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<レポート>秋の国際短編映画祭BRANDED SHORTS presents 【ごっこ倶楽部 × こねこフィルム 特別セッション】トッププレイヤーに学ぶ PRとショートドラマの最前線

SSFF & ASIA 2024 秋の国際短編映画祭で開催されたBRANDED SHORTS のセミナー。今回は急成長するショートドラマ界のトッププレイヤーとして、株式会社GOKKO 取締役 COO / 統括プロデューサーの志村優さん、脚本家・こねこフィルムプロデューサー兼代表の三野和比古さん、映画監督・こねこフィルムディレクター兼代表の三野龍一さんをゲストに迎え実現した特別セッションの模様を書き起こしレポ―トにしました!

ショートドラマは企業のブランディングにどう活用できるのか、ごっこ流、こねこ流の心を掴むストーリー作りとは。
BRANDED SHORTSの視点でショートドラマの最前線と未来像をお聞きしました。

開催日時:2024年10月17日[木] 16:00-17:00
会場:赤坂インターシティコンファレンス
ゲスト:
志村 優さん:株式会社GOKKO 取締役 COO / 統括プロデューサー
三野 龍一さん:映画監督/こねこフィルムディレクター兼代表
三野 和比古さん:脚本家/こねこフィルムプロデューサー兼代表

左より、MCを務めたSSFF & ASIA 阿部、ごっこ倶楽部 志村優さん、こねこフィルム 三野 和比古さん、三野 龍一さん

阿部:皆さんこんばんは、ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2024 秋の国際短編映画祭、赤坂インターシティでの本日このイベントが最初のリアルイベントとなります。お越しいただきまして誠にありがとうございます。

BRANDED SHORTS presents 【ごっこ倶楽部 × こねこフィルム 特別セッション】 トッププレイヤーに学ぶ PRとショートドラマの最前線
開催いたします。

BRANDED SHORTSについて少し説明をさせてください。
ショートショート フィルムフェスティバル & アジアという今年26回目を迎えた国際短編映画祭では、世界中の短編映画を公募し、審査し、毎年優秀な5作品を米国アカデミー賞に推薦できる、アカデミー賞公認の映画祭です。

その知見を生かし、9年前からこのBRANDED SHORTSという企業や地方自治体などによる、様々なプロモーションのためのショートフィルムといったものを取りあげるショウケースをスタートしました。
Branded Shorts of the Yearなど、あるいは観光映像大賞、HR Best Short Awardなど様々なブランデッドムービーを表彰する部門やアワード発表や、ブランデッドムービーについて学ぶ、研究するセミナー、ワークショップを開催しています。
本日は新たな潮流としてのブランデッドムービー、縦型のショートドラマ、今回便宜的にTikTok風ショートフィルムと呼ばせていただきますが、そういったものに、我々としても是非着目をして、学べる知見をたくさん得ていこうというトークセミナーです。

私は、このショートショートフィルムフェスティバルやBRANDED SHORTS部門のプロデューサーをしております、阿部 龍太郎と申します。

史上初共演!ごっこ倶楽部×こねこフィルムのトークセッションスタート

それでは早速本日のスペシャルゲスト3人、結構後ろからもう声が漏れて盛り上がっている感じなんですが、ご登壇いただきたいと思います。皆さん拍手でお迎えください。

株式会社GOKKO取締役COO統括プロデューサー志村 優(しむら ゆう)さん
こねこフィルム プロデューサー兼代表三野 和比古(みの かずひこ)さん
同じく、こねこフィルムディレクター兼代表三野 龍一(みの りゅういち)さん

皆様、ご着席ください。
本日のトークイベント、まずは縦型ドラマの潮流ということについてお話をお聞きしていきたいと思いますが、自己紹介も兼ねてそれぞれの団体を立ち上げられたきっかけを教えていただければと思います。
ではまず志村さんからお願いします。

志村:はい、ただいまご紹介に預かりました、株式会社GOKKOの統括プロデューサー兼COOの志村と申します。よろしくお願いいたします。株式会社GOKKOは、ごっこ倶楽部というショートドラマアカウントを立ち上げていて、ごっこ倶楽部の他にも、日テレさんと一緒に「まいはに」というアカウントだったりとか、ドコモさんと一緒にショートドラマアカウントを立ち上げたりと、本当にショートドラマを作ることのみを生業として、3年間活動してきているクリエイターカンパニーとクリエイター集団となっております。なので、今回ショートドラマについてだったりとかショートショートについてのお話をさせていただけるということで大変光栄に思っております。よろしくお願いいたします。

阿部:続いて、こねこフィルムさん、よろしくお願いします。

和比古:合同会社こねこフィルムの代表の三野と申します。縦型のショートドラマを作っていますが、我々は元々 映画の制作をしている集団なので、映画のスタッフ、キャストが出ているというところで、縦型の媒体以外にも映画やドラマの制作もメインに活動してる方々に参加してもらっています。主戦場はショートドラマではないけれども、ショートドラマを生かして活動の場を広げていくことを目的に立ち上げた集団です。今こねこフィルム以外にもテレビ東京さんとの協業で「aimaiMe」というアカウントだったり、あとは今日15時に発表しました、日本郵政さんとの協業のアカウントだったり、これから増々活動の場を広げていきたいなと思っていますので、よろしくお願いします。

阿部:ありがとうございます。今日15時だったんですか、発表、日本郵政?

和比古:そうです、はい本日15時から。

阿部:すいません、そんな直後に。リリースの確認とかめちゃくちゃ追われてたんじゃないですか?

和比古:そうですね、投稿してきました。

阿部:投稿してきた!是非そちらも皆さんこの後チェックいただければと思います。

龍一:出演者オーディションというのもありました。

阿部:なるほど、そちらも皆さん是非チェックください。

龍一:僕の自己紹介もしますね。
こねこフィルム代表兼ディレクターの三野と申します。映画監督をやっておりまして、映画をやっていていつも話すことではあるんですけれど、制作費をかけている映画だと、数字についてやっぱりすごくプロデューサーに言われるんですよね。数字を持ってるキャストだったり、もちろん自分の知名度も含めて数字があるかないか、映画映像業界でも同じで、そこにずっといら立ちみたいなのを覚えてきました。数字のあるキャストさんをキャスティングするのか、でも自分はやっぱり好きな役者さん、尊敬する役者さんや尊敬するチームで作りたいという思いから、自分たちの数字を作ってしまった方が早い、という考えでやり始めたのがこねこフィルムです。

阿部:ありがとうございます。今日、聞いていただいている方には、どういう方々がお越しいただいてるのかなと思っておりまして、複数当てはまるという方もいらっしゃると思うので、是非その場合は手を挙げていただければと思います。

まず、監督、クリエイター、映画や映像を作ってますよ、という方、挙手いただけると。

結構いらっしゃいますね。
次、俳優さんはどうでしょうか。俳優さんもやっぱり今日結構いらっしゃってますよね。
プロデューサーですという方。いらっしゃいますね、
企業の広報とかマーケのご担当の方々。広告代理店さんの方、いらっしゃいますか。
ちらほらいらっしゃいますね。
ありがとうございます。
そんなような皆さんに向けて、開催できればと思いますが、なんと今回この2組に関しては初共演でよかったですかね。

志村、三野:そうですね。

阿部:初共演ということで、ちょっとオフィシャルな場では初めてということで、お互いの印象、特に作品に関してですね、もちろん今日初めましてではないかもしれないですが、教えてください。

喧嘩はしたくない!ショートドラマとスケッチコメディ?戦略的と感情的?

志村:絶対喧嘩はしたくないです。僕たち先ほど、ごっこ倶楽部の説明の中でショートドラマを作らせていただいてるとお話はしたんですが、一方、こねこフィルムさんの作品を見ていて、結構僕たちが作ってるコンテンツとは軸を変えて作っているなあと僕は感じながら見ています。
例えば、僕らがショートドラマ作る時とか、バズる構成を考えるとか、コメントにつながる構成を考える時ってシチュエーション数、何シチュエーションあった方がいいか、新転換が何個あると良いか、セリフのラリーが何文字ぐらいのものが何ラリー続くといいかみたいな、結構数字を追いながら作ってる部分があります。一方で、こねこさんの作られてる作品は1シチュエーションでかつ音楽もあまりずっと紐付き続けているわけではなくて、テンポ感だったりとか作品そのもののBPMも楽曲主体ではなくてお芝居主体で作られていたりして、本当になんかコンテンツとして、もしジャンルで分けるとすれば、僕らが作ってるのはショートドラマで、こねこさんが作ってるのはいわゆるこうスケッチコメディみたいなものなのかなと感じていつも見ています。
なので、お芝居に間(ま)だったりとか、あとは本当に進むテンポ、僕たちは物語全体の展開を音楽だったりとかシチュエーションの転換で起こして推進していく作り方をしてるんですけど、本当こねこさんのはお芝居によって進んでいくとか、その間でうまくテンポを取っているなと感じるので、この差分はすごく感じています。

阿部:ありがとうございます、それを聞いていかがですか?

龍一:ほぼ言ってくださった感じ、ありがとうございます。

志村:とんでもないです。

和比古:そうですね、本当にごっこ倶楽部さんといえば、僕がこねこフィルムを立ち上げる前に見てたショートドラマの1つというか、一番王道を走っている、ショートドラマの作り方をしている印象です。数字も安定していますし。

龍一:すごいですよね、常に安定してる作りというのはやっぱり分析があるのですね。

和比古:なのでそこは本当にもうショートドラマを戦略的にやられてる印象を強く持っています。なのでいつもショートドラマを分析する時は今のこの時流や流行りを掴むというとこを参考にさせていただいてるアカウントです。

龍一:いろんな人に作り方を教えていらっしゃる、普通見せたくないものじゃないですか。でも、やっぱりショートドラマ界を大きくするために情報を共有していますよね?言ってしまえば、チルドレンたちがいっぱいいるわけじゃないですか。それをしているというのが僕たちはなんか1人で戦ってるみたいなイメージではありますよね。

和比古:ごっこ倶楽部さんはドラマの王道だなというイメージがあります。ドラマの見せ方、カットも重ねてシチュエーションもしっかり、ストーリーもしっかりとしています。僕らは独自の世界観という印象が強くて、1シチュエーションの中で感情的に、感情に乗せて物語というかストーリーを進めていく作り方が多いんです。

阿部:ありがとうございます。その教えるという部分はなんで始められたんですか?

志村:そうですね、僕はそもそもショートドラマやエンタメ領域にずっといたわけではなくて、10年美容師をやって、5年コンピューターのエンジニアをやった後、このごっこ倶楽部に入って、初めてエンタメを作る側に回っています。それまでは本当に見るだけだったり楽しむだけ、ゲームをプレイするだけみたいな感じだったんですけど、改めて作る側に回った時にこのクリエイティブ、クリエイションしていく業界の脆さだったりとか弱さを感じた部分があって、それは面白いコンテンツを作るその面白さの蓋然性に対して誰も気にも留めていないというのがありました。これは俺は面白いと思う、この権威はこれを面白いとしました、みたいなものはたくさんあるんですけど、なんか民意からの総意を取った面白さみたいなものをたくさん作っていくみたいなことに重きを置いてる人が本当にいないなと思ったんですよ。で、これ自体はなんかクリエイター目線からすると、すごい極めてかっこいい美徳だなと感じつつ、僕はクリエイターではなくって一視聴者だったので、視聴者からすると、いや面白いもの作り続けてくれよとずっと思っていたので、ここで言う面白さとは再生回数だね、とかリアクションの数ではあるんですけど、このリアクションの作り方とか再生回数の作り方をクリエイターが知っておくべきだと僕は思っている。で、ごっこ倶楽部のポリシーとしても同じなんですけど、やっぱりこの部分、面白さの蓋然性を高めていくみたいなことがやっぱり今のエンタメ業界で、もうちょっと意識した方がいいなと僕自身視聴者として思ったので、教えていくだったりとか蓋然性とは何か、みたいなことを少しずつ自分の思考の整理も含めて、共有していったりはしていこうと思った動機になっていますね。

阿部:僕も映画の勉強というのを少ししてたんですね。その時にアメリカの総合大学における映画学科の発展ということについて、ちょっと研究してた時期がありまして、やっぱりUSC(University of Southern California)とかUCLA (University of Los Angels)みたいなところで体験してみると、本当にその教育のレベルの高さが、そりゃあずっと面白いもの作り続けられるよねという、ノウハウの方程式がめちゃくちゃしっかりしてるし、もう学生の頃から本当にプロの方々に教わって、プロの機材、プロのスタジオを使って練習できるんだな、というのを目の当たりにして、そこが日本や他の国でも本来やれると面白さの再生産みたいなことはもっともっとできるんだろうなということを感じました。
我々はこのショートショートと今日のこういうイベントもそうですし、監督さんを集めて、ノウハウを共有するみたいなことは絶対やっていかなきゃいけないなと思っています。すごく今の話を聞いて改めて我々も身が引き締まる思いだな、というように思いました。
今年TikTokのトレンド大賞でもショートドラマという言葉が受賞しました。
皆さんはTikTokだけではく、YouTubeショート、インスタリールというところも、あとXもあると思いますが、縦型のTikTokのショートドラマがやはり人気になっています。
ズバリなんで人気なのでしょうか、要因を伺えれば。まず志村さんからお願いします。

聞いてみたかった!ショートドラマは何故人気なのか?―明確な人類の進化

志村:今回代理店の方もいらっしゃる中ではありますが、結構代理店の方とお話したりする時によく、ショートドラマがなんで人気なのかを説明している資料を見させていただくんですが、基本的によく言われてるのが、まずショートだから。隙間時間で見れるからとか見る時のコスパがいい、タイパがいい、見なければならないコンテンツが多くてちょうど100個見なければならないうちの1個にするにはショートドラマは見やすいから、だから流行っているのです、みたいなことを書かれている資料とかを拝見させていただいている中で、僕はなんかその辺りは全くこれが流行っている理由になっていないなと思っていまして、1番、このショートドラマが流行っている理由だったりとか、もっと大枠でショートコンテンツが流行っている理由、これはTikTokだったりとか、YouTube shortsというプラットフォームが出てくることによって、僕らはコンテンツを能動的に見なくなってきました。で、理由とその能動的とは何かいうと、映画館に映画を見に行く時ってこういう映画を見に行きたいとかテレビをつけてテレビ欄からこれを見たいみたいな選択する時ってタイトル見て出てる人見て、こういう気持ちになりそうだなと思ってザッピングして番組見に行くみたいな形で、そもそも選択の時点でかなり能動的にコンテンツを見にというケースが多いです。
一方で、今のTikTokやYouTube shortsを使って作品を見る時はめちゃくちゃ受動的に見ます。で、これは受け身で見ているというよりかは受け身であることがかなり強いアクティブな行動になっているのですけど、いいものが流れてくることが当然になってきているので、基本的には探す手間が省けているから、みんなTikTokやYouTube Shortsのおすすめ欄を能動的に見にいくんですけど、この能動的なアクションの中には全て受動的なコンテンツが流れてくる形になっています。
ショートドラマが流行っている理由はまさにここにあって、皆さんは多分、今TikTokやYouTube Shortsを見ている時に自分がこの感情になりたいなと思って、そのコンテンツを見るみたいな体験をほとんどの方がしていないはずです。一方で、なんか何にも思っていない時間だったんだけど、クスっと笑えたりとか感動する気もなかったのに感動するみたいな、今までの日常の中で絶対に出会えないような感情体験をすごくミクロにかつ日常的に摂取するようになっているはずです。この多分新しい体験がほぼ強い依存度のもと、生活の中に紛れ込んできてしまっている。なので、ショートドラマの面白さはまさにそこにあって、感じる予定ではない感情を感じられるんですよ。で、そこを意識せずとも、もうその感情になれてる。この暇を潰そうと思っていた能動的なアクションが受動的なコンテンツの流れによって想定していない感情とか読後感まで消化されているというのを、すごい小さな単位に感じてしまっているので、ショートドラマで感動してくれて、そのアカウントをフォローしたくなる。1分しかなかったのに、3分しかなかったのに、まるで映画で得たような感情を得た気になれる。僕らも得てもらえるように作ってはいるのですけど、この受動的に新しい感情に出会うみたいなことを僕たち人間は新しい欲求として多分もう持ってしまっている。なので、この欲求に答えられるコンテンツとしてショートコンテンツというものがあって、その中のナラティブなものの代表としてショートドラマが存在している。なので、僕たちが作っているコンテンツは高い再生回数で見てもらったりとか、たくさんの方にコメントしてもらえるようになっているなと思うので、やっぱりこの狙って偶発的な出会いをコンテンツによってさせてあげられるし、僕たちもそれに向けて制作していける。この辺りがショートドラマのコンテンツが流行ってる理由だなとは思っています。

阿部:なんかちょいとした人類の進化みたいなところの話だと思うんですけど、多分おそらく今まで映画とかテレビもそうかもしれないですけど、ある程度まとまった時間をかけて笑ったり泣いたりという、しばらく平坦だった感情が一気に笑ったり泣いたり、アップダウンして消化するということがあったのが、日常的にそこそこ感情が動くものにも触れるのが当たり前になって慣れてしまって、もうそこで今まであった大きなまとまりの感情の動きみたいなのではなく、ちょこちょこ消化できるようになって、しかもその消化に慣れちゃったみたいなそういう感じになってきたって感じですよね。

志村:と、僕は解釈してます。本当にちょっとしたというか明確な人類の進化だと僕は思っていますね。

阿部:あ、もう明確?

志村:明確。ここ最近のトレンドになってる音楽のBPMって本当に年間BPM5ずつぐらい上がってるんです。ちょっと前はBPM100ぐらいが早いなと思っていて、今って160BPMの音楽すら多分僕らも速いと思わないです。それぐらい速さに慣れてきてもいますし、速さが当然になってきていて、160のBPMじゃない音楽を遅いとまで感じるようになってきている。速いを進化とはもちろん言わないんですけれども、そのスピードのものをコンテンツとして認知できるようになっている。これはZ世代ほど若ければ若いほどこの当然のハードルを無意識に超えてきているので、やっぱりこの速さだったりとか小さな面白さを表示したいという探究とかは明確な進化としてあるなと思ってはいます。

阿部:これはこれでもう別にセミナーをやった方がいいレベルなんでしょうね。多分今内容的に聞いてるともっと聞きたいぐらいなんですけれども、是非ここはこねこフィルムさんからもなんでこういうショートドラマ、ショートフィルム、縦型のものが流行ってるか人気の要因?

龍一:全く同じ意見

阿部:全部言っちゃうから笑

龍一:素晴らしい

阿部:残しとかないと

龍一:計算してね

阿部:なんか特定のエリアからの笑いがすごい大きい気がしますが笑

衰退する映画業界でショートドラマ人気がクリエイティブの輪を広げるチャンス


龍一:僕たちは本当に元々映画の出身なので、本当にできれば長尺のものを見てもらいたというような気持ちでいるのですけれども、本当にもうこねこフィルムを立ち上げたきっかけにもなってる、やっぱり映画って、僕ら映画作って映画劇場公開したんですけれども、やっぱり映画館に足を運んでもらえるお客さんというのが減ってきてるというところはありますし、我々のような自主制作というかインディペンデントで映画を作ってる制作者にとっては、やっぱりそこの集客ってかなり難しくて、それは制作者だけでなくて役者もそうですし、映画業界自体が衰退してるというか、集客が見込めないというところで数字が取れないというのをすごく悩んでいます。
そんな中で、ショートドラマの人気というのは我々もやっぱり映画畑でやってるだけじゃなくて、今後はこういうツールを使って、活用して自分たちのこのクリエイティブの場を広げていくことに生かせるんじゃないかなと思います。

阿部:ありがとうございます。BRANDED SHORTSも10年前に動き始めた時、やっぱりこの広告の領域とか企業や観光の領域もクリエイティブを十分発揮して意味のある、ビジネスになる領域だよね、と可能性を感じ、始めました。
本当にクリエイティブの領域が広がっていくムーブメント、すごく僕らとしても一緒にやっていきたいと思っています。
企業や行政がプロモーションのためにショートドラマを使うケースが増えている印象も受けますが、実際どんなご相談が多いとかありますか、志村さん。

Z世代にとって、マスであがっているコンテンツは面白くない

志村:そうですね、本当にショートドラマの認知が強くなってきていて、各企業さんだったりクライアントの方から何か(漠然と)でショートドラマ作りたいです、みたいなお声がけをいただくことが多いです。それは商品の認知だったり購買率の向上もありますし、ブランドリフトしていきたいみたいな方向でももちろんあるので、ショートドラマを使ってメッセージを届けたい、もっと具体的に言うと、やっぱりZ世代に向けて、自分たちのコンテンツをリーチさせて認知を上げていきたい、ブランドリフトしていきたいみたいなことが多くなってきているなと思います。
理由は明確で、マス広告打ってもZ世代の人たちが見てくれるわけではもちろんないのと、本当にマスで上がっているコンテンツが極めて面白くなくなってきているなと思います。
多分ここにさっきクリエイターの方々も多くいらっしゃったと思うのですが、本当に最近感じるのはマスのCMもそうですし、あと結構強く顕著に感じたのは、去年年末にやった紅白歌合戦で、アイドル、日韓のアイドルにYOASOBIの「アイドル」を歌わせるみたいなのもあったのですが、やっぱりデジタルで流行っている民をマスに持っていけばZ世代に対してめちゃくちゃリーチするでしょというありえない安易な激寒発想みたいのは結構あるんですよ。

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