第1話 母が病気になりました
母が病気になりました。
病名は急性骨髄性白血病です。
2017年10月のことでした。
旅行好きの母が、体調不良を訴え旅行をキャンセルしました。
吐き気はないけど、気持ち悪くなったり、急に冷や汗が出てズキンズキンと心臓の動きに合わせて痛みが襲う。その痛みは背骨から始まり、体中のあちこちに移動するとのことでした。15分もすると治まる。そして、足に紫の斑点が出てる。
子供の時から漢方薬が専門だった父が経営する薬局で育ち、ブラックジャックを全巻読破し、綾瀬はるかと山田孝之のせかちゅーで泣いた私の脳内コンピューターはすぐさま白血病を疑いました。
母は、数年前に患った脊髄管狭窄症が再発してると言い張りました。
普段から喧嘩ばかりしていて、余り私の言うことを信じない母ですが、嫌々ながらもお医者さんに診てもらうことにしました。
てっきり内科に行くのかと思ったら、皮膚科に行きました。怒って、なぜかと尋ねると、かかとにできた切り傷が化膿して治らないからとの返事がきました。
あれだけ大騒ぎして旅行もキャンセルして、早く診てもらったほうがいいって言ったのに、謎の母の行動。
それから数日後、観念したのか近隣の大学病院で診察してもらった結果、私の予言通り、急性白血病と診断されました。
母は『青天の霹靂』を連発します。信じられない!あんなに元気だったのに、嘘みたい。人生は何が起こるかわからない。等々。
ここで、母の人生を振り返ってみましょう。
山梨のミッションスクール(中学・高校)を卒業後、昭和薬科大学入学、薬剤師の国家資格取得後、山梨で病院勤務を経て、お見合いで父と結婚、川崎市で父と薬局を営む。その後、70歳くらいまで調剤薬局を経営。
ってことは、もちろん白血病の知識もある程度あるし、家には医学書がいっぱいあるので、調べようとすれば調べられる。
そう。
決して、急に、突然に、白血病になるわけではないのである。(特にご年配の方の場合)
なにかしらの自覚症状もあっただろうし、喫煙や、不摂生、食べ物の偏りなど、思い当たる節もあったに違いないのです。
でも、母は、ものすごいプラス思考と言えば聞こえはいいが、要は、人の言うことは全く聞かないので、都合の良い情報以外を遮断してしまうのです。
結果として、『晴天の霹靂』という単語を連発することになったのであります。
検査と治療のために11月1日から入院が決まりました。
(続く)
イラストは元吉茉莉花さんです。twitter(@marika_3o210 )
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