第17話 戒名
母が病気になりました。
病名は急性骨髄性白血病でした。
2018年11月2日母は旅立ちました。
父が亡くなったときは、母が喪主をつとめました。
私は当時26歳でしたが、父は社会的に色々な役職をしていたので、葬儀は盛大で、私は決まったことに対して、ハイハイとうなずくだけで、話し合いにも加わることができずに不貞腐れていました。
今回は、私がすべての責任者になるために母とは生前に色々なことを話し合いました。しかし、実際にその時が来ると意外と忘れ物に気づきます。もちろん、気づいたときには既に遅し。母に希望を聞くことはできません。
私の場合、その最も重要だったことは戒名を決めることです。
私の家は曹洞宗なのですが、お墓のあるお寺は曹洞宗ではありません。ただお墓をお借りしています。(借りるという表現が正しいかわかりませんので、調べておきます。)
基本的ルールとしては、曹洞宗のお坊さんを呼んで葬儀をしたり、四十九日の法要をします。私の家がいつも頼んでいたお坊さんは山梨県のお寺なので、とても大変ですし、お値段もとても高いです。
母は、密葬を希望し、山梨のお坊さんを呼ばなくてもいい、一周忌などの法要をしなくていい、四十九日を済ませてから、各位に連絡して欲しいとの希望があったため、それを尊重しました。
葬儀の代わりにリストの人を呼んで、ミカン箱(なぜか毎回ミカン箱が出てくるのですが、それが質素の代名詞であることはわかるのですが、どう使うかは不明)でいい。賛美歌を流して欲しい。
私は、全て母の願いを叶えようと思い、その通り行いました。
そうなんです。
戒名という概念を忘れていました。
葬儀屋さんから白木位牌(仮の位牌)はどうしましょう?と言われたあたりから困っていました。
私の家は檀家でもなく、お墓のあるお寺のお坊さんにつけてもらうのは宗派が違うのでまずいかも、母はなるべくお金をかけないで行えと言っていたし、そもそも賛美歌をかける時点で母は戒名は嫌なのではと迷いました。
結果、戒名ではなく、俗名のままにすることにしました。
戒名は、白木位牌(仮の位牌)、位牌(四十九日で必要)、墓石、この3つに必要です。こちらも生前にどの人に頼むのか、お値段の相談などを生前にしておくと私みたいに困らなくてすみそうです。
【戒名】
仏教において加入するために守らなくてはいけないルールを受け入れた人に与えられる名前。日本においては、死後に成仏するという考えのもと一般的になっている。
【話し合ってもらいたいこと】
1、戒名をつけたいかどうか(これは私の考えです。この聞き方が失礼にあたるかもしれません。その場合は次の質問からお願いします。)
2、戒名をどの方に頼むのか。お寺の連絡先。(法要などをして頂くお寺と同じになることが多いと思います。稀にその宗派の本山など、違う場合もあるそうです。)
3、戒名をつけてもらうのに、どのくらいの費用をかけるのか。
私は、母の希望を汲み取る、そして今回、戒名そもそもの意味についても知ることができ、色々考えた結果、俗名のままという選択をしました。そして、私自身も俗名のままを希望したいと思いました。これを機に皆様が考えるきっかけになれば幸いです。
(続く)
イラストは元吉茉莉花さんです。twitter(@marika_3o210 )
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