1点だけ苦言を申すならば、このインソールを貼り付けないでくださいNikeさん。粒が中に残ります。残ります。
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底材は何も無し。
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さてさてお待ちかねのミッドソール。
構造が結構複雑で、エンジニアリング的にも結構拘りを感じるポイントでした。
Fomula23フォーム以外明言が無いので確証はあれですが、まず大部分のベースはファイロンのような硬質なフォーム。
それをバスタブ状にくり抜いて、フルレングスZoom Airのように表面にFomula23フォームを敷き詰めている構造。
そして親指側のブロック、ここも柔らかめのフォームになっており、恐らくこちらもFomula23フォーム。
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外側の硬めのブロックの方にLuka独特の母指球までは届かないシャンク。
屈曲剛性に結構影響しており、足にしっかり追従してくれます。
今作は母指球真下まで固めのフォームが一部覆っており、これにより今回は前作の様な母指球側の大きな沈みがなくなったのが個人的なお気に入りポイント。この方が母指球起点で素早くセパレートできるので、”らしい”仕上りに感じるんですけど、Luka自身としては合わなかったんですかね。
Play Offでは最新の3でもなく1をチョイスして戦っていました。
(…ということは3も変に沈まないモデル?それとも慣れるまでの時間が足りなかった??)
ただ、もちろんLukaシューズらしい癖は少しだけ顔を見せてる感じがします。
まず外側の硬めフォームは若干外下がり気味に傾斜してますので、やはり基本は回内気味の接地に感じます。
もう1点は母指球下の感触。丁度でフォームの切り替え位置・フレックスグルーブの位置に母指球真下が来る感じになるのですが、外向きに約1cm位のエリアが柔らかいフォームに乗る感じになります。
なのでセパレートステップで深めのアングルをつかたり、踏み込みで回内が大きめの人は柔らかいフォームメインで乗る感じになります。
(恐らく、ここまで大げさにやらないと柔らかい・回内が作れないからLukaは1stの方が好みなのかと。)
バランス割とフラットではあるんですが、ヒールは少しだけ低め。
アーチも高め。
アーチが合わない可能性もあるので、自分に合うフレームつきのインソールと組み合わせて利用すると更に快適に利用できるかと。
アウトソールはブレードのトレッドパターン。
結構粘るラバーで冬場のホコリ多めのフロアでもしっかりグリップ効いてくれます。
少しスキール音は多め。
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■重量
最後に重量。
26.0㎝で375g。
意外に少し重めの分類。
Answer 4が同じ重量だった事が意外。(25.5cm/375g)
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■Over All
ということで、以下に評価してみようと思います。
フィット … 7/10
グリップ … 8/10
ベンチレーション … 7/10
クッション … 7/10
コスパ … 8/10
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ALL … 37/50
Lukaシリーズらしさは残しつつ、前作の癖が大きく減り、扱いやすくなったモデル。(但し、Lukaにマッチするとは言っていない)
という感想でした。
顔を出す癖が極小・局所的で、普通にチョイスして乗る分にはただただ一般的に扱い易いシューズに映ると思います。
回内すべてが悪いわけではないので、シュートの安定性などの面でこのくらいのアクセントは寧ろプラスに映るかもしれないです。
(シュート時の踏み込みで上昇モーメントが体の真ん中に行くので)
ただ、Luka本人・またはLukaの様に極端にこの傾向が欲しい方には物足りなく映るのかもしれません。
…ってなると、度々話題になるのが「じゃあ果たしてシグネチャーシューズとは?」という疑問ですが、ここまで話題を広げてしまうと話が終わらなくなってしまうので本日はこの辺で…。
つい先日、次作のLuka 3のラインナップが開始され、フォームはフルレングスCushlon3.0とのこと。
まずは店頭で見てみつつ、個人的にはLukaのプレイスタイルというのは結構好みなのもあり、引き続き動向を追っていければと思います。
まずは店頭で見てきます!