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Best Japan Brand 2023に学ぶ、ブランドの「整合性」

こんばんは。ブランディング×弁護士の三浦です。今回は、先日株式会社インターブランドジャパンが発表したブランドランキング | インターブランドジャパン (interbrandjapan.com)を見ていきたいと思います。


優れたブランドの条件=整合性。

Best Japan Brand 2023の報道発表資料によれば、2023年に大きく価値を向上させたブランドには、「Agility(俊敏力)」「Coherence(整合性)」「Distinctiveness(独自性)」の3点が高いという共通点があるとのことです。

この中で、今回特に注目したいのは「Coherence(整合性)」です。整合性とは、いわば首尾一貫性。そのブランドの想いやパーパスが、企業行動のあらゆる場面で貫かれているかどうかという指標です。

例えば、前年比でブランド価値が24%成長したWORKMANは、世界的な物価高騰の中でパーパスである「機能性と価格に、新基準」に従って製品価格を維持したことが大きな話題を生みました。

同様に、前年比成長率が20%だったDaikinもまた「空気で答えを出す会社」という一貫した事業活動とコミュニケーションが、コロナ禍の中で大きく評価されたブランドです。

整合性を失うと、ブランド価値はあっという間に吹き飛ぶ。

他方で、ブランド価値を落とし続ける企業はどうでしょうか。名前は伏せますが、高齢者や地域に優しい企業であることを標榜しておきながら、その高齢者を騙すような事業活動をしていたある企業は、不祥事発覚から3年でブランド価値が40%も下落し、いまだにランキング外です。

また、日本の高度成長期を象徴する高品質が売りだったメーカーも、数年前に品質不正事件を起こし、数年でブランド価値が40%下落。その後全社的な組織改善運動を行う様子が大きく報道されたにもかかわらず、2023年は前年比で約10%ブランド価値が下落。2023年のブランド価値は不祥事発覚前の約半分になってしまいました。

もちろん、ブランド価値の下落の理由はコンプライアンス違反以外にもありますが、コンプライアンス違反が「整合性」を決定的に破壊することでブランド価値を大きく傷つけるものであるということは言えそうです。

神は細部に宿る。「整合性」の追求はコンプライアンス領域まで。

優れたブランドは「整合性」を徹底的に追求しています。冒頭のインターブランドの報道発表も「⾃社のパーパス(存在意義)に基づいた活動を、社内外に向けて、 経営層から社員まで⼀貫して徹底的に⾏」っているブランドが成長していると述べています。

また、日本ブランド経営学会理事長で、ブランドコンサルタントの上條憲二さんも著書「超実践! ブランドマネジメント入門 愛される会社・サービスをつくる10のステップ 」の中で、「ブランドは細部に宿るのです。」と主張しています。

ところが、「コンプライアンス領域まで目を配り、ブランドとして一貫性を持たせている」という話はほとんど聞いたことがありません。整合性に対する最大のリスクがコンプライアンス違反なのに、です。これは何とかしなければなりません。

私が先日リリースした著書「コンセプトドリヴン・コンプライアンス: 担当者の9割が見落としている企業コンプライアンスの極意 」は、コンプライアンスに首尾一貫した「コンセプト」を持たせ、コンプライアンスとブランディングの橋渡しをすることで、ブランディングの一部としてコンプライアンスに取り組むための入門書です。

整合性を追求することでブランド価値を向上させる。そのためのコンプライアンスを、ブランディング×弁護士で実現させていきます。

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