第8回 横浜トリエンナーレへ :DAY1
第8回 横浜トリエンナーレへ
横浜トリエンナーレへ行ってきました。
横浜トリエンナーレは今回で第8回目の開催。
アーティスティック・ディレクターは、中国のキュレーターとアーティストのお二人で、リウ・ディン(劉鼎)さんと、キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)さん。
開催テーマは「野草:いま、ここで生きている」で魯迅から着想を得たもの。
前回の横トリは2020年開催。本来ならトリエンナーレ(3年ごとに開催)なので2023年に開催されるはずが、横浜美術館(メイン会場)のリニューアルの遅れにより2024年に入ってからの開催に。
前回(2020年)訪問時から3年半経つのかと思うと、時の流れは早い。。。
横浜美術館
まずは桜木町の駅から美術館に向かう。
美術館側面の壁に「SIDE CORE」の作品が見えてくる。
個人的に楽しみにしていた作品。側面の壁全体に描かれていて、かなりのスケール!最近はペイントかと思ったらシート貼りだった、って壁画が多いが、これはちゃんとペイントでした。良いです。
「SIDE CORE」の作品を堪能してから美術館に入る。
美術館内は天井のルーバーをリニューアル工事で修理し再び開閉ができるようになったらしく、閉じていたルーバーが開いていて、記憶よりも明るい!
2階(入口フロア)は正面、左右と作品の数が半端ない。これまでのように大型の作品はないが、とにかく作品数が多い。(2階は無料エリア)
そんな中、「オープングループ」の映像作品の音が館内に響いている。ウクライナの難民キャンプでは飛行機の音で選別できるよう教えられているようで、爆撃機の音を発声し、そのあとに観客にもやってみるよう投げかける作品。モニターも結構な大きさです。(プロジェクターではない)
次は有料エリアの3階へ。
壁面の「志賀理江子」の作品を眺めつつ最初の展示室に。
展示は章立てになっているようで『密林の火』の章。
「トマス・ラファ」の映像作品が印象的。ヨーロッパの極右、移民、LGBTなどに関する集会やデモの様子を扱ったドキュメンタリー的作品。
欧州の現状を垣間見れ、単体では良い作品だと思うが、そのあとの展示室にも点在しており、(もちろん内容は異なるのだが、)だんだん気持ちが重くなってくる。。。
章立ての順に見て回る。
物故作家から現在の作家までところ狭しと作品が展示されているが、新作は少ない。
終盤にある「丹羽良徳」も過去作を再構成した展示だが、空間(展示室ではないスペース)を活かしたディスプレイの構成は良かった。
ただ、「トマス・ラファ」はじめ多数の社会的・政治的な作品を見たあとでは、丹羽の作品も以前観た時よりもやはり気持ち重めな印象に。
横浜美術館内の展示は、社会的な問題をストレートに扱う印象の作品が多く(そうでない作品も多かったと思うが)、気持ち重たい。必要だとは思うが、芸術祭として考えるとバランス(作品の数ではなく印象として)が。。。
ハッピーで映える作品が欲しいとは思わないが、ある程度の祝祭性は欲しい。ほっこりする場(作品)も必要かと。
そんな中で「SIDE CORE」の壁画は、芸術祭らしいスケールの作品だった。会期中に変化もあるため、機会があればもう一度見たい。
BankART KAIKO
次は馬車道にあるBankART KAIKOへ。
3作家ほどの展示とBankARTのアートショップがある。
ここにも「丹羽良徳」の作品が展開されているが、その他の作品は印象薄め。
旧第一銀行横浜支店
そして、道路反対側の旧第⼀銀⾏横浜⽀店会場に。
ここは他の会場と一線を画す展示で独特な展開になっていた。高円寺になってます。独特のゲリラ感満載のスペース。
しかし、展示は面白いのだが、他の会場とのつながりはないような。
その他の会場
そのほか、元町・中華街駅やクイーンズスクエア横浜内にそれぞれ1作家の展示があったが、横トリの展示だとわからないよね、という感じだった。
今回、横浜美術館以外の会場が増えたが、正直必要だったのかな?と思った。
前回2020年のプロット48会場の方がもう少しまとまって観せていたかと。
また、美術館内は作品を詰め込み過ぎな気がし、作品の傾向も重めに感じる設定だった。
そのあたりは、連携事業のBankARTの方がStationや街中の展示もあって作品のバランスが良く感じる。好みによると思いますが。
次回はBankARTと黄金町バザールについて書きます。
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