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BRANDED SHORTS 2023 セレモニーレポート

米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル & アジア 2023(以下、SSFF & ASIA)は、ブランデッドムービー(企業や広告会社が制作したブランディングを目的としたショートフィルム)の祭典「BRANDED SHORTS 2023」を赤坂インターシティコンファレンスで開催。世界から応募された695作品の中からUKの洗剤会社Vanishによる『Me, My Autism & I』がインターナショナル部門の、眞露の『恋するチャミスル2』がナショナル部門のBRANDED SHORTS OF THE YEARとして発表および賞の授与が行われました。

 第一部では、審査員長たちばなやすひと氏率いる安藤桃子さんや太田光代さん、カンヌ国際映画祭で役所広司さんの男優賞受賞が話題となった「Perfect Days]の共同脚本をつとめた高崎卓馬さんら8名のトークイベントが開催されました。

 たちばな氏から「錚々たる顔ぶれの審査員メンバーで議論して決めるのは、苦しくもあり、楽しくもありました。」とトークセッションをスタート。太田光代さんからは「審査員は昨年から務めていますが、昨年より今年は明るいトーンだった印象があります。もしかすると、昨年は夜に審査したからかもしれませんが(笑)、今年は元気な安藤さんに引っ張られ、明るい審査ができたと思います!一つの作品を何回も何回も見ていると、違って見えてくるのが不思議だと感じました。全てに意味があり、素晴らしい作品が多くあったと思います。」と審査時のエピソードを披露、高崎さんからは「Branded Shorts設立の時から審査員を務めていますが、今年はインターナショナルとナショナルの差を一番感じた年でした。何故その差が出ているのか自分でも考えてみたいと思いましたし、インターナショナルとナショナルの境をなくした時、どう判断するのかを考えさせられました。インターネットで国境を越えることができるので、これから作品を作る人は人間の普遍的な所に触れる覚悟がある作品の方が沢山の人に届くのではないか、と思っています。」 と世界と日本の作品についてコメントをしました。さらに、安藤監督からの「地方の会社だと制作費がないことが多いが、若い子たちは日常的に映像に触れているので、映画に対してのハードルは無くなってきているのではないかと思います。そのうち、映画との境界線がなくなるのではないかと思っています。」に対して、たちばな氏から「普段やったことのない人たちはどんどん挑戦していただき、このショートフィルムの領域をシャッフルしてもらえたらと思います。」とのコメントで締めくくりました。 

元サッカー女子日本代表の澤穂希さんが登壇「失敗しても取り返せばいい」
第二部では、「“デジタル”と“人間らしさ”の融合」を体現した作品に授与するDeloitte Digital Award(デロイト デジタル アワード)では、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「米津玄師 x PlayStation®️」が受賞しました。受賞したSIXのクリエイティブディレクター奥山雄太氏からは「境界を越えるという話がありましたが、PlayStationさんと米津さんと話しながら、この時代にどう出していくかを考え、作り上げました。“炎上や分断など武器を振りかざすのではなく、面白さ、ユーモアをかざす“という世の中に対する提案を形にしにいきました。」とコメントをいただきました。

 続いてDeloitte Digitalがスポーツビジネス組織の立ち上げに伴い、 <スポーツを通じて新たな価値を創る>をコンセプトに制作したショートムービー「Relentless Challenger ーその挑戦が未来をつくるー」が紹介され、Deloitte Digitalクリエイティブディレクターの二澤平治仁氏からは「どんなメッセージを本気で伝えるかを考えた時、作られた言葉でなくアスリートのみなさんの本物の言葉で、挑戦を描くことで共感を呼びたいと考えました。決して一人では成し遂げないということも、作品を通じて伝えたいと思いました。」と本プロジェクトについて説明。

 ムービーにも登場するサッカー界のレジェンド澤穂希さんは、「2011年のワールドカップ準決勝で自分のミスパスで失点をし、その1点は重かったのですが、『取り返す』という前向きな気持ちと、チームメイトからの声かけでミスを取り返し、逆転勝ちをすることがでました。ミスを恐れるのでなく、それを取り返せばいいという思いで何事も取り組んでいます。自分の言葉で誰かの後押しができれば、それは光栄なことだと思いますし、誰かの言葉に救われたことも沢山あります。それは特定の誰かというわけではなく、その時々で、色んな方に励まされています。そしてスポーツの持つ価値は、勇気や夢希望を与えることだと思います。 」と自身のエピソードを共にコメントしました。

 第二部では、ブランデッドムービーの中でもHRの視点に注目し展開するHR部門 supported by IndeedのHR Best Short Awardも発表され、Webtoonを制作・配信する株式会社ソラジマの『WEBTOON新人編集者 密着ドキュメント』に賞が授与されました。プレゼンターをつとめたIndeed Japan株式会社Marketing Senior Director田尻祥一氏は、「今年は、どのようなミッションを掲げ、どういう未来があるのか、を描いている企業が多くありました。その中でも今回の受賞作品は映像のテンポや音楽の良さも勿論ありながら、実際に働く主人公のリアリティが描かれていました。」と評価しました。

続く、観光映像大賞の発表では、青森県の観光映像「からっぽ」に観光庁長官賞が授与され、観光庁観光地域振興部長中村広樹氏より、オンラインで参加の青森県は「びっくりしております。まさか、と言うと作ってくださった監督や皆さんに申し訳ないのですが、非常に嬉しく思っております。」と、驚きと共に受賞の喜びをコメントしました。

本イベントはBRANDED SHORTSのメディアパートナーとなったABEMAがLIVE配信。
各受賞作品はABEMAおよび映画祭オンライン会場で7月10日まで放送、配信中です。

受賞作品はこちら

また、イベントの模様はSSFF & ASIA YouTubeチャンネルで視聴可能です。